樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

気まぐれな鳥

2020年02月27日 | 野鳥
今年はレンジャクの当たり年。尾羽の先が赤い緋連雀と黄色い黄連雀の2種類がいて、気まぐれというべきか、年によって現れなかったり、今年のようにあちこちに飛来したりします。しかも、木の実のある場所に群がったかと思うと、食べ尽くして次の餌場に移動するので、神出鬼没。
2月10日に訪れた植物園で遭遇したヒレンジャクが以下。30~40羽の群れでした。



その後2月15日に宇治川の調査に参加した際、以前住んでいた団地の中の木でレンジャクの群れを発見。2日後にカメラを持って行くと、まだいました。
飛んだり、木に止まったりを繰り返すので正確にはカウントできませんが、約180羽。これほどの大群を目にするのは初めてです。



ほとんどがヒレンジャクですが、中にはキレンジャクも混じっています。



キレンジャクの英名はBohemian Waxwing。翼に蝋状の突起があるのでWaxwingですが、「自由奔放に生きる人」という意味のBohemianは、冒頭に書いた「気まぐれ」「神出鬼没」といったこの鳥の生態を意味しているのだと思います。生き方としては、ボヘミアンなレンジャクに憧れます(笑)。
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植物園で野鳥観察

2020年02月20日 | 野鳥
前回ご紹介した府立運動公園(宇治市)での野鳥観察の翌日、今度は府立植物園(京都市左京区)で野鳥探しをしてきました。
最初に見つけたのはトラツグミ。この鳥は動きが鈍くて、ちょっと動いては止まりの繰り返し。小さい頃から「どんくさい」(「のろま」の関西弁)と言われてきた私は親近感を覚えます。それでも藪の中でしっかり大きなミミズをゲットし、ゆっくり時間をかけて飲み込みました。



ツグミの仲間にハチジョウツグミという亜種がいます。普通のツグミよりも色がソフトで、おしゃれな感じ。特別に珍しいわけではありませんが、私が遭遇するのは多分初めて。目の前に降りてきたので、遠巻きにしながら撮影しました。



イカルもあちこちにいました。冬は大群になるので、それを期待して園内を歩きましたが、木の枝に残った種を食べる単独個体しか見かけませんでした。私を鳥の世界に引き込んだのはこの鳥です。



カラ類の混群にも遭遇しましたが、シジュウカラやヤマガラは動きが早く、なかなか動画では撮りきれません。中でもいちばんチョコマカ動くのがエナガ。身近な鳥なのに、なかなかカメラに収まってくれません。この時は珍しく地面に降りて草の実か種を食べていたので何とか撮影できました。



天気がいまいちで途中小雨に降られましたが、入園者の少ない平日の植物園で、トラツグミのようにちょっと歩いては立ち止まりを繰り返しながらバードウオッチングを楽しんできました。
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あるじの交代

2020年02月13日 | 野鳥
先日、久しぶりに府立運動公園(通称「太陽が丘」)の野鳥の森へ行ってきました。3年前に訪れたときルリビタキやミヤマホオジロに出会ったので、今季はどうかなと思って…。
暖冬の中やっと訪れた寒波のせいで、現地に到着すると雪がチラホラ舞い始めました。森の入口で早速ジョウビタキの雌に遭遇。この鳥は、キョトンとした顔と尾羽をふるわせる可愛い挙動で、いつも気持ちを和ませてくれます。



昨年はこの場所に雄が居て、同じように目を楽しませてくれましたが、いつも間にか雌に交代したようです。
森の中に入ると、ルリビタキの雄の若鳥が出てきました。この鳥もジョウビタキと同じ仲間なので、挙動も表情もよく似ています。



昨年は同じ場所に雄の成鳥がいましたが、世代交代したようです。ジョウビタキもルリビタキも縄張りの主(あるじ)が代わったわけです。
ミヤマホオジロには出会えなかったものの、リスが姿を現しました。ここで見るのは初めてで、ちょっとビックリしました。



この森は野鳥の密度はいまいちですが、ほとんど誰にも会わず、気兼ねなくゆっくり歩きながら鳥を探せるので、時間のあるときにはまた訪れたい場所です。
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感動のイヌワシ

2020年02月06日 | 野鳥
イヌワシを調査している方に招いていただいて、ある場所へ観察に行ってきました。
環境省は絶滅危惧ⅠB類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定していますし、京都府も絶滅寸前種(京都府内において絶滅の危機に瀕している種)に指定しています。
私たちの認識では、京都府内ではすでに繁殖しておらず、近隣の府県で繁殖している個体がたまに府内に飛来する程度の貴重な鳥です。
当日、ポイントに4時間半ねばって、♂♀ペアが青空バックに飛ぶのを1回、その後♂が山バックにゆっくり旋回しながら飛ぶのを5~6分じっくり観察することができました。
イヌワシは日本の鳥類の天辺に君臨する、いわば「鳥の王」。そういう目で見るからかもしれませんが、悠々と飛ぶ姿には近づきがたい威厳があります。



私自身の記録を紐解くと、1990年11月に伊吹山の探鳥会でチラッと見たのが最初。その後、1995年5月に大山の9合目でペアが谷から上がってくるのをじっくり見て感動し、満足したので頂上へ登らずそのまま引き返しました。
1997年11月には、社員旅行で出かけた黒部・宇奈月温泉でたまたま上空を飛んでいるのを肉眼で見ました。その後は記録をとっていませんが、数回チラッと見た程度です。
調査員の話では、関西の繁殖地でも個体数が激減していて、数えるほどしか繁殖していないとのこと。理由はいろいろありますが、京都府が絶滅寸前種から絶滅種に指定する日もそう遠くないようで、「イヌワシを見た!」と喜んでばかりいられない状況です。
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