樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ビートルズと野鳥

2016年06月30日 | 野鳥
ビートルズが来日して50年経つそうです。ちょうど50年前の今日、武道館でコンサートが開かれたわけです。ご多分に漏れず当時は私もファンでしたが、京都府の田舎から東京へ行くほど裕福ではなかったので、テレビで観ていました。
来日50周年にちなんで、ビートルズと鳥のかかわりを少しご紹介します。まず、彼らが歌っている鳥の曲としては「Free As A Bird」とか、「This Bird Has Flown」という副題が付いた「Norwegian Wood」がありますが、ビートルズの鳥ナンバーといえばやはり「Blackbird」でしょう。
「黒い鳥」といってもカラスではなく、和名はクロウタドリ。日本で見られるクロツグミに似た鳥です。ポール・マッカートニーがソロで歌いますが、曲の後半にはさえずりがダビングされています。
ビートルズにはもう一つ鳥の声が入った曲があります。以下の「Across The Universe」をお聞きください。イントロに鳥の声と羽ばたきの音が入っています。エンディングにも羽ばたきの音が…。



この曲はアルバム「Let It Be」に収録されましたが、そちらには鳥の音は入っていません。ジョン・レノンがこの曲を世界野生動物基金(現WWF)のチャリティアルバムに寄附することを決め、それ用のバージョンとして鳥の声や羽音をダビングしたそうです。ジョンらしいですね。
鳥の声や音はスタジオのライブラリーにあったもので、回転数を速めてリミックスしたそうです。
ちなみに、WWFのチャリティアルバムというのが以下の「No One's Gonna Change Our World」。



ビートルズのほか、ホリーズの「Wing」、ルルの「I’m a Tiger」など動物がらみの曲が収録されています。コアラの曲も入っています。
50年といえば半世紀ですが、ビートルズの曲を聴くと当時のことが結構鮮明に蘇ってきます。
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夏鳥のたまり場

2016年06月23日 | 野鳥
うちの裏山の奥に陶芸村があって、その山道に夏鳥が集まる場所があります。
いつ行ってもさえずっているのはオオルリ、たまに声が聞こえるのはクロツグミ、30分ほど待っていると鳴くのがサンコウチョウとセンダイムシクイ、そして時々姿を見せてくれるのがキビタキ。
先日は、キビタキのオスとメスが虫をくわえているところを目撃しました。ということは繁殖がほぼ確実。



この場所はスギを植栽した山と広葉樹の山との間に谷川が流れ、その脇を林道が走っていて、薄暗く湿った環境です。キビタキはもっと明るく乾いた林内で繁殖するイメージがあるので、意外でした。しかも、餌をくわえた親鳥は、谷川のすぐ脇の斜面にある木の根元あたりに入っていきます。もっと高い位置に営巣すると思っていましたが、そうでもないようです。
1カ所でじっと待っていると4種類の夏鳥のほか、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、メジロなどが次々に現れて目と耳を楽しませてくれます。しかも、たまに車が通るくらいで、誰も来ません。
ただ、夏鳥の個体数は少なく、4種ともさえずっているのは1個体。特にオオルリはずーっとさえずり続けています。そこで疑問になったのは、「周辺にライバルがいないのに、なぜさえずり続ける必要があるのだろう?」ということ。
先日、その疑問をある野鳥研究家に投げかけたら、以下のような答えが返ってきました。さえずっている個体以外に、声を出さずになわばりを横取りしようとウロウロしているライバルがいるので、一旦なわばりを形成した個体はさえずり続ける必要があるそうです。
オオルリは見えない敵を追い散らすために、1日中さえずっているわけですね。
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アカシア

2016年06月16日 | 木と歌
5月末に訪れた栃の森では、入り口までの林道でハリエンジュが白い花を咲かせていました。この樹は環境省が「要注意外来種」に、日本生態学界が「侵略的外来種ワースト100」にリストアップしています。繁殖力が強く、在来の生態系を撹乱する恐れがあるからです。栃の森は原生林ですが、すでにその付近にまで分布域を広げているわけです。



正式和名は「ハリエンジュ」ですが、一般的には「アカシア」と呼ばれています。札幌などの都市で街路樹に使われていることから、歌にもよく登場します。私より上の世代が思い出すのは、西田佐知子の『アカシアの雨がやむとき』でしょう。
「♪~アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 夜が明ける日が昇る 朝の光のその中で 冷たくなった私を見つけて あの人は涙を流してくれるでしょうか…」という歌は、60年安保闘争とセットでよく語られます。
ただ、作詞した水木かおるは日本の街路樹のシーンを描いたのではなく、芹沢光治良の小説『巴里に死す』を読んでそのイメージを表現したそうです。パリには樹齢400年以上のアカシアがあり、最も古い街路樹として保護されています。結ばれない男女のストーリーを、そのアカシアの巨木にからめて作詞したわけです。
調べてみると、この作詞家は『エリカの花散るとき』(西田佐知子)『くちなしの花』(渡哲也)のほか『あじさいの雨』『銀木犀』『夾竹桃』など樹木の作品を多く書いています。すでに亡くなっていますが、同好の士だったのかもしれません。そもそもペンネームが「水木かおる」ですから、間違いないですね。
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鳥の存在感

2016年06月09日 | 野鳥
5月末に訪れた栃の森は花盛りでしたが、鳥もたくさん観察できました。姿は見られなかったものの、アカショウビンの声があちこちから聞こえてきました。
いちばん多いのはオオルリ。よく鳴く上に目立つところに止まっているので、そう感じるのかもしれません。森を歩いている間、ずーっとさえずりを耳にしていました。そのうちの2羽が撮影できました。



オオルリの次に多いのはミソサザイ。この鳥も大きな声で頻繁に鳴くので、実際以上に存在感があるのでしょう。本当はシジュウカラやヤマガラの方が観察個体数は多いはずですが、オオルリやミソサザイは声で数をかせいでいるようです。そう言えば、人間もよくしゃべる人の方が存在感は大きいですね。
ミソサザイはよく動くので動画で撮りにくいのですが、1羽だけ同じ場所で5分ほど鳴き続けている個体がいました。



この日うれしかったのは、カッコウ。鳴き声はもちろん、近くを飛ぶ姿も観察できました。この森でカッコウに出会うのは約10年ぶり。ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチも鳴いていたので、トケン類4種がいたことになります。
それぞれに托卵相手がいるわけですから、その分この森は生物多様性に富んでいるということですね。
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花盛りの森

2016年06月02日 | 樹木
週末に栃の森へ行ってきました。毎年5月は樹木の花が多彩な時期ですが、今年は特に種類も花の数も多かった。
林内にはちょうど目の高さにサワフタギが生えているにもかかわらず、なかなか満開に遭遇するチャンスが少ないのですが、今回は真っ盛り。白い綿のような小さな花をいっぱい付けて、その存在をアピールしていました。



この森の主役トチノキも、例年に比べて花の数が多いようです。株によっては枝がたわむほどたくさんの花を咲かせています。そのほかの樹も含めて、森の中の空気感が伝わるように動画で編集してみました。



コースの途中に大きなホオノキがあります。毎年その花を写そうとするのですが、下から見上げるのでいいアングルで撮れません。でも、今年はホオノキも花の数が多く、中には撮影しやすいところに咲いているものもありました。



映像でご紹介した花以外にハクウンボク、ヤマボウシ、ミズキ、タニウツギ、リョウブなどの花も咲いていました。
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