樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

樹の名の哲学者

2014年02月03日 | 木とスポーツ
もうすぐソチオリンピックが始まります。私は全く関心ないですが、男子フィギアスケートの町田樹(たつき)選手のコメントが面白くて、それだけを期待しています。
「サナギからチョウへ羽化するような、進化した姿をお見せしたい」とか、「僕の立場は1歩でも下がれば、もうそこは死なんだと気づきました。SPの後に断崖絶壁を見ました。絶景でした。怖かったです」とか、今までのスポーツ選手にはない表現力です。
愛読書はヘーゲルの『美学講義』だそうで、“氷上の哲学者”という異名が付いています。
この「樹」という名前は、日立のCM「この木 何の木 気になる木」を見た両親が、「あの木のように大きな存在になってほしい」という願いを込めて付けたそうです。
以前にもご紹介しましたが、日立のCMに登場するのはアメリカネムノキ、通称「モンキーポッド」。ハワイのオアフ島にあります。


日立のCMに使われているモンキーポッド(著作権フリー画像)

哲学者と言えば、最近よくメディアに登場する武道家&哲学者の内田樹さんも同じ名前。樹という名前の“哲学者”が2人も出てきたのは偶然でしょうが、私にはもう一つの偶然が重なりました。
たまたま読んでいた樹木の本で、ドイツの哲学者フィヒテが次のように書いていることを知りました。
「一本の樹木に意識を与え、その樹木を妨げなく成長させ、枝を伸ばさせ、その類に特有な葉、つぼみ、花、実を生じさせよ。この樹木がまさに樹木であり、しかも、まさにその類に属する樹木であり、その類のなかのまさにその一個であることによって制限されているとは思わないであろう。この樹木は自らを自由と思うであろう…」。
ちょっと難解ですが、要するに「自然が本来の姿を発揮できるように、自由にしてやることが人間の使命だ」ということのようです。
その言説はさておき、このフィヒテ (Fichte)というドイツ語 はトウヒを意味するそうです。有名な「黒い森」を形成するのはこのドイツトウヒ。ピアノやバイオリンになくてはならない有用材でもあります。
内田・町田の両樹(たつき)氏のはるか以前に、木の名前の哲学者がいたわけです。しかも、こちらはベルリン大学の初代総長であり、町田樹さんが愛読するヘーゲルが「死後はフィヒテの墓の隣に埋葬してほしい」と願った本家本元の樹の名の哲学者です。
できたら、オリンピックのインタビューではそのフィヒテを引用して、面白いコメントを残してくれないかな~
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卓球と木

2011年11月24日 | 木とスポーツ

一応男なので、妻と対戦して負けるスポーツはないのですが、卓球だけは勝てません。中学・高校と卓球部だった経験は、40年後も男と女の力の差を超えます。

この卓球は想像以上に木と関係が深いです。まず、卓球台は木製。パーティクルボード製のものが多いようですが、高級品にはカツラの板を使うそうです。

 

 

 

ラケットも素材の85%は天然木というルールがあって、ヒノキやキリのほか、ヤナギ、マツ、ウォルナット(クルミ)などが用いられるそうです。

下の写真は妻のラケットですが、木口を見ると基材はヒノキのようです。木の種類によって軽さや反発力が違うので、選手たちは材質にこだわるのでしょうね。

 

 

 

意外なことに、ボールも実は木からできています。

ボールがセルロイド製であることはご存知と思いますが、そのセルロイドは樟脳、つまりクスノキの樹脂から製造されます。

 

 

 

現在は廃れましたが、セルロイドは昔の日本の重要な産業で、各地にクスノキを植林し、樟脳の生産も専売公社が管理していました。

樟脳といえば虫除け剤のイメージが強いですが、生産量としてはセルロイド用の方が多かったはずです。写真や映画のフィルム、人形、万年筆、めがねフレームなどセルロイドの用途は幅広かったのですが、燃えやすいとか製造工程で危険が伴うといった理由でプラスチックに切り替わりました。

卓球のボールもロンドンオリンピック以降はプラスチックに切り替わるそうです。

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囲碁・将棋

2010年04月29日 | 木とスポーツ
私は全く打ちませんが、木の本を読んでいると囲碁や将棋の話がよく出てきます。例えば、「最高級の碁盤はカヤ材の四方柾で、家が1軒買えるほどの値段…」。
「四方柾」とは盤面と側面(2面)、裏面の4面が柾目の材という意味で、樹齢700年クラスのカヤでないと取れないとか。それにしても、家1軒分の値段というのはスゴイですね~。


(この碁盤は家が買える値段かな?)

カヤは色やツヤなど見た目の美しさだけでなく、打った時の音がいいそうです。しかも弾力性があって、石や駒を打っても疲れない、打った後の凹みが復元するという特長があるといいます。
しかし、現在は国内産のカヤはほとんど流通していないので、中国産のカヤとか北米産のスプルースを「新カヤ」という名前で使っているそうです。
ちなみに、中級品の碁盤や将棋盤はカツラやイチョウ。また、碁石入れる碁笥(ごけ)にはケヤキが、将棋の駒を入れる箱にはキリが使われます。


(近くにあるカヤの巨木。これならン千万円の碁盤が作れるかも)

盤にはもう一つ木がからんでいます。あの独特の形の脚は、他人が対局に口を挟まないようにという戒めの意味で、クチナシ(口無し)の実をかたどっているとか。


(クチナシの実をかたどった脚)

話としては面白いですが、私は「後からこじつけたんじゃないの?」と疑っています。下の写真がクチナシの実ですが、そんなに似てないでしょう?


(クチナシの実)

また、碁盤や将棋盤の裏面にくり抜いてある穴を「血だまり」と呼び、口出しした人の首を切って置くためだと説明されますが、これも眉ツバっぽいです。そうではなくて、分厚い木材が反らないように、あらかじめくり抜いてある穴ではないでしょうか。
こういう話が生まれるほど昔から多くの人が囲碁や将棋に熱中し、他人の口出しを嫌ったということでしょうね。
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バンクーバーの表彰台

2010年02月22日 | 木とスポーツ
オリンピックの熱戦が連日放送されています。今のところ日本人選手は3人しか上ったことがないので見る機会が少ないですが、この大会の表彰台は木製です。
森林に囲まれたブリティッシュコロンビア州の特徴を生かして、先住民や自治体から寄贈された木材を使って製作したとか。
幅4.8mのものから15.3mの団体競技用まで用意され、最も軽い表彰台でも200kg。たくさんの板を並べた流線型のデザインは、バンクーバー周辺の山並みを表現したそうです。


(木製の表彰台)

上と下の画像はブリティッシュコロンビア州の広報用サイトからいただきましたが、そのページでは各会場で使われる23台の表彰台について、どの地域の誰が寄贈したか、どんな木を使ったかまで紹介しています。
樹種はイエローシダーやレッドシダーなどヒノキ系、ダグラスファーやパインなどマツ系、そのほかスプルース(トウヒ)、ラーチ(カラマツ)、ヘムロック(ツガ)などの針葉樹のほかバーチ(カバノキ)もあります。その多様さはさすが森林大国。


(200個もの木材パーツを使った表彰台)

この表彰台に良く似たものが宇治市にあることを思い出しました。文化センターのロビーに飾ってあるモニュメント。バンクーバーの表彰台を縦にしたような木彫アートです。
大倉侍郎という宇治在住の彫刻家(世界的にもそこそこ有名らしいです)が制作した高さ5.2mの大作で、文化センターが竣工した25年前にロータリークラブが寄贈したもの。


(宇治市文化センターにある木彫作品「ながれ」)

作品名は「ながれ」。85cm角のシオジ材を50枚積み重ねて宇治川の流れを表現しています。
バンクーバーでは山を、宇治では川を表現した相似のフォルム。たまたまでしょうが、おもしろい一致です。
「たまたま」がもう一つあります。宇治市には姉妹都市が三つあり、その一つがカナダのカムループス市。ほとんど知られていない町ですが、バンクーバーと同じブリティッシュコロンビア州にあります。地図で見るとすぐ近くですが、州の面積が日本の2.5倍だそうですから、遠いんでしょうね~。
ブリティッシュコロンビア州の木製表彰台のサイトはこちら(英語)
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木のチーム名

2009年12月24日 | 木とスポーツ
以前、鳥の名前のスポーツチームをご紹介しました。「でも、まさか木の名前のスポーツチームはないだろう」と思っていたら、今年そんなチームがデビューしました。
アメリカでアメフトの新興リーグが誕生したのですが、その中にカリフォルニア・レッドウッズというチームがあります。Redwoodはセンペル・セコイヤの通称で、北米西部の山中に自生するスギの仲間。100メートル以上に成長する世界一高い樹木です。カリフォルニア州の誇りとしてチーム名に採用したのでしょう。


(California Redwoodsのロゴ。モチーフは樹皮かな?)

アメフトファンのツリーウォッチャーとしては嬉しい話ですが、この新興リーグ、8チームでスタートする予定が昨年の不況で大幅に縮小されて4チームのみ。いつまで続くのやら、心もとない船出です。


(関西森林総研の植物園にある本物のレッドウッド)

日本にも木の名前のチームがあるのだろうかと調べたら、ありました。まず、J1復帰を果たした「セレッソ大阪」はスペイン語で「桜」。大阪市の花であることがネーミングの理由のようです。


(セレッソ大阪の本拠地、長居競技場にあった看板)

同じくJリーグの「ヴァンフォーレ甲府」は、フランス語のvent(風)+foret(林)の造語で、武田信玄の風林火山に由来するそうです。しかも、ロゴには山梨県の県花フジザクラがあしらってあります。


(ヴァンフォーレ甲府のロゴ)

まだあります。バレーボールのチャレンジリーグ(Vリーグの2部)に「熊本FOREST LEAVES」というチームがあることを発見。熊本が「杜の都」であること、選手やスタッフを1枚1枚の葉に見立てたことからのネーミングだそうです。


(熊本フォレストリーブスのロゴ)

今までサッカーもバレーボールも興味なかったですが、これからはこの3チームを応援することにします。
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北京オリンピックと街路樹

2008年07月23日 | 木とスポーツ
もうすぐ北京オリンピック。先日、あるセミナーでオリンピック会場の周辺で進められている緑化事業の話を聞いてきたので、少しご紹介します。
大規模な道路整備に伴ってたくさんの街路樹が植えられているようですが、主な樹種はサルスベリ、エンジュ、ハクショウ(白松)、イチョウ。この4種は北京にふさわしい樹木なんだそうです。
今の時期はちょうどサルスベリが満開ですから、マラソン中継ではその赤紫色の花が画面に映し出されるはずです。

       
      (近所のサルスベリはもう満開。花期が長いので別名「百日紅」)

エンジュは日本でもたまに街路樹に使われます。日本には「エンジュ」と名のつく樹木がこのほかにハリエンジュ、イヌエンジュがあり、いずれもマメ科特有の羽状複葉なので識別が難しいです。中国では縁起のいい樹とされていて、出世のシンボルになっているそうです。

             
          (京都市の天神川通りの街路樹はエンジュ)

ハクショウは以前、諏訪神社のものをご紹介しましたが、樹皮が白っぽい3葉性のマツ。日本ではほとんど見られない珍しい樹木です。イチョウは日本でもお馴染みで、街路樹としては最もたくさん植えられています。
以上の4種は当然のことながら中国原産。ハクショウ以外は私たちもよく目にしますから、日本は中国からの移入種がいかに多いかを思い知らされます。

             
        (諏訪神社のハクショウ。中国では「白皮松」と表記)

こうした街路樹のほかオリンピック森林公園を整備したり、選手村のマンションに屋上緑化を採り入れたり、中国はかなり大規模な緑化事業に取り組んでいます。黄砂が飛来するせいか私たちは何となく「中国は緑が少ない」と思っていますが、データ上は緑化面積の伸び率は日本を上回っています。
私はオリンピックにはほとんど関心がありませんが、街路樹が映るマラソンだけは観戦しようかな~。
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木の刀

2008年06月13日 | 木とスポーツ
宮崎県の東国原知事は盛んに県産品をPRしていますが、知事の出身地である都城市には知る人ぞ知る木の伝統工芸品があります。
剣道に使う木刀は8割以上が都城産。材料になる上質なカシが自生していることや、昔から武道が盛んだったことから、木刀の名産地になったようです。

       
           (わが家の護身用の木刀。材料は多分アカガシ)

木刀には主にシラカシやアカガシが使われます。また、ヒイラギも重くて硬く、肌目が緻密なので高級な木刀になるそうです。
珍重されるのは、「日本で最も重い木」と言われるイスノキ。特に風化した木の芯材は「スヌケ」と呼ばれ、最高級の木刀になるようです。装飾用としてはコクタンやシタンでも作られるとか。

             
               (日本で最も重いイスノキ)

木刀と言えば、巌流島で佐々木小次郎と闘った宮本武蔵は舟の櫂を削った木刀で勝ちましたが、この櫂もカシ製です。特にイチイガシがよく使われたようで、弾力性に富み、水切れがいいので漕ぎ手の負担が少なかったそうです。

             
          (武蔵が櫂を削って木刀にした?イチイガシ)

「物干竿」と呼ばれた小次郎の長い刀が3尺1寸(約94cm)、武蔵が櫂を削った木刀が4尺6寸(約1m39cm)だそうですから、木刀の方が45cmも長かったんですね。
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貴乃花部屋

2008年03月07日 | 木とスポーツ
明後日から始まる大阪場所のために、多くの相撲部屋が大阪市の谷町筋にあるお寺などに稽古場を構えています。パトロンのことを「タニマチ」と言うのはここに由来するそうです。
ところが、貴乃花部屋だけは、去年からうちの近くにある新興の神社(龍神総宮社)に拠点を構えています。私は幼い頃、貴乃花の叔父さん(初代・若乃花)に憧れて相撲取りを夢見たくらいですから、何だか嬉しくて見学に行ってきました。しかも、2回。

              
       

序二段や三段目の若い力士が7人いるだけの小さい部屋ですが、部屋付きの親方には元大関の貴ノ浪や元小結の隆三杉がいます。
稽古は朝5時半から8時まで。「地元住民を大切に」という親方の方針から、見学は大歓迎。稽古場の座敷に座らせてもらって、お茶までいただいて見学してきました。フラッシュを焚かなければ撮影もOK。

              
          (鉄砲柱。直径50cmくらい、高さ3mくらい)

このままでは単なるミーハーなので、木の話をしますと、稽古場の隅に直径50cmくらいの鉄砲柱が立っていました。腕の運動や突っ張りの練習のために使う柱です。樹種は分かりませんが、木肌が白いのと、相撲は神事がルーツなので、神具に多用されるヒノキではないでしょうか。
大男たちが体重と力を込めて突っ張るわけですから、強度のある木でないと持たないでしょうし、相当深く埋め込まないと倒れてしまいます。強度の点から推測するとケヤキかも知れません。

(左はタコ、右はタタキ。土俵の整備に使う道具)

稽古場の裏に回ると、写真のような道具が置いてありました。左は、その形から「タコ」と呼ばれ、土俵の土を固めるために使います。そんなに大きくないのに、私が持ち上げてもびくともしませんでした。カシとかイスノキなど重い木が使われているはずです。右は「タタキ」という道具。タコで固めた土俵の土を平らにならすのに使うようです。
また、稽古場にはないですが、行司の軍配は木製。樹種はカエデだそうです。
さて、本場所が始まる頃、私は年に1度の鳥見ツアーで沖縄にいます。このブログも月曜日はお休みします。土産話にご期待ください。
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ウッドカーリング

2007年11月23日 | 木とスポーツ
日本チームの活躍もあってカーリングが結構メジャーになってきました。氷の上で石の円盤を滑らせ、ブラシでこすりながら標的に近づけるというユーモラスなスポーツです。
そのカーリングの木製版を京都の玩具メーカーが考案したというので見てきました。場所は、京(みやこ)エコセンター。この施設では研修室やトイレやなどあちこちに木が使ってあります。

       
       

本当のカーリングで「ストーン」と呼ばれる円盤は、北山杉の間伐材(集成材)で作られ、裏に埋め込まれた3個のボールベアリングによってレーンの上を滑ります。カーリングのようにブラシでこするプレーはありませんが、標的に近づけたり、相手の円盤を弾いて勝敗を決めるのはカーリングと同じ。

            

レーンのフレームも北山杉の集成材。この会社は間伐材を使った玩具を専門に開発していて、ほかにも木片を立体の透明ケースに入れるパズルがありました。

       
10月22日の記事でスギの用途の幅広さをご紹介しましたが、こんな新しい玩具もあるんですね。当日はガールスカウトの小学生が楽しそうにプレーしていました。
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土俵の上の木と鳥

2007年07月11日 | 木とスポーツ
小学校3年生頃まで、私の夢はお相撲さんでした。モヤシっ子で運動神経も鈍かったのですが、技をかけるのが好きで、近所のおじさんに「小さいのに巧い」と褒められて舞い上がったのだと思います。
当時は栃錦と若乃花(初代)の黄金期で、私は「大きくなったら花籠部屋(若乃花の所属部屋)に入る」と決めていました。その後さすがに力士はあきらめましたが、相撲は好きで大鵬と柏戸の時代は柏戸を応援していました。
で、ここから木の話になるのですが、以前からこの「柏戸」が気になっていました。柏の戸にどんな意味があるのだろう? 少し調べましたが由来が分からないので、以下は私の推測です。
柏は一般的には柏餅のカシワです。ところが、中国では柏はヒノキ類を意味します。日本の古い文章にも「松柏(しょうはく)」という言葉が出てきますが、これは常緑樹の「マツとヒノキ」でめでたいことを象徴しています。
つまり、柏戸=ヒノキの戸。そして、ヒノキ建築と言えば宮殿や神殿なので、神社の門扉や開き戸を意味する言葉だろうというのが私の結論です。そう考えれば、威厳のある四股名でしょう?

      
      (日本最古の神社・宇治上神社のヒノキの戸=日本最古の柏戸)

偶然ですが、柏戸と大鵬は木と鳥の対決だったのですね。現在はどうなのか、7月場所の幕内力士を調べたら、木の四股名は栃煌山、栃乃洋、北桜、鳥は白鵬、露鵬、鶴竜、海鵬の7人でした。
柏戸のついでに杉戸。別れの歌『蛍の光』の中に、「いつしか年もすぎの戸を 開けてぞ今朝は別れゆく」という一節があります。この「すぎ」は「過ぎ」と「杉」の掛け詞ですが、分かれるときに開ける杉の戸って何でしょうね?
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