略奪婚や一妻多夫、一夫多妻などちょっと変わった鳥の結婚形態をご紹介してきましたが、もちろん人間と同じように生涯一夫一妻を貫く鳥もいます。
ツル、ガン、ハクチョウ、ワシ、ペンギンなどは相手と死別するまでは離婚しないそうです。こうやって並べて気づくのは、すべて大型の鳥。体のサイズと結婚形態に何か因果関係があるのでしょうか。
意外なことに、カラスも夫婦の絆が強く、基本的には一夫一妻。中でもワタリガラスは貞節で、相手が死んだ後は独身を通すとのこと。ヨーロッパでは一時「ワタリガラスが家畜を襲う」という誤解が広がり、猟銃や毒薬で根絶キャンペーンが展開されたため、独身のワタリガラスが増えて絶滅の危機に瀕したそうです。
ワタリガラス(Public Domain)
そのワタリガラス以上に貞節なのが、アホウドリ。『鳥の不思議な生活』の著者ノア・ストリッカーは、「この世界を股にかける鳥は、夫婦が一生連れ添い、パートナーに対して驚くほど貞節をつくし、地球上の動物でもっとも熱烈な恋愛をしているかもしれない」と書いています。
そして、理想的な男女関係への思い入れを込めて次のように続けます。「1年の大半、アホウドリは完全に遠距離恋愛だ。それでも彼らは海原と数十年の年月を越えて関係を保ち、不倫も離婚もほとんどない。連絡を取りあうための携帯電話もなく、一度に数カ月、海で孤独な生活を追い求める。パートナーが生きているかどうかさえ知らず、時が来たら絶海の孤島で再会することを願い、期待するだけだ。アホウドリのつがいは、ほとんど切れることのない絆を頼りに、時間と空間を超えて関係を保つのだ」。
アホウドリ(Public Domain)
こういう記述に心打たれるのは、私たちが一夫一妻制を理想とし、「貞節は善」という価値観を持っているからでしょう。しかし、鳥たちの多様な結婚形態を調べて感じるのは、「そんな理想や価値観は幻想に過ぎない」ということ。生物界の実相は、「種の保存のためなら何でもあり」ということのようです。
ツル、ガン、ハクチョウ、ワシ、ペンギンなどは相手と死別するまでは離婚しないそうです。こうやって並べて気づくのは、すべて大型の鳥。体のサイズと結婚形態に何か因果関係があるのでしょうか。
意外なことに、カラスも夫婦の絆が強く、基本的には一夫一妻。中でもワタリガラスは貞節で、相手が死んだ後は独身を通すとのこと。ヨーロッパでは一時「ワタリガラスが家畜を襲う」という誤解が広がり、猟銃や毒薬で根絶キャンペーンが展開されたため、独身のワタリガラスが増えて絶滅の危機に瀕したそうです。
ワタリガラス(Public Domain)
そのワタリガラス以上に貞節なのが、アホウドリ。『鳥の不思議な生活』の著者ノア・ストリッカーは、「この世界を股にかける鳥は、夫婦が一生連れ添い、パートナーに対して驚くほど貞節をつくし、地球上の動物でもっとも熱烈な恋愛をしているかもしれない」と書いています。
そして、理想的な男女関係への思い入れを込めて次のように続けます。「1年の大半、アホウドリは完全に遠距離恋愛だ。それでも彼らは海原と数十年の年月を越えて関係を保ち、不倫も離婚もほとんどない。連絡を取りあうための携帯電話もなく、一度に数カ月、海で孤独な生活を追い求める。パートナーが生きているかどうかさえ知らず、時が来たら絶海の孤島で再会することを願い、期待するだけだ。アホウドリのつがいは、ほとんど切れることのない絆を頼りに、時間と空間を超えて関係を保つのだ」。
アホウドリ(Public Domain)
こういう記述に心打たれるのは、私たちが一夫一妻制を理想とし、「貞節は善」という価値観を持っているからでしょう。しかし、鳥たちの多様な結婚形態を調べて感じるのは、「そんな理想や価値観は幻想に過ぎない」ということ。生物界の実相は、「種の保存のためなら何でもあり」ということのようです。