以前、「ペン」はラテン語で「羽根」を意味するpennaが語源で、羽根ペンに由来することをご紹介しましたが、その他にも鳥に由来する意外な言葉があります。
例えば「ワンダーフォーゲル」は、ドイツ語のwander(さまよう)とvogel(鳥)で「渡り鳥」を意味するそうですし、化学の実験に使うビーカー(beaker)は、注ぎ口が猛禽のくちばし(beak)に似ているところから名付けられたそうです。
工事現場で建設資材を釣り上げるクレーン(crane)はツル。あの長い首に似ているからでしょう。工事つながりでいうと、ツルハシも鶴嘴、つまりツルのくちばし。もうひとつおまけに、水道の蛇口をカランといいますが、これはオランダ語でツルを意味するkraan(クラーン)に由来します。こちらもツルの首に似ているから。日本人はヘビにオランダ人はツルに例えたわけです。
お菓子のパイ(pie)はカササギに由来します。この鳥の英名はmagpie。木の枝やワラなどさまざまなものを集めて巣をつくることから、いろいろな材料を詰めて焼くお菓子のことをパイと呼ぶようになったとのことです。
代表曲『ハナミズキ』で知られる歌手の一青(ひとと)窈(よう)さんは、お父さんが台湾人でお母さんが日本人。「一青」は石川県出身のお母さんの姓です。この珍しい姓について、地名学者の谷川健一さんが『列島縦断地名逍遥』で以下のように書いています。
北陸地方の日本海沿岸は潟湖や沼沢地が多く、飛来する鳥たちの楽園であった。そこで鳥にちなむ地名も生まれた。一風変わっているのに、能登半島の中央部にある鳥屋町(石川県鹿島郡)の一青(ひとと)、黒氏(くろじ)という地名がある。シトトはホオジロ、ホオアカ、アオジ、クロジなどのホオジロ類をひっくるめた呼称である。アオジはアオシトト、クロジはクロシトトのことである。アオシトトがアオヒトトと訛って青一の漢字が宛てられ、それがさらに一青に転じ、それをアオシトトの意味でヒトトと読ませたと推考される。もちろん、黒氏はクロジである。
一青はアオジのことだったわけです。現在もサバンナシトド、ミヤマシトドといった名前のホオジロ類がいるのはその名残でしょう。下は8年前に撮ったアオジ。
例えば「ワンダーフォーゲル」は、ドイツ語のwander(さまよう)とvogel(鳥)で「渡り鳥」を意味するそうですし、化学の実験に使うビーカー(beaker)は、注ぎ口が猛禽のくちばし(beak)に似ているところから名付けられたそうです。
工事現場で建設資材を釣り上げるクレーン(crane)はツル。あの長い首に似ているからでしょう。工事つながりでいうと、ツルハシも鶴嘴、つまりツルのくちばし。もうひとつおまけに、水道の蛇口をカランといいますが、これはオランダ語でツルを意味するkraan(クラーン)に由来します。こちらもツルの首に似ているから。日本人はヘビにオランダ人はツルに例えたわけです。
お菓子のパイ(pie)はカササギに由来します。この鳥の英名はmagpie。木の枝やワラなどさまざまなものを集めて巣をつくることから、いろいろな材料を詰めて焼くお菓子のことをパイと呼ぶようになったとのことです。
代表曲『ハナミズキ』で知られる歌手の一青(ひとと)窈(よう)さんは、お父さんが台湾人でお母さんが日本人。「一青」は石川県出身のお母さんの姓です。この珍しい姓について、地名学者の谷川健一さんが『列島縦断地名逍遥』で以下のように書いています。
北陸地方の日本海沿岸は潟湖や沼沢地が多く、飛来する鳥たちの楽園であった。そこで鳥にちなむ地名も生まれた。一風変わっているのに、能登半島の中央部にある鳥屋町(石川県鹿島郡)の一青(ひとと)、黒氏(くろじ)という地名がある。シトトはホオジロ、ホオアカ、アオジ、クロジなどのホオジロ類をひっくるめた呼称である。アオジはアオシトト、クロジはクロシトトのことである。アオシトトがアオヒトトと訛って青一の漢字が宛てられ、それがさらに一青に転じ、それをアオシトトの意味でヒトトと読ませたと推考される。もちろん、黒氏はクロジである。
一青はアオジのことだったわけです。現在もサバンナシトド、ミヤマシトドといった名前のホオジロ類がいるのはその名残でしょう。下は8年前に撮ったアオジ。