樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

大雨の後の鳥

2023年05月25日 | 野鳥
連休の後半に大雨が降りました。宇治川で繁殖しているイカルチドリに影響がないか気になったので、5月10日にカメラを持って歩いてきました。
護岸コンクリートの上にイカルチドリが3羽いました。川の水は満杯。イカルチドリが産卵し、雛がいたであろう中州は水没しています。すべて流されたでしょう。



いつもはチョロチョロとよく動くイカルチドリがほとんど動かず、じっと川を見つめています。私には、わが子をさらった川を親鳥が呆然と眺めているように見えました。自然の摂理とはいえ、小さな鳥にはどうしようもない厳しい現実です。
でも、翌日再訪すると、川の水も元通りに収まっていて、中州でイカルチドリが鳴きながら飛び回っていました。もう一度、繁殖をやり直したようです。
増水した宇治川にはカワアイサもいました。いつもは中州近くにいますが、この日は急流を避けて岸で2羽が休んでいます。その横にイカルチドリ1羽います。本来は冬鳥で、今ごろは北国に帰っているはずのカワアイサが宇治川では毎年越夏します。ただ、いつもは雌タイプですが、このときは雄が2羽。



その後は見かけないので、遅ればせながら北へ帰ったのかもしれません。あるいは、上流へ移動して夏を越すのかもしれません。近いうちに上流へ行って、越夏個体かどうか調べてきます。
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木を見ながら鳥を見る

2023年05月18日 | 野鳥
前回、宇治市植物園で久しぶりにツリーウォッチングを楽しんだとお伝えしましたが、もちろんバードウォッチングも楽しむつもりで双眼鏡とコンパクトデジカメを持参しました。キビタキなど夏鳥がいるかもしれない、通過中のオオルリが見られるかもしれないという淡い期待を抱いて…。
しかし、園内をブラブラ歩きましたが、ヤマガラやヒヨドリ、イソヒヨドリなど留鳥が姿を現すだけで夏鳥はいません。ところが、いちばん奥にある池の近くを歩いていると「ギョギョシ、ギョギョシ」という声が聞こえてきました。
「えっ、こんなところにオオヨシキリ?」。想定外の鳥の出現に驚きながら双眼鏡で探すと、池の中央部の木に1羽、手前の木に1羽止まってさえずっています。



この鳥は、名前のとおりヨシが生い茂る河川敷などで繁殖しますが、この池はヨシがまばらに生えている程度で、繁殖できるほどの密度ではありません。植物園の周辺にはヨシ原はなく、通過中かもしれませんが、それにしてはよくさえずっています。
いずれにしても、思いがけず夏鳥と遭遇し、キビタキやオオルリほど声も姿も美しくないですが、しばらくバードウォッチングが楽しめました。時間があれば、また1カ月後に訪れて繁殖するかどうか確認しようと思っています。
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久しぶりにツリーウォッチング

2023年05月11日 | 樹木
4月末、夏野菜の栽培講習会に参加する妻に誘われて、約10年ぶりに宇治市植物園へ行ってきました。私は野菜栽培には関心がありませんが、帰りにいろいろいただく苗を持ち運ぶのが役割(笑)。おにぎりを持って半分はハイキング気分です。1時間半の講習会の間、私は園内で久しぶりにツリーウォッチングを楽しみました。
まず目に入ったのはトチノキの花。野鳥生息調査のために25年以上通った栃の森のことは当ブログでも長年お伝えしてきましたが、体力的に厳しくなって昨年から引退したので、大好きなトチノキを間近に見るのは久しぶり。新緑の掌状複葉と、小さな白い花が集まった円錐形の花序を見ていると、栃ノ森の空気感が蘇ってきました。



園内のコースを歩くと、これも栃ノ森でよく見たクマシデが数本植えてありました。細長い葉にたくさんの葉脈が走って、いかにも木の葉という感じ。



栃ノ森にはなかったですが、ナンジャモンジャの花も満開でした。その名前のインパクトから最近はよくテレビでも紹介されますが、正式和名はヒトツバタゴ。



NHKの朝ドラ「らんまん」のモデル・牧野富太郎は結構おちゃめな人だったようで、「ナンジャモンジャの真物と偽物」という一文で、次のように書いています。
第一の贋のナンジャモンジャは、かの東京の青山の原にあったもんじゃ。本名はヒトツバタゴ、科名はヒイラギ科だ。過ぐる頃天然記念物の一つとして内務省の御世話になったもんじゃ。
園内の奥の方を歩いていると、バナナの甘い香りが漂ってきました。カラタネオガタマの花が咲いているようです。あたりを探すと、木立に隠れて1本ありました。日本産のオガタマノキにはこんな匂いはありませんが、なぜか中国産のカラタネオガタマの花は甘いバナナの香りを発します。



妻が講習会でいただいて私が持ち帰った苗は、今わが家の庭の小さな畑に植えられています。何種類かの夏野菜が収穫できるらしいですが、あまり期待せずに待ちます。
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クロジに「さよなら」

2023年05月04日 | 野鳥
数年前、連休の頃に近くの大吉山にクロジがいたことがあったので、今年はどうだろうと思って連休前の27日に確認に行ったところ、予想通りまだ2~3羽残っていました。
関西では冬鳥なので、もう北国へ帰らないといけない頃なのに、のほほ~んと宇治の山で餌を食べています。ツツジの花と同じ画面に写っているのが不思議ですが、これがこの鳥たちの生態なのでしょう。



繁殖は信州より北なので、こちらでさえずりを聴くことはほとんどありませんが、5年前に信州にツアーに出かけた際にさえずりをたっぷり聴いてきました。そのときの映像が以下。



早く帰らないと繁殖に間に合わないのでは?と心配になりますが、この動画を撮ったのは7月1日なので、まだ時間はあるようです。
この冬は、私がときどき散歩に出かけた際にも楽しませてくれましたし、野鳥の会の探鳥会でも現れて20人ほどの参加者を喜ばせてくれました。
また、次の冬に来てくれることを期待して、「さよなら」を告げてきました。
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