樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

小さいシギ

2023年10月26日 | 野鳥
バードウォッチャーにもいろいろ好みがあって、猛禽派、小鳥派、カモ派、シギ・チドリ派などに分かれます。男性は猛禽派が多いようですが、私はどちらかといえば小鳥派。小さな鳥の挙動を眺めていると、愛らしくて、気持ちが和やかになります。公園で小さな子供が遊んでいるのを見ていると、微笑ましくて、つい笑顔になるのと似ています。
小鳥派であると同時に、私はシギ・チドリ派でもあります。山野の小鳥はチョコマカ動いて、木の葉に隠れたり、すぐに飛び去ったりしますが、シギやチドリは遮るものがない場所にいることが多いので、じっくり見られます。
ということは、私は小さなシギやチドリがいちばん好きということかな? 近くの干拓地でも、そんな可愛いシギやチドリに出会いました。まずは、トウネン。



トウネンは全長(くちばしの先から尾羽の先まで)15cm。広い休耕田の中で、餌を食べながら、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり…、可愛いですね。後半に2羽写っているオジロトウネンは14.5cm。足が黒いのがトウネン、黄色いのがオジロトウネンですが、この動画では分かりにくいですね。
ヒバリシギにも遭遇しました。この鳥も全長14.5cm。水を張った休耕田で、2羽仲良く採餌していました。



トウネンもヒバリシギもシギの仲間。シギ科には、以前ご紹介したセイタカシギやエリマキシギのような大型の鳥、タシギやアオアシシギのような中型の鳥もいて、いずれもこの干拓地ではじっくり観察できるので、来年も通うことになると思います。
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ジシギは難しい

2023年10月19日 | 野鳥
シギ・チドリの渡りは終了しましたが、撮った映像がたくさんあるので、しばらくシギの話を続けます。近くの干拓地には、ずんぐりした姿でくちばしの長い「ジシギ」と呼ばれるシギが4種類渡ってきます。タシギ、オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギ。
この4種はよく似ているので識別が難しく、バードウォッチャーを悩ませます。類似種の識別に無関心な私にはほぼお手上げです。
下の映像の前半の個体はくちばしがやや短いのでチュウジシギと思っていましたが、ジシギに詳しい仲間に確認したところ「タシギです」とのこと。



このタシギを撮影した湛水休耕田の隣にある乾いた休耕田で、別の日に撮影したのが以下。ここには10羽以上のジシギがいたので、タシギの群れの中の1羽だろうと思っていたのですが、仲間に確認すると「チュウジシギです」。



居る場所の環境(あぜ、湛水休耕田、乾いた休耕田)、くちばしの長さ、羽根の模様などで見分けますが、確実に識別できるのは尾羽。しかも、尾羽を広げないと分からないので、ジシギの識別はバードウォッチャーにとってはかなり高いハードルです。
私自身は「細かく識別するよりも鳥の姿や行動を観察してる方が楽しい」というスタンスなので、ジシギの識別は最初から諦めています。なので、北海道で繁殖しオーストラリアへ渡る途中に立ち寄るオオジシギや、ジシギの中では珍しいハリオシギを目にしても、それと気づかずに見過ごしているかもしれません。
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今秋のハイライト

2023年10月12日 | 野鳥
近くの干拓地でも稲刈りが始まり、シギ・チドリ観察のシーズンが終了しました。今季は、8月6日を皮切りに10月4日まで20回出向きました。いろいろな鳥に出会えましたが、私にとってのハイライトはエリマキシギでした。
9月14日、全く偶然に雄1羽雌5羽(いずれも幼鳥)の小群を発見。その時は遠かったのですが、2日後に雄が第1発見現場近くの別の休耕田で採餌していました。幼鳥のためか警戒心が緩いようで、至近距離で撮影できました。



この鳥は名前のとおり、繁殖期になると雄の首に襟巻のようなモフモフの飾り羽が現れます。日本で繁殖羽が見られることはほとんどなく、関西に飛来するのはほとんどが幼鳥。
繁殖形態も変わっていて、雄が警戒しない雌のような羽衣で偽装して近づき、相手の雌を奪う、いわば「略奪婚」でも繁殖します。
ムナグロもいつもどおり数十羽の群れがやってきました。毎年同じ場所に渡来しますが、今季は少し離れた休耕田に長い間滞在していました。仲間がカウントしたところ、最大35羽いたそうです。



名前のとおり胸が黒いのが特徴。この鳥も警戒心が緩く、三脚を立てて撮影していても逃げません。
20回のラウンドのうち目ぼしい鳥が見られず坊主状態の日もありましたが、この場所に行くといつもムナグロがいて目を楽しませてくれました。キョトンとした顔付きで、動きもスローなので、癒されました。ありがとうね。
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タカの渡り

2023年10月05日 | 野鳥
近くの干拓地に渡ってくるシギやチドリは、シベリアなどで繁殖して東南アジアなどで越冬するので、日本には春と秋の2回立ち寄ります。こういう渡り鳥は「旅鳥」と言います。一方、日本で繁殖し、東南アジアなどで越冬する渡り鳥は、春にやってきて秋に帰る「夏鳥」。
猛禽類のタカの中にも夏鳥がいて、今の時期、バードウォッチャーにとっては、南へ渡るタカを観察するのが年中行事。私も先日、宇治市と大津市の境にある山へ行ってきました。
双眼鏡、望遠鏡、カメラ、カメラ用と望遠鏡用の三脚2本、弁当や飲物など重い荷物を背負ってミニバイクで1時間ほど走り、約15分歩いて山に登るのが年々辛くなってきました。以前は1シーズンに5~6回行きましたが、去年から1~2回に減りました。
タカの渡りには当たり外れがあって、よく飛ぶ日とそうでない日がありますが、この日はたくさん飛びました。まずはサシバ。



ハチクマもたくさん飛びました。このタカはサシバよりも大きく、飛翔に重量感があり、雌雄や成幼で色や模様が異なるので、ホークウォッチャーには人気があります。



野鳥の会はこの場所で毎日カウントしていますが、この日は調査終了時刻の午後4時で986羽になったので、どうせなら千羽にしようと少し粘ったところ1,007羽になりました。サシバ571羽、ハチクマ229羽、その他のタカ207 羽。
4桁も飛んだので私は十分満足しましたが、翌日はさらに増えて1,596羽。調査員は記録するのが忙しかったことでしょう。
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