樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

バードグループ

2017年03月30日 | 野鳥
前回の記事でお伝えした室内例会の準備のために、鳥とポップミュージックについていろいろ調べていて面白い事実に遭遇しました。1950~1960年代にアメリカで流行した「ドゥーワップ」という音楽ジャンルで、鳥の名前をつけたグループが続出したというのです。それらを一括してバードグループと呼ぶそうです。
「ドゥーワップ」とは、日本では顔に靴墨を塗った4人組のシャネルズ(後のラッツ&スター)が歌っていた黒人コーラスのこと。私はブルースやゴスペルなど黒人音楽が好きなのでドゥーワップにも関心はありましたが、バードグループのことは知りませんでした。
この領域に生息していた鳥は、カーディナルス(ショウジョウコウカンチョウ)、クロウズ(カラス)、イーグルス(ワシ)、ファルコンズ(ハヤブサ)、フラミンゴス(フラミンゴ)、ホークス(タカ)、ラークス(ヒバリ)、メドウラークス(マキバドリ)、オリオールズ(ムクドリモドキ)、ペリカンズ(ペリカン)、ペンギンズ(ペンギン), レイヴンズ(ワタリガラス)、ロビンズ(コマドリ)、スワローズ(ツバメ)、スワンズ(ハクチョウ)など、実に多様性に富んでいます。



私も初めて聞く名前ですし、日本ではほとんど無名だったようです。アメリカでもヒット曲に恵まれたり、継続的に活動を続けたのはレイヴンズ、オリオールズ、フラミンゴス、ペンギンズくらいで、あとはメジャーにはなれなかったようです。



このバードグループの中でも最もヒットしたのが、オリオールズの「Cryng in the Chapel」(右上のジャケット)。曲の中に鳥は登場しませんが、なかなかいい曲です。

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鳥とポップミュージック

2017年03月23日 | 野鳥
来週、野鳥の会の事務所で「鳥とビートルズ」というテーマで室内例会を開催します。鳥に関する彼らの曲を紹介するのですが、さすがにビートルズだけではもたないので、サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んで行く」など他のポップミュージックも取り上げます。
以前、同じタイトルで記事をアップしたことがありますが、その後に集めた情報では、ポール・マッカートニーがバードウオッチャーで、お気に入りの鳥はミソサザイであることも判明しました。「ジェニー・レン(雌のミソサザイ)」という曲も作っています。
下の動画を見ると、ビートルズ時代に作った「ブラックバード」と同じ系統の曲のようです。自身が「ロサンゼルスの谷で作曲した」と言っているので、その谷でミソサザイに遭遇して作ったのかもしれません。



wikipediaのこちらのページには有名人のバードウオッチャーがリストアップされていて、ポールのほかミック・ジャガー、ヴァン・モリソンなどの名前も出ています。さすが、イギリスのミュージシャンですね。女優のキャメロン・ディアス、元アメリカ大統領ジミー・カーターなどの名前も見られます。
ビートルズのメンバー4人の中でバーダーはポールだけのようですが、ジョージ・ハリソンも「ボルチモア・オリオール」という鳥の曲を歌っています。オリジナルはジョージではなく、「スターダスト」「わが心のジョージア」などスタンダードの名曲を作ったホーギー・カーマイケル。「スカイラーク(ひばり)」もこの人が作曲しています。



このほか、曲の中に鳥のさえずりが挿入されている曲なども紹介するつもりですが、「誰も来ないのではないか」という不安があります。
どちらかというと野鳥の会の会員は真面目な人が多く、音楽ならクラシック派。ビートルズのような“不良の音楽”を聴いて育った人は少ないようです。
昨年の室内例会「鳥とジャズ」には10名が参加してくれましたが、今回はもっと少ないかも…。
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キリの日米中3国関係

2017年03月16日 | 木の材
最近買った『150の樹木百科図鑑』の中に、キリについて面白いことが書いてありました。
「種子は非常に軽くて多く、20世紀初めにアメリカの中国人移民が壊れやすい品物を荷造りするのに使った。荷物の箱から種子がこぼれて、線路沿いにこの木が広まったと考えられている」。
キリの分布域は中国や日本などアジアと思っていたので、アメリカに自生しているとは知りませんでした。さらに調べると、ウィキペディアには次のように書いてあります。
「翼(よく)のついた小さい種子は風でよく撒布され、発芽率が高く生長が早いため、随所に野生化した個体が見られる。アメリカ合衆国でも野生化して問題となっている」。
アメリカでは侵略的外来種という位置付けのようです。原産は中国ですが、日本でも同じような経緯をたどって現在のような身近な樹木になったのでしょう。
確かにキリは繁殖力が旺盛で、日本でも野山はもちろん高速道路のガード下など都市環境の中でも若木がニョキニョキ生えています。



さらに調べると、日本のある桐専門の材木会社はアメリカから輸入しています。というよりも、現地に直営の貯木場を開設して北米各地から桐材を集積しています。その会社が扱う桐材の比率は、国産1:北米産2。
質的にどうなのかな?と思って調べると、京都の桐タンス専門メーカーは「外国産の輸入桐が、全て、国産の桐より劣るわけではありません。例えば、北米、アメリカの桐は、大変、目が細かく、詰まっていて、しっかりとしていて、質のよいものです」と評価しています。
桐はタンスや下駄、桐箱、琴の材料ですが、その軽さを利用して漁業用のウキ、救命具、サーフボード、義足などにも使われています。
中国から日本に拡散して用途開発が行われ、さらにアメリカに拡散した木材が日本に輸入されて用途が拡大する。そういう興味深い展開をキリは示しているわけです。
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「野鳥の森」に野鳥はいるか?

2017年03月09日 | 野鳥
全国各地に「野鳥の森」があります。私は関西圏はもちろん、北海道、信州、北陸、中国、四国、九州、沖縄などへ出かけて、「野鳥の森」があれば訪れました。
得た感想は、「野鳥の森に野鳥はいない」というものでした。日本野鳥の会などが開設したところは別ですが、自治体などが開設した「野鳥の森」はほとんどと言ってもいいくらい鳥がいません。多分、専門家が十分リサーチすることなく、「森があれば鳥もいるだろう」という安易な想定で開設するのでしょう。
宇治市にも「野鳥の森」が2つあります。その1つは宇治市が開設したもので、以前、森林ボランティアとしてメンテナンスに関わったことがありますが、人が観察エリアを横切ってから観察小屋に入るという設計で、鳥を逃がしてから観察しようというひどいものでした。
もう1つは、府立の運動公園の一角にある「野鳥の森」。以前訪れて鳥が少なかったので、「やっぱり」と思ってその後は行きませんでした。
ところが、先日宇治のバーダーから「冬鳥が来ている」と聞いたので、とりあえず双眼鏡だけぶら下げて行ってみました。ルリビタキやベニマシコなどが見られたので、1週間後にカメラを担いで再訪しました。入口では、愛想のいいジョウビタキが迎えてくれます。



1回目にルリビタキの雄を見かけた場所でカメラをセットして待っていると、予想通り現れました。



久しぶりにミヤマホオジロにも出会うことができました。



2つある観察小屋では予想通り鳥は見られなかったものの、コースそのものは樹木に囲まれ、池や湿地も残っていて、それなりに多様な環境です。何より、人が少ないのがありがたい。
じっくり鳥見が楽しめるので、これからも時々行ってみようと思います。
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越冬ツバメ

2017年03月02日 | 野鳥
宇治川では毎年ツバメが越冬しています。この時期、宇治川沿いを歩くと頭の上をたくさんのツバメが飛び回っていて季節感が狂います。
バードウオッチャーの中にはツバメの初認日を記録して春到来の印にする人もいますが、宇治川近くに住んでいると越冬ツバメと混じるので初認日が分かりません。ほとんどがイワツバメですが、少数ながらツバメも混じっています。動画は2月7日の撮影です。



12月に開催した探鳥会で、参加者から「越冬ツバメはヒュルリ~と鳴くんですか?」と聞かれました。返事に困って「冬は基本的には鳴きません」と答えたのですが、「森昌子さんに聞いてください」と切り返した方がよかったかな(笑)。
越冬ツバメは増加傾向にあるようで、平成2~7年の調査では全国の河川のうち4.9%の川で確認されたのに対し、平成13~17年は9.8%の川で越冬ツバメが確認されたそうです。10年間で2倍に増えているわけです。
越冬ツバメが増えたということは、それだけ餌となる虫が増えているということです。ツバメにとっては、わざわざリスクを冒して南へ渡る必要がないので歓迎すべきことかもしれませんが、温暖化の影響とすれば喜んでばかりはいられないですね。

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