家の近くのアジサイ寺に連日多くの観光客が押し寄せていますが、わざわざ人ごみに揉まれたくないのと、入山料(500円)がもったいないので行きません。散歩コースにある小さな花の寺で十分楽しめます。
ご存知のように、アジサイは野生種ガクアジサイを改良して装飾花だけが咲くようにした園芸品種。本当の花ではなく、言わば虚飾の花なので、株分けか挿し木でしか増やせません。
ガクアジサイに限らず、野生のアジサイ類は本当の花の周囲に装飾花を咲かせます。先日訪れた栃の森ではツルアジサイが満開でしたが、白い装飾花の内側にあるのが本来の花。
日本人がいつ野生のガクアジサイから園芸品種のアジサイを作り出したのかは不明ですが、興味深い和歌が『万葉集』に残っています。
あぢさゐの 八重咲く如く やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ
橘諸兄(たちばなのもろえ)が宴に招かれ、その主を称えて詠んだもので、「アジサイの花が八重に咲くように、いつまでも栄えてください。あなたを見仰ぎつつお慕いします」という意味だそうです。
西暦755年に詠まれたらしいですが、そのころすでに八重咲きのアジサイがあったわけです。ちょっと信じがたいですが、『万葉集』にはスギの植林の歌もあるので、私たちの想像以上に園芸技術が発達していたのかも知れません。
栃の森にはコアジサイも咲いていました。アジサイ類の中で唯一装飾花がない、つまり本当の花だけを咲かせる樹です。
花が虚飾ではない。色は幻想的なブルー。しかも、匂いが爽やか。私的には最もポイントの高いアジサイです。
ご存知のように、アジサイは野生種ガクアジサイを改良して装飾花だけが咲くようにした園芸品種。本当の花ではなく、言わば虚飾の花なので、株分けか挿し木でしか増やせません。
ガクアジサイに限らず、野生のアジサイ類は本当の花の周囲に装飾花を咲かせます。先日訪れた栃の森ではツルアジサイが満開でしたが、白い装飾花の内側にあるのが本来の花。
日本人がいつ野生のガクアジサイから園芸品種のアジサイを作り出したのかは不明ですが、興味深い和歌が『万葉集』に残っています。
あぢさゐの 八重咲く如く やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ
橘諸兄(たちばなのもろえ)が宴に招かれ、その主を称えて詠んだもので、「アジサイの花が八重に咲くように、いつまでも栄えてください。あなたを見仰ぎつつお慕いします」という意味だそうです。
西暦755年に詠まれたらしいですが、そのころすでに八重咲きのアジサイがあったわけです。ちょっと信じがたいですが、『万葉集』にはスギの植林の歌もあるので、私たちの想像以上に園芸技術が発達していたのかも知れません。
栃の森にはコアジサイも咲いていました。アジサイ類の中で唯一装飾花がない、つまり本当の花だけを咲かせる樹です。
花が虚飾ではない。色は幻想的なブルー。しかも、匂いが爽やか。私的には最もポイントの高いアジサイです。