もうすぐソチオリンピックが始まります。私は全く関心ないですが、男子フィギアスケートの町田樹(たつき)選手のコメントが面白くて、それだけを期待しています。
「サナギからチョウへ羽化するような、進化した姿をお見せしたい」とか、「僕の立場は1歩でも下がれば、もうそこは死なんだと気づきました。SPの後に断崖絶壁を見ました。絶景でした。怖かったです」とか、今までのスポーツ選手にはない表現力です。
愛読書はヘーゲルの『美学講義』だそうで、“氷上の哲学者”という異名が付いています。
この「樹」という名前は、日立のCM「この木 何の木 気になる木」を見た両親が、「あの木のように大きな存在になってほしい」という願いを込めて付けたそうです。
以前にもご紹介しましたが、日立のCMに登場するのはアメリカネムノキ、通称「モンキーポッド」。ハワイのオアフ島にあります。

日立のCMに使われているモンキーポッド(著作権フリー画像)
哲学者と言えば、最近よくメディアに登場する武道家&哲学者の内田樹さんも同じ名前。樹という名前の“哲学者”が2人も出てきたのは偶然でしょうが、私にはもう一つの偶然が重なりました。
たまたま読んでいた樹木の本で、ドイツの哲学者フィヒテが次のように書いていることを知りました。
「一本の樹木に意識を与え、その樹木を妨げなく成長させ、枝を伸ばさせ、その類に特有な葉、つぼみ、花、実を生じさせよ。この樹木がまさに樹木であり、しかも、まさにその類に属する樹木であり、その類のなかのまさにその一個であることによって制限されているとは思わないであろう。この樹木は自らを自由と思うであろう…」。
ちょっと難解ですが、要するに「自然が本来の姿を発揮できるように、自由にしてやることが人間の使命だ」ということのようです。
その言説はさておき、このフィヒテ (Fichte)というドイツ語 はトウヒを意味するそうです。有名な「黒い森」を形成するのはこのドイツトウヒ。ピアノやバイオリンになくてはならない有用材でもあります。
内田・町田の両樹(たつき)氏のはるか以前に、木の名前の哲学者がいたわけです。しかも、こちらはベルリン大学の初代総長であり、町田樹さんが愛読するヘーゲルが「死後はフィヒテの墓の隣に埋葬してほしい」と願った本家本元の樹の名の哲学者です。
できたら、オリンピックのインタビューではそのフィヒテを引用して、面白いコメントを残してくれないかな~
「サナギからチョウへ羽化するような、進化した姿をお見せしたい」とか、「僕の立場は1歩でも下がれば、もうそこは死なんだと気づきました。SPの後に断崖絶壁を見ました。絶景でした。怖かったです」とか、今までのスポーツ選手にはない表現力です。
愛読書はヘーゲルの『美学講義』だそうで、“氷上の哲学者”という異名が付いています。
この「樹」という名前は、日立のCM「この木 何の木 気になる木」を見た両親が、「あの木のように大きな存在になってほしい」という願いを込めて付けたそうです。
以前にもご紹介しましたが、日立のCMに登場するのはアメリカネムノキ、通称「モンキーポッド」。ハワイのオアフ島にあります。

日立のCMに使われているモンキーポッド(著作権フリー画像)
哲学者と言えば、最近よくメディアに登場する武道家&哲学者の内田樹さんも同じ名前。樹という名前の“哲学者”が2人も出てきたのは偶然でしょうが、私にはもう一つの偶然が重なりました。
たまたま読んでいた樹木の本で、ドイツの哲学者フィヒテが次のように書いていることを知りました。
「一本の樹木に意識を与え、その樹木を妨げなく成長させ、枝を伸ばさせ、その類に特有な葉、つぼみ、花、実を生じさせよ。この樹木がまさに樹木であり、しかも、まさにその類に属する樹木であり、その類のなかのまさにその一個であることによって制限されているとは思わないであろう。この樹木は自らを自由と思うであろう…」。
ちょっと難解ですが、要するに「自然が本来の姿を発揮できるように、自由にしてやることが人間の使命だ」ということのようです。
その言説はさておき、このフィヒテ (Fichte)というドイツ語 はトウヒを意味するそうです。有名な「黒い森」を形成するのはこのドイツトウヒ。ピアノやバイオリンになくてはならない有用材でもあります。
内田・町田の両樹(たつき)氏のはるか以前に、木の名前の哲学者がいたわけです。しかも、こちらはベルリン大学の初代総長であり、町田樹さんが愛読するヘーゲルが「死後はフィヒテの墓の隣に埋葬してほしい」と願った本家本元の樹の名の哲学者です。
できたら、オリンピックのインタビューではそのフィヒテを引用して、面白いコメントを残してくれないかな~