樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

シギとサギとカモの共演

2020年12月24日 | 野鳥
ある人に「オオハシシギがいる」と教えていただいて、隣の町にある池へ行ってきました。京都府内では珍しく、これまでに3例しか記録がありません。私自身の記録では1994年8月に千葉県の谷津干潟で初めて観察しているので、それ以来かな?
シギは基本的には春と秋に日本を通過する旅鳥ですが、たまに越冬する個体もいます。この池ではアオアシシギも2羽越冬していて、3羽が仲良く採餌していました。



このほか、イカルチドリやイソシギ、カモ類もいろいろな種類がいて、じっくりと一人でバードウォッチングを楽しんできました。
下の動画には、アオアシシギ2羽、ダイサギ、アオサギ、マガモ、ハシビロガモが写っています。旅鳥のシギと冬鳥のカモが同じ時期・場所にいることは少ないので、珍しいシーンになりました。



ダイサギとアオサギもいるので、旅鳥と冬鳥と留鳥の共演です。カモはこのほかに、カルガモ、コガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ミコアイサがいました。それぞれが食べる餌は違いますから、それだけこの池は生物多様性が豊かということになります。初めて訪れた池ですが、なかなか面白く今後も要観察です。
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冬の実り

2020年12月17日 | 樹木
前回に続いて栃の森のご報告です。木の実はほとんど落ちて、森の住人たちが食べたり、どこかに保存した後でしたが、いくつかの実りが残っていました。
まず、ナメコ。この森にはキノコも多く、いろいろな種類が生えていますが、この日はナメコがあちこちで美味しそうな姿を見せていました。この集落の名産品にもなっていて、生や加工品として販売されてもいます。



大きなツチアケビが実をつけていました。ランの1種ですが、優雅なランの花のイメージを裏切るように、ソーセージのような大きな赤い実をぶら下げています。これもこの森で時々見かけますが、今回の株は高さ約1メートル。こんなに大きなツチアケビは初めてです。



ヤドリギが早くも実を膨らませていました。2月~3月に熟すと、レンジャク類が好んで食べます。昨シーズンはレンジャクの当たり年でしたが、今年はどうなるのでしょう? 熟すと甘くて美味しいらしいですが、その後口の中がネバネバになるようです。



せせらぎの横に、シカの骨が落ちていました。同行の仲間によると、以前はもっと上流部にあったそうで、大雨のあとの激流で流されてきたようです。角が落ちているので、何かの理由で冬に死んだのでしょう。



もう20年以上通っている森ですが、訪れるたびに新しい発見があって、何年経っても飽きません。
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落ちない落葉樹

2020年12月10日 | 樹木
週末、久しぶりに栃の森へ行ってきました。いろいろな都合で参加できなかったので、5月以来7カ月ぶり。
冬枯れの森歩きの雰囲気が伝わるように、鳥用の望遠レンズを標準レンズに変えて、歩きながら手持ちで撮ってみました。



山の尾根や中腹にはスギも生えていますが、私たちが歩くコースはご覧のように落葉樹林。街よりも冬の訪れが早いので、樹々はすっかり落葉して、歩くと落ち葉がザクザクと音を立てます。
そんな中で、葉を落としていない落葉樹もあります。紅葉はしているのに、まだたくさんの葉が枝にしがみついているのです。下は、この森でトチノキの次に多いブナ。



コナラもまだ黄色い葉を茂らせています。



落ちない落葉樹はなぜかブナ科に多く、クヌギも若い樹は紅葉しながら落葉しません。わが家の庭にはカシワを植えていますが、写真のように紅葉したまま冬を越します。以上はいずれもブナ科の樹木。



中にはまだ緑色の葉を残している落葉樹がありました。下はオオバアサガラ。シカが忌避するので、この森ではオオバアサガラの林ができてしまいましたが、なぜか若い樹は緑の葉で冬を迎えています。



落ちない落葉樹の葉は受験のおまじないとして使われます。お知り合いに受験生がおられたら、公園や植物園でクヌギやコナラの葉を入手すれば喜ばれるかも…。
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新旭水鳥観察センター

2020年12月03日 | 野鳥
前回に続いて琵琶湖一周旅行のご報告です。1日目に湖東方面で野鳥観察や景色を楽しんだ後、湖西のホテルで1泊。美しい朝焼けの中で湖畔を散歩しました。



その後、マキノ高原のメタセコイヤ並木へ。この木は数少ない紅葉・落葉する針葉樹で、ちょうど赤く変色しはじめていました。別名のアケボノスギは、確か昭和天皇の命名です。



その後、妻を山の中の温泉に送り、私は湖岸にある新旭水鳥観察センターへ。ここを訪れるのは約20年ぶり。湖北野鳥センターのようにオオワシやハクチョウは飛来しないので、あまり人気がありませんが、カモはたくさんいます。いくつかのカモやカンムリカイツブリ、魚を捕まえて飛ぶ2羽のミサゴなど、それなりに楽しめました。



ご紹介したように、滋賀県には野鳥の観察施設が2カ所ありますが、京都府にはありません。大阪府には立派な自然史博物館がありますが、京都府には公営の自然系の博物館もありません(京都大学にはありますが)。そういう施設を造ろうという動きはあるものの、全く進展していません。
国立博物館、国立近代美術館、市立美術館などアート系のミュージアムに比べると極めて貧弱です。何とかならないかな~。
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