樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

平和の木

2013年04月29日 | 木と文化
庭のオリーブが新しい葉を広げました。宅地造成のために入れた貧弱な土にもかかわらず、肥料をやるわけでもないのに、季節になると若葉や枝を伸ばします。植物は健気で、不思議ですね。



このオリーブは平和のシンボルとして人間社会に貢献してくれています。よく見かけるのは国連の旗。



北極から見た地球をオリーブの枝が囲んでいるというデザイン。平和を守るのが国連の使命という意味でしょう。
国連の旗には規則があって、他の旗を並べる場合、これより大きいものを掲げたり、高く掲揚してはいけないそうです。
オリーブはアメリカの硬貨にも登場します。下は10セント(1ダイム)硬貨の裏面。



左のオリーブは「平和」、真ん中の松明は「自由」、右のオーク(ナラ)は「勝利」を意味するそうです。10セント硬貨のデザインは何度か変更されていますが、オリーブはモチーフとして代々受け継がれています。さらに、25セント硬貨や50セント硬貨の裏にもオリーブがデザインされています。
アメリカは「平和」が大好きなようで、国章にもオリーブを使っています。



国鳥のハクトウワシが文字通り“鷲づかみ”にしているのは、左がオリーブ、右が矢。オリーブの葉と矢が13あるのは、最初に独立した13州に由来するそうです。
オリーブが「平和」、矢が「戦争」を意味し、ハクトウワシがオリーブの方を向いているのは「平和」を優先するためとのこと。
平和を求めるけれども戦争も辞さないという、いかにもアメリカらしいデザインです。
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ゴッホが描いた鳥

2013年04月25日 | 野鳥
京都市美術館で開催されている「ゴッホ展」を見てきました。
画家を夢見ていた子どもの頃ゴッホの画集に親しんだこともあって、期待に胸膨らませて入場しました。しかし、小品や習作が多く、ヒマワリや糸杉などゴッホらしい燃えるような作品がなかったので見応えはイマイチ。
「空白のパリを追う」というサブタイトルどおり、ゴッホの歴史を理解するにはいいかも知れませんが、「ゴッホ展と銘打つにはちょっとな~」という感じでした。
ただ、鳥好きとして注目すべき展示がありました。『ヤマウズラが飛び立つ麦畑』という作品。


ミュージアムショップで買った絵ハガキ(麦畑の上の黒い影がヤマウズラ)

資料によると、この作品を所有していた義妹(弟・テオの未亡人)が、描かれている鳥をヒバリと思い込んでいたため、当初は『ヒバリが飛び立つ麦畑』というタイトルだったものの、その後、自然愛好家が鳥の大きさや頭が黒いこと、低く飛ぶ習性などから「ヤマウズラ」と同定し、それ以降現在のタイトルになったとのこと。
ご丁寧に、作品の横にはヒバリの剥製とヤマウズラの剥製が展示してありました。
ヨーロッパではヒバリのさえずりが「天上から聞こえてくるロマンティックな声」と認識されていて、未亡人もその先入観からヒバリと思い込んだそうです。私にはヒバリのさえずりがロマンティックとは思えませんが、ヨーロッパのヒバリは声が違うのでしょうか。
面白いことに、ゴッホはもう一つ似たような作品を残しています。今回の展示にはなかった『カラスのいる麦畑』。


こっちの方がゴッホらしいですね(画像はパブリックドメイン)

ところが、この作品に描かれている鳥がカラスである根拠はなく、遺族が公式に認めているタイトルも『黒い鳥のいる麦畑』。展示会や画集によって「カラス」と表記されたり、「黒い鳥」と表記されているようです。
孤高の画家が描いた鳥に後世の人たちが振り回されているわけです。本人にすれば、ヒバリだろうがヤマウズラだろうがカラスだろうが、「無用な詮索をするな!」というところでしょうけどけどね~。
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5000年前の殺人事件

2013年04月22日 | 木と歴史
先日、「NHKスペシャル」で興味深い番組を放映していました。アルプスで発見された5000年前の人間の冷凍ミイラ(通称「アイスマン」)を解剖して、いろんなことを解明しようという内容。
アイスマンの左肩には矢尻が刺さっていて、生贄として殺されたという説と何者かに殺されたという説があったそうです。殺人説の一つの根拠が、消化器官に残っていた樹木の花粉。
直腸にはモミ(針葉樹)の花粉、大腸にはアサダ(広葉樹)の花粉、小腸にはトウヒ(針葉樹)の花粉が残っていたそうです。花粉は食事の際に体内に入ったと考えられています。


体内に残っていた花粉の一つはこのヨーロッパトウヒ(=ドイツトウヒ)

このことから、食べ物を消化する約50時間の間に、標高の高い針葉樹林帯から一旦、標高の低い落葉広葉樹林帯へ降り、その後再び針葉樹林帯まで登ったと推測できます。
そして、短い時間にそれだけの標高を登ったり降りたりしたのは、何者かに追われていたからではないか、というわけです。
結局、逃げ切れずに背後から追っ手に矢を射られて死んだ、というのが解剖や調査を担当したヨーロッパの学者たちの結論です。
殺されたアイスマンには申し訳ないですが、面白いですね~。現代の科学は5000年前の殺人事件さえ解明してしまうわけです。ポアロや金田一耕助には絶対無理でしょう。
なお、当ブログではこれまでにも、アイスマンがイチイの弓を所持していたことや、シラカバの樹皮の器を携帯していたことをご紹介しました。
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江戸の作家の鳥狂い

2013年04月18日 | 野鳥
文学者と鳥の話が続きますが、『南総里見八犬伝』で知られる江戸時代の作家・滝沢馬琴は鳥が大好きだったようです。と言っても、バードウォッチングではなく、飼い鳥の愛好家として。
「原稿料だけで生計を立てた日本で最初の作家」と言われるように相当な売れっ子で、毎日執筆に明け暮れ、そのストレスを和らげるために鳥を飼い始めたのがきっかけ。日記に次のように記しています。
「吾今、筆硯(ひっけん)の為に繁れて保養に由なし。小鳥などの活物を座右に在らせて、常にその運動を見るならば、気を散じて宜しかるべしと思ひしかば、紅鷽(てりうそ)を求め得て、その籠を書斎の窓に掛けたりしに…」。
忙しくて筆と硯だけの日々なので、小鳥でも飼って気晴らししようと思って雄のウソを飼ったというわけです。


馬琴が初めて飼ったウソ

馬琴はこのウソをきっかけに飼い鳥にのめり込みます。その年の冬にはウソのメスを買い入れ、翌年には次々と種類を増やします。売れっ子作家が飼い鳥ファンだと聞きつけた鳥屋がひっきりなしに売り込みに来るという事情もあったようです。
数年後にはウソのほか、メジロ、キクイタダキ、ヨシキリ、サンコウチョウ、カナリア、ホトトギス、カッコウに加えて、コガモ、オシドリ、バン、シギなどの水鳥も飼っていたそうです。
特にハトに執着し、キジバト、アオバト、ドバト、キンバト、ギンバト、シラコバトなどハトだけで8種類17羽も飼っていました。
ところが、100羽以上にもなると世話も大変で、餌代もバカにならなくなり、鳥籠の置き場所にも困るようになって急に我に返り、カナリアだけを残してほとんどの鳥を売り払ったそうです。
現在は野鳥を飼うことは禁止されていますが、江戸時代は飼い鳥が一つの趣味として確立していたわけですね。
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芥川賞と鳥

2013年04月15日 | 野鳥
前回は文学者と木の話でしたが、今回は文学者と鳥。
1973年の第69回芥川賞は三木卓の『鶸(ヒワ)』が受賞しました。終戦を満州で迎えた貧しい家族が家財道具をすべて売り払う羽目に陥り、ヒワを飼っていた主人公の少年が、他人に渡したくないために籠の中の小鳥を自分の手で殺すという、バーダーにとっては後味の悪いストーリーです。
このヒワが何ヒワなのか不明ですが、作品中の「黒い頭」「のどにある褐色の斑点」「肉色の嘴」という記述から推測するとマヒワのオスのようです。図鑑の分布図を見ると、満州あたりが繁殖エリアになっています。



偶然ですが、この第69回芥川賞にはもう一つ鳥を主題にした作品がノミネートされています。野呂邦暢の『鳥たちの河口』。
こちらは、有明海で鳥の写真を撮り続けている男が主人公。イワミセキレイ、ムネアカタヒバリ、カラフトアオアシシギなどマニアックな鳥の名前が出てきたり、鳥を見る視点がバーダーや野鳥フォトグラファーと同じなので、受賞作の『鶸』よりも感情移入しやすいです。
ただ、ケガしたオニアジサシを拾って自宅で手当てするあたりは「あり得ないことではない」と思いながら読んでいましたが、クライマックスで主人公がハゲワシに襲われ、カメラの三脚で応戦するというシーンは、さすがに白けました。
多くの読者にとって違和感はないでしょうが、日本にハゲワシがいないことを知っているバーダーには「???」。過去に迷鳥としてクロハゲワシが記録されていますが、日本でハゲワシに遭遇することはまずないでしょう。しかも、人間を襲うことは考えられません。
作者は諫早市に在住する元自衛官ですが、バードウォッチングや野鳥撮影のことを誰かに取材したのでしょう。けっこうリアルに描いている反面、無理にマニアックな鳥を登場させているきらいがあります。
ちなみに、この作者は第69回では三木卓の『鶸』の後塵を拝しましたが、次の第70回では『草のつるぎ』という作品で芥川賞を受賞しています。
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ヘルマン・ヘッセと木

2013年04月11日 | 木と作家
本棚に『庭仕事の愉しみ』という本がありました。著者は『車輪の下』などの作品で知られるヘルマン・ヘッセ。私はガーデニングにあまり関心がなく、この本を買った記憶もありませんが、「ブックオフ」で“ついで買い”したのかも知れません。
何気なしにパラパラめくると、「木」「老木の死を悼む」「桃の木」など樹木に関する記述がいくつかあります。世界的な文豪が庭仕事に精を出していたことはもちろん、樹木に強い関心を持っていたことが意外でした。



読んでみると、さすがに含蓄のある文章です。以下、「木」と題された散文からの引用です。

木が民族や家族をなし、森や林をなして生えているとき、私は木を尊敬する。木が孤立して生えているとき、私はさらに尊敬する。そのような木は孤独な人間に似ている。何かの弱味のためにひそかに逃げ出した世捨て人にではなく、ベートーヴェンやニーチェのような、偉大な、孤独な人間に似ている。その梢には世界がざわめき、その根は無限の中に安らっている。(中略)
木は神聖なものだ。木と話をし、木に傾聴することのできる人は、真理を体得する。木は、教訓や処世術を説くのではない。細かいことにはこだわらず、生きることの根本法則を説く。(中略)
木に傾聴することを学んだ者は、もう木になりたいとは思わない。あるがままの自分自身以外のものになろうとは望まない。あるがままの自分自身、それが故郷だ。そこに幸福がある。


ヘッセは絵心もあったようで、水彩画も掲載されています。



「刈り込まれた柏の木」と題する詩も収録されています。

樹よ なんとおまえは刈り込まれてしまったことか
なんと見なれぬ奇妙な姿で立っていることか!
おまえの心に反抗と意志のほかは何も残らぬほど
なんとおまえは幾百回となく苦しんだことだろう!
私もおまえと同じだ 切り取られ
責めさいなまれた人生を放棄せず
悩まされ通しの惨めな状態から
毎日新たに額を光にあてている。
私の心の中の柔らかく優しかったものを
世間は罵倒して殺してしまった
だが私の本質は破壊し得ない
私は満足し宥められた
幾百回となく切り刻まれた枝から
我慢強く新しい葉を萌え出させた
そしてどんな苦しみにも抵抗して
私はこの狂った世界に恋し続けている。


剪定された木を見て、ここまで自分の思いを言語化できるのはさすが。ノーベル文学賞はダテではないですね。
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トム・クルーズとウグイス

2013年04月08日 | 野鳥
「ホーホケキョ」の声があちこちから聞こえてきます。でも、この鳥はなかなか姿を見せてくれません。
先日、河川敷の藪からさえずりが聞こえてきたので、しばらく待っていると、狙いどおり近くの木に止まって姿と声を披露してくれました。


(途中から別のフォトグラファーが加わったので、シャッター音が入っています)

美しいさえずりの後に尾籠な話で恐縮ですが、「ウグイスの糞」という化粧品があることをご存知でしょうか。
ウグイスの排泄物には加水分解酵素が含まれているため、昔から和服のシミ抜き、肌の美白、美顔、ニキビ治療などに使われてきました。現在も「ウグイスの粉」(「こな」ではなく「ふん」と読むんでしょうね)という商品名で製造・販売されています。
そのメーカーのホームページによると、「現在はウグイスが捕獲禁止のため、またワシントン条約によって輸入もできないため、近種の野鳥を適法に輸入して製品化しています」とのこと。その「近種の野鳥」とはソウシチョウを指すようです。おそらく、中国から輸入しているのでしょう。
さらに、「鳥種の違いによる成分や効果の違いはございませんのでご安心下さい」と明記しています。ウグイスやソウシチョウでなくても、似たような食性の鳥の排泄物なら美白効果があるということでしょう。
意外なことに、ハリウッドの人気俳優・トム・クルーズは、ウグイスの糞と米ぬかを混ぜた高級なフェイシャルマスクトリートメントを利用しているそうです。本人は「以前とは格段に違う」と大いに気に入っているとのこと。
「ウグイスの糞」が21世紀の今も商品として流通していることは意外でしたが、その日本の伝統的なコスメティックをハリウッドの(しかも男の)大スターが愛用していることはそれ以上に驚きでした。
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蘭奢待

2013年04月04日 | 木と香り
奈良・東大寺の正倉院に「蘭奢待(らんじゃたい)」と呼ばれる香木が残っています。収められたのは1200年前ですが、今もいい香りが立ち昇るそうです。
ベトナムなどに自生する「沈香(ジンコウ)」という木が、土の中に埋まって何年も経ったものが高級香木の「伽羅(キャラ)」。その最高級品に、東・大・寺の文字が隠された蘭・奢・待という文字を並べて命名したわけです。
沈香(ジンコウ)はジンチョウゲ科の常緑樹。そういえば、同じ仲間のジンチョウゲの花もいい香りがします。


蘭奢待の香りもジンチョウゲに似ているのでしょうか

「蘭奢待」の香りに魅せられた歴史上の人物も多く、織田信長が切り取ったという話はよく知られています。東大寺の記録によると、信長は1寸(3cm)四方を2カ所切り取ったようです。
信長以外にも足利義満、足利義政、徳川家康なども一部を切り取ったそうで、大阪大学の研究者が調べたところ、切り取り跡は38カ所あったとか。
「蘭奢待」は長さ156cm、最大直径43cm、重さ11.6kgというサイズ。高級な香木は1gで1万円の値段がつくそうですから、単純計算すると1億円以上の値打ちがあるわけです。もちろん、文化的な価値はお金には換算できませんが…。
1300年前に建てられた法隆寺の芯柱をカンナで削ると今でもヒノキの香りがするそうですが、いつまでたってもいい香りが残るというのは不思議ですね。
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バードウォッチングのルーツ

2013年04月01日 | 野鳥
前回ご報告した野草観察の後、琵琶湖沿岸へ廻って野鳥を観察してきました。コハクチョウもオオワシも北へ帰った後なので特に期待していなかったのですが、うろうろ歩いているうちに夏羽のカンムリカイツブリを発見。しかも、求愛行動まで披露してくれました。こういう予想外の出会いがバードウォッチングの一番の醍醐味です。
図鑑には「青森県で少数が繁殖する」と書いてありますが、なぜか琵琶湖北部でも繁殖しています。
初めて見る夏羽はうっとりするほど美しく、以前NHKで見た求愛行動を初めてライブで観察できたので大変満足しました。



名前の由来である冠の羽毛や首の羽毛は特に美しく、19世紀のイギリスでは女性のファッションに使うためカンムリカイツブリが乱獲され、絶滅しそうになったそうです。それを防ぐため、1889年に創立されたのが「王立鳥類保護協会」((RSPB=Royal Society for Protection of Birds)。
この団体が、野鳥を捕獲したり飼育するのではなく、自然のままの姿を見て楽しもうという運動を始めたのがバードウォッチングのルーツだそうです。Bird Watchingという言葉が生まれたのも1901年とのこと。
鳥を観察するという楽しみを生み出したのは、カンムリカイツブリだったわけです。
以前ご紹介したアメリカのオーデュボン協会も、女性のファッション用にダイサギが乱獲されるのを防ぐために誕生しましたから、よく似た経緯です。
オーデュボン協会の会員数が日本野鳥の会の1桁上の56万人と知って驚きましたが、英国王立鳥類保護協会の会員数は何と300万人。本場は違いますね。

お知らせ
さて、上の動画の右上のロゴWBSJは、Wild Bird Society of Japan(日本野鳥の会)の略。実は、昨年から京都支部のホームページのリニューアルに取り組み、企画・構成からテキスト作成、さらに新設の「動画図鑑」用の編集を進めてきました。これまでに当ブログで使ったものはマークなしのままですが、ホームページ用に新たに編集したものにはロゴを入れました。
本日から一般公開となりましたので、みなさまにも見ていただきたくお知らせします。
「野鳥図鑑」のページはこちらです。
約200種類の鳥の動画を掲載していますが、その半分が私のもの。小文字の「wbsj京都支部」のロゴは、私の仲間が撮影・編集したものです。彼は20年以上鳥の動画を撮り続けているので、京都初記録のヤマショウビンなど貴重な映像が多いです。ぜひ、ご覧ください。

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