樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

雨の探鳥会

2024年02月29日 | 野鳥
前回の記事「奈良で鳥見」は23日の探鳥会の下見でした。前夜の降水確率が40%以上の場合は探鳥会は中止ですが、22日夜の降水確率は30%~40%と微妙だったので、会員が迷うといけないと思ってメーリングリストで「明日は実施します」と伝えました。
ところが、当日朝の降水確率を見ると70~90%。「多分、参加者は2~3名だろうな」と集合場所の大和西大寺駅へ行くと、何と15名も集まりました。
傘をさして平城宮跡へ向かい、まず資料館の軒先で雨宿りしながらヨシ原の鳥を探すと、オオジュリンが姿を見せてくれました。下は下見の際に撮ったヨシ原のオオジュリン。



ヨシ原の北の池にはミコアイサの雄と雌が2ペアいます。さらに、カワセミやイソヒヨドリ、アオジも登場し、雨にもかかわらずだんだん盛り上がってきました。「オオジュリンもミコアイサの雄も初めて見ます」という初心者は大喜び。
その後、下の写真のように、傘を差しながら大極殿の前を歩いて佐紀池へ。ここでもミコアイサやハシビロガモのペアがいました。



下見の際にモズがたくさんいて、以下の動画はその際に撮った別個体の2羽。そのモズも探鳥会で雌雄がそろって登場し、みなさん傘を差しながら双眼鏡で観察されていました。



水上池ではオシドリやトモエガモが見られた上にアトリやアオジも出現。「オシドリは初めてです」「今までトモエガモは見たことなかったです」という参加者もいて、みなさん満足されたようでした。確認できた鳥は37種類。雨にしては多い数です。
終了後に「また来年もやってください」という声もいただき、天気はずーっと雨でしたが、私の心は晴れ晴れしていました。
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奈良で鳥見

2024年02月22日 | 野鳥
明日、奈良の平城宮跡で探鳥会を開催するので、先日下見に行ってきました。コロナもあって、私が案内するのは2018年以来6年ぶり。個人的には昨年3月に冬鳥を、8月にツバメのねぐら入りを観察するために訪れているので、今回で1年に3回目。
ここの冬のハイライトはアリスイですが、前回の探鳥会では出現せず。昨年3月には確認・撮影できましたが、今年は渡来していないようで、ポイントの湿地を3回ほど回って探しましたが発見できませんでした。
代わりにベニマシコやオオジュリンがチョロチョロしていました。ホオジロも、雌がヨシの穂に止まったり、雄が休憩所の屋根にいました。そろそろさえずりが始まるのでしょう。



もう一つのハイライト、ミコアイサがいる佐紀池へ行くと、白い水鳥が5羽浮いています。いつもは雌が多く、雄は1羽程度ですが、こんなに多くの雄を見るのは久しぶり。明日もいてくれれば、参加者が喜んでくれるのですが…。




もう一つのポイント、オシドリがいる水上池まで足を伸ばしました。ところが、なぜか水位が下がっており、いつもオシドリが隠れている岸辺の茂みから水際が下がったので1羽もいません。オオバンやコガモ、ミコアイサの雌が水面に浮いているのみでした。
明日の探鳥会までに水位が回復すれば、佐紀池でミコアイサ、水上池でオシドリを見ていただけるのですが…。それよりも、天気が怪しくなってきました。前夜の降水確率40%以上の場合は中止ですが、今のところ、ウェザーニュースと気象庁は40%、気象協会は60%。どうなることやら。
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弁当忘れても傘忘れるな

2024年02月15日 | 野鳥
先週の金曜日、1日中晴れの予報だったので、ギリギリの3日前にレンタカーを予約して、日帰りで丹後へ行ってきました。私は鳥見、妻は温泉といういつものパターン。
ところが、丹後に着くと雨。傘も持って来ていないし、双眼鏡のストラップの邪魔になるのでジャケットのフードも外したまま。しょうがないので、まず妻を「丹後古代の里資料館」で降ろして、車から水鳥を観察するべく湖に向かいました。妻は縄文文化に興味を持っていて、丹後に来るといつもこの資料館を訪れます。今回で3回目。
私は湖を1周しましたが、コウノトリ1羽が飛んだのみで、事前情報のハクチョウもガンも不在。諦めて、妻を迎えに戻ってお昼を食べ、宇川温泉「よし野の里」へ送って、雨がやんだので再び湖に向かいました。
湖にいないハクチョウとガンは周囲の田んぼで採餌しているはずと予測し、農耕地へ行くと、案の定白い鳥と褐色の鳥が群れていました。しばらくすると、ハクチョウは湖に戻りました。昨年の2月にここでオオハクチョウを観察したので、今回もオオハクチョウと思い込んでいましたが、帰宅後に映像を確認するとコハクチョウでした。



田んぼにはコブハクチョウが1羽残っていました。外来種ですが、この辺りでは野生化しています。話には聞いていましたが、遭遇するのは初めて。



ガンは100羽くらいの大群が飛び立ち、上空を旋回しはじめました。距離が遠いのと逆光で識別できませんが、多分ヒシクイ。湖に着水すれば識別できるので、しばらく待ちましたが、時計を見ると妻を迎えにいく時間。「鳥か、妻か」究極の選択を迫られましたが、やはり妻を迎えに行くべく車のエンジンをかけました。



結局、雨のために予定していた他の探鳥地に行けませんでした。丹後で生まれ育った私は、小学校の遠足などでいつも「弁当忘れても傘忘れるな」と言われていました。丹後の天気は変わりやすいからです。今回、あらためてその故郷の格言の意味を思い知らされました。
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付和雷同

2024年02月08日 | 野鳥
宇治川でダックウォッチングしてきました。上流の天ヶ瀬ダムにはオシドリが数百羽いますが、京都の宝が池や枚方の山田池公園にいる人慣れしたオシドリと違って、メチャ警戒心が強く、100メートル離れていても木陰からチラッと人影が見えただけで逃げます。
そのオシドリが珍しく、ダムの下流にいました。カルガモやマガモの小群に混じって、♂♀仲良く採餌したり、休憩しています。多分、他のカモがダム湖から移動してきた際に、つられて下流へ降りてきたのでしょう。



私がカメラを構えているのは分かっているはずで、ダム湖にいる時はすぐ逃げるのに、ここでは警戒レベルを下げています。「他のカルガモやかマガモも逃げないのだから大丈夫だろう」とタカをくくっているようです。本来持っている固有の能力を他のカモに同化させているのです。
さらに下流に行くと、スズガモ♀がいました。本来は海にいるカモですが、色や形がよく似た淡水系のキンクロハジロの群れに紛れ込んでいます。シベリアから渡ってくる際に、「自分はスズガモである」というアイデンティティや個性を忘れて、「同じ色と形だからこっちについて行こう」とキンクロハジロの群れに加わったのでしょう。



他のカモに合わせて警戒心をゆるめるオシドリや、外観が同じキンクロハジロの群れに混じって行動するスズガモを見ていると、同調圧力を受け入れて右往左往する人間を連想します。
恵方巻に煽られて無用な巻き寿司を買い込んだり、バレンタインデーに踊らされてチョコレート売場に殺到するという世相に触れたこともあって、カモの行動に付和雷同する人の愚かしさを感じました。
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ハイイロチュウヒ

2024年02月01日 | 野鳥
年明けからハイイロチュウヒの雄を探して、2カ所のポイントに通っています。
一つは京田辺市の田園で、元旦、4日、そして一昨日(30日)の3回。元旦は空振りでしたが、4日には雌を目撃・撮影して当ブログにアップしました(チュウヒとして紹介しましたが、実際にはハイイロチュウヒの雌でした。ブログは未訂正)。
一昨日も1時間半粘りましたが、結局現れないのでカメラを片付けて帰ろうとしたところ、またしても雌が登場。あわててカメラを取り出しましたが、間に合いませんでした。
もう1カ所は近くの干拓地で、1月11日、23日、27日と3回通いました。うち11日には雌が登場し、以下の動画が撮影できました。



23日も同じ場所で待っていると、雌が現れました。しかもすぐ近くを飛んでくれました。そのときの映像が以下。



仲間がこのポイントで雄を確認しているので、どこかにいるはずですが、出てくるのは雌ばかり。27日にも出向きましたが、結局雌雄とも空振り。夕方に出現することが多いようなので、5時まで待ちましたが、寒いので撤収しました。
6回通って、雌との遭遇が4回、雄との遭遇は0回という結果です。時間はまだたっぷりあるので、もうしばらくハイチュウ雄を求めてウロウロしようと思います。
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