樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

Shampoo Nut Tree

2012年10月29日 | 木と美容
知人からメールで次の画像が送られてきました。「この木の実は何でしょう?」という同定依頼です。



ミッキーマウスのような特徴的な形ですが、すぐには分かりませんでした。もう1枚の画像には葉っぱが写っており「羽状複葉でした」と書いてあったので、図鑑で調べてムクロジと判明しました。



その途中、ムクロジの英名がSoap Nut Tree(石鹸の実がなる樹)であると分かり、興味が湧いて調べてみたところ、昔はこの実から石鹸を作っていたようです。
さらに調べると、現在もムクロジの実から作った洗剤がネット販売されていました。200gの粉のボトル入りが1,500円と洗剤としては高価ですが、合成洗剤が苦手な妻のために注文しました。


ムクロジの実100%の洗剤「エコ洗い」

実際に食器洗い用のスポンジにつけてみると結構泡立ちます。油汚れも普通に落ちます。



しかし、匂いが…。ドブ臭いというか、鼻の鈍感な私でも「ちょっとな~」と思うほどで、敏感な妻は即「却下」。残念ながら、わが家の役には立ちませんでした。
さらに調べると、ムクロジエキスが入ったシャンプーもいろいろ発売されています。偶然ですが、妻が先日買ったシャンプーもそのタイプ。こちらは「今まで使ったシャンプーの中で一番」とのこと。


ムクロジのほかツバキなどのエキスが入ったシャンプー

Soap Nut Tree改めShampoo Nut Treeと命名すべきかも知れませんね~。
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他人の空似

2012年10月25日 | 野鳥
タカの渡りのポイント・岩間山へ9月に5回、10月に入ってからも2回通いました。10月以降に見られるのはノスリというタカ。
2回目の10月20日には約300羽をカウント。そのうち最も近くを飛んだのが下の動画です。ゆったりと大空を旋回しながら上昇気流に乗り、南西方向へ渡っていきます。



このポイントでは時々チゴハヤブサも姿を現します。私は7回通ったうち2回遭遇しました。出会う機会の少ない鳥なので、7打数2安打はイチロー並みでしょう。そのうちの1回が下の動画。ノスリと違って、名前どおり飛翔スピードが速いです。



次は、岩間山ではなく近くの干拓田で撮ったチョウゲンボウ。同じくハヤブサの仲間です。2羽の若鳥が追っかけっこしたり、もつれ合ったりしながら遊んでいました。



先日、日本鳥学会から新しい「鳥類目録」が発表されました。今までのように姿形や鳴き声の類似で分類するのではなく、DNAによって日本の鳥を分類し直したそうです。
その結果、分類が大幅に変更されました。例えば、従来はタカとハヤブサは兄弟扱いで、図鑑でもタカの仲間の次にハヤブサの仲間が掲載されていましたが、新しい分類では、タカとハヤブサの間にフクロウやカワセミ、キツツキが割り込んでいます。タカとハヤブサは兄弟ではなく、他人の空似だったわけです。
古い分類に慣れてきた、特に私のような堅い頭には、新しい分類が簡単にはインストールできません。多くのバードウォッチャーの頭の中はしばらく大混乱が続きそうです。

パソコンが壊れたので買い換えました。新しいディスプレイはワイド型なので、それに合わせてテンプレートとデザインを変更しました。
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人生、いろどり

2012年10月22日 | 木と飲食
徳島県の山村が、料理の「つまもの」として使われる木の葉を事業化したという話を2年半前にご紹介しました。当時、「木の葉っぱで年間1000万円以上稼ぐおばあちゃんが何人もいる」と話題になりました。
その話が映画化されたというので観てきました。タイトルは『人生、いろどり』。葉っぱビジネスを運営している実在の会社の名前「いろどり」に由来します。
3人の仲良しおばあちゃんを演じるのは吉行和子、富司純子、中尾ミエ。農協の若い職員の思いつきで、山に自生する木の葉を集めて卸市場で販売するようになり、それが徐々に認知されて販売量が増え、ビニールハウスでもモミジなどを育てて事業化していくというストーリーが、さまざまな人間模様を織り込みながら展開されます。



葉っぱビジネスには関心がありましたが、映画としては「どうせハッピーエンドの予定調和的な作品だろう」と期待していませんでした。しかし、実際に観るとなかなかよくできた映画。ストーリーは地味ですが、よく練られた脚本で、リアリティもあり予想外の展開もあってけっこう楽しめました。
映画といえば若い頃はハリウッド作品が中心で、アカデミー賞作品は必ず観ていましたが、最近はそういうメジャー映画に魅力を感じなくなり、マイナーなヨーロッパ映画やドキュメンタリーばかり観ています。
最近観たハリウッド映画といえば、当ブログでもご紹介したバードウォッチャーが主役の『ビッグボーイズ』くらい。このブログと同様、観る映画も鳥や木に偏ってきました。年のせいでしょうか。
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鳥の神様

2012年10月18日 | 野鳥
栃の森に行く途中、集合時間にはまだ早かったので渓流沿いに車を止め、「ヤマセミかカワガラスでも現れないかな~」と淡い期待を抱いて岸に降りました。すると、「ビビッ」と鳴きながらカワガラスが飛んできて、対岸の石の上に止りました。
しばらく観察した後、車に戻ってカメラを取り出し、とりあえず手持ちで撮影。その後も同じ場所にいるので、再び車に戻って三脚をセットし、じっくりと撮りました。



実は、このカワガラスを撮るために8月に貴船~鞍馬へ出向きましたが、全くの空振り。その鳥が今回は淡い期待どおりに現れたのでビックリしました。
翌日、帰りのルートで休憩した際、「タカの渡りが見られないかな~」と勝手な期待を膨らませていると、上空に大きなタカが出現しました。双眼鏡で確認すると、何とクマタカ。渡るタカよりも見る機会の少ない、タカの王者です。
あわてて撮ったのが下の動画。露出補正が間に合わず空バックでは黒いシルエット、色が出るはずの山バックではピンボケという映像ですが、私的には大満足。



鳥を探しても見つからないとき「あの枝に鳥が止らないかな~」と期待しますが、叶ったためしがありません。それなのに、今回は数年に一度あるかないかの僥倖が2日連続で訪れたのです。
阪神の金本選手が引退セレモニーで「野球の神様、ありがとうございました」という言葉を残しましたが、それに合わせて私も「鳥の神様、ありがとうございました」と言いたいくらい。
しかし、言葉の重みが全然違うな~(笑)。
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獣と鳥の食糧事情

2012年10月15日 | 木と鳥・動物
先々週、栃の森に行ってきました。真夏は野鳥が少ないため調査がお休みなので、3カ月ぶり。街中に比べると季節が1カ月以上早く、すでに紅葉が始まっていました。
今年は木の実が不作でクマが街に下りてくると言われていますが、「実際はどうなのだろう?」と思って木の実を中心に観察しました。
確かにブナやオニグルミなどの実は少ないようでした。でも、クリやトチノキの実はいっぱい落ちていて、そのほとんどはすでに食べられた後。クマ、シカ、リス、ネズミなどの食糧になったのでしょう。クマが好きなミズナラのドングリも目につきました。


クリ


トチノキ


ミズナラ

豊作・不作は種類によってバラつきがあるということのようです。もちろん、地域によっても違うでしょう。
木の実は哺乳類だけでなく鳥類の餌にもなりますが、こちらも不作という感じは受けませんでした。ただ、サワフタギはほとんど結実していませんでした。
下の写真は、タラノキの実。ピンクに見えるのは果柄で、黒い粒が実。人間には新芽がご馳走ですが、ヒタキ類やアトリ類にとってはこの黒い実がご馳走です。



同じウコギ科のコシアブラの実もたくさん成っていました。もう少し黒く熟すと、いろんな鳥が食べるはずです。キツツキも食べるようです。



動物たちの餌になるかどうか知りませんが、前夜が雨だったこともあって、キノコもニョキニョキ生えていました。しかも、白、赤、黄、茶色、紫とカラフル。


触るだけで手が腫れるという猛毒のカエンダケ


ニカワホウキタケ


ムラサキアブラシメジモドキ

私、キノミはけっこう大胆に口に入れますが、キノコは用心深いです。知らないことについては、石橋を叩いても渡らないタイプ。
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モズの高鳴き

2012年10月11日 | 野鳥
タカの渡りやノビタキなど、バーダーによって秋を感じる鳥は違うでしょうが、私の場合はモズの高鳴き。「キチキチキチ、キーッ」という鋭い声を聞くと、「もう夏が終わって、実りの季節になったんだな」と思います。
下は♀の高鳴き。少しおとなしいですが、十分に秋を感じさせてくれます。



このモズの鳴き声を主題にした「百舌よ泣くな」という詩があります。作者はサトウハチロー。

百舌が枯木に 泣いている
おいらはわらを たたいてる
わたひき車は おばアさん
こっとん水車も 廻ってる

みんな去年と 同じだよ
けれども足りねえ ものがある
兄(あん)さの薪割る 音がねえ
バッサリ薪割る 音がねえ

兄さは満洲へ 行っただよ
鉄砲が涙に 光っただ
百舌よ寒くも 泣くでねえ
兄さはもっと 寒いだぞ

ある人がこの詩を少しアレンジしてメロディをつけた「もずが枯れ木で」という歌が、反戦の歌として昭和20~30年代に歌われたそうです。後年、確か岡林信康も歌っていました。
詩から推測すると、秋というよりも冬の風景なので高鳴きではないかも知れませんが、物悲しいモズの声が響いてくるようです。
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本邦初記録の木

2012年10月08日 | 木と歴史
今年は『古事記』編纂1300年とかで、奈良県や島根県、宮崎県などゆかりのある地域で各種のイベントが催されています。
この日本最古の歴史書には樹木の記載がありますが、「最初に登場する木は何だろう?」と思って調べたら、クスノキでした。
イザナギとイザナミがオノゴロ島で楠船神、つまりクスノキの船を生み出したという記述があります。本邦初記録の樹木はクスノキでした。ただし、日本の樹木に関しては中国の『魏志倭人伝』(約1700年前の編纂)に記録があるので、「わが国の書物では」という条件付です。
『古事記』の8年後に完成した『日本書紀』にも、スサノオが「クスノキを船に使え」と指示する記述があるので、古代の船材はクスノキだったのでしょう。


クスノキの幹

『古事記』にはクスノキのほかにもいくつかの木が登場しますが、面白いのは弓。
天孫降臨の際に「はじ弓」を持っていたという記述があります。「はじ」は「はぜ」、つまりハゼノキやヤマハゼなどウルシ科の木でしょう。弓の材料には、マユミ、アズサ(ミズメ)などいろいろな木が使われていたようですが、ハゼも使われていたわけです。
私が面白いと思ったのは、現在の和弓にもハゼノキが使われているから。ハゼノキの細い板を2枚の竹でサンドイッチして弓を作るそうです。


ヤマハゼの幹

『日本書記』には、日本の樹木の発祥について興味深いことが書いてあります。
スサノオの子であるイタケルがたくさんの樹木の種を持って天から降りた後、最初は韓地(からくに=朝鮮半島)で種を撒くつもりだったが、「この地はふさわしくない」と思って大八洲(おおやしま=日本)に持って行き、筑紫から撒き始めて国土を青山にした…。
このイタケルが木の神様として鎮座したのが「木の国」(=紀伊国)。4年前、この神様を祭る神社まで「木祭り」を見にいって、記事にしたことがあります。
そう言えば今日は「木の日」でした。十と八を合わせると「木」になるので。

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警戒心

2012年10月04日 | 野鳥
近くの干拓田に飛来するシギやチドリも、ほとんどが南へ去っていきました。「シギチのシーズンも終わりかな?」と思った頃に、オグロシギが1羽だけ休耕田にやってきました。
昨年は7羽も飛来して関西一円のバードフォトグラファーを集めましたが、今回は平日ということもあって私の一人占め。
1日目、私がカメラをセットすると、同じ休耕田にいたサギ類は逃げましたが、このオグロシギは警戒心がゆるいのか知らん顔。2日目、農家の方が私の横にクルマを止めると、一緒に採餌していた10羽ほどのコガモは一斉に飛び立ちましたが、オグロシギは逃げません。
そう言えば、昨年の7羽のオグロシギも、すぐ近くに30~40人のフォトグラファーが集まっても悠然と餌を食べていました。



一方、別の場所にいたクサシギは警戒心が強かった。1日目、30メートルくらい離れているので大丈夫だろうと三脚を組み立て始めると、すぐに飛び去りました。三脚が鉄砲に見えるのでしょうか。結局その日は撮影できず。
2日目、今度は背を低くしてカメラをセットしましたが、またも警戒して畦の隅に隠れました。それでも座ったまま15分ほど待っていると、おそるおそる休耕田の中に出てきて餌を食べ始めました。クサシギって、こんなに警戒心が強かったかな?



鳥の警戒心は種類によって強弱がありますし、同じ種類でも、若い鳥は好奇心が旺盛なためか、警戒心は弱いようです。上のオグロシギも幼鳥だったからかも知れません。
地域によっても違うようで、いつもコメントをいただくguitarbirdさんのブログによると、北海道のキジバトは警戒心が強くてなかなか近づけないそうです。こちらのキジバトの警戒心はドバト並みで、人が1メートルくらい近づいても逃げません。鳥の警戒心を形成する要因は何だろう?
私自身は警戒心が強い方だと思います。電話で保険や金融のセールスを受けると、「私の名前とこの電話番号はどうやって知ったのですか?」と問い詰めますし、キャッシュカードの暗証番号をネット上に流すのが嫌で、ネットショッピングも代引きかコンビニ決済です。
臆病とも言えるな~。
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タカの渡り

2012年10月01日 | 野鳥
バーダーにとって秋の楽しみの一つはタカの渡り。私も京都府のホークウォッチングのメッカ・岩間山に5回通いました。
宇治市と大津市の境にある山ですが、今年は豪雨災害で大津へのメインルートが通行止めになっているため、裏道ルートでアクセスしました。山を3つ越える途中には、まだ豪雨の爪痕があちこちに残っています。
1ヵ月半経ってもまだ復旧工事が続いていて、「当面は宇治の土建屋は食いはぐれがない」という人もいます。


土砂崩れによる流木


土嚢で応急処置された川岸

タカたちも、ガケ崩れで無惨な姿になった山々を見下ろしながら南へ渡っていくのでしょうね。
このポイントで最も多く出現するタカはサシバ。毎日数人が張り付いて調査していますが、この1ヶ月で約3800羽が通過しました。
私が訪れた日もたくさん飛びましたが、動画撮影はトリミングできないので一定の大きさでファインダーに入れたまま1分以上追いかけなくてはいけない、(私のカメラとレンズのセットは)AFでは合焦しにくいといった課題があって、なかなか満足できる結果が得られません。被写体が少し小さいですが、たくさん撮ったなかのベストショットが以下です。



サシバの次に多いのはハチクマ。これまでに約600羽が通過しました。大きな翼でゆったり渡っていくので、ホークウォッチャーには人気の高いタカです。
新しく買ったビデオ用三脚を使って撮りましたが、35mm換算で2340mmの超望遠なので大きく写そうとするとファインダーのブレが目立ちます。



タカの渡りの動画撮影は難しいですが、このポイントには10月にも何度か行ってみようと思っています。

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