樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

星の葉の樹

2006年08月11日 | 街路樹・庭木
宇治では昨夜、花火大会が行われました。5分も歩けば特等席ゾーンなので、1年ぶりにゆかたを着て、ビールを飲みながら「玉屋~、鍵屋~」と叫んできました。
その宇治市の街路樹には、なぜかモミジバフウがたくさん使われています。JR宇治駅から宇治市役所へのメインストリートのほか、近くの住宅街の周囲にも延々と植えてあります。

      
      (宇治市役所前のモミジバフウ並木)

このモミジバフウは日本の自生種ではなく、アメリカ原産。名前は「モミジみたいな葉っぱのフウ」という意味です。このフウの仲間にはタイワンフウという中国原産の樹もあって、漢字では「楓(木ヘンに風)」と書きます。ところが、ややこしいことに日本では「楓」をカエデと読みます。
これまでにも何度かご紹介しましたが、その樹が日本にないのに、漢字だけが移入された場合、こういうねじれ現象が起こります。切れ込みのある葉が似ているので、楓という漢字をカエデに当てはめたのです。

      
      (モミジバフウの葉は5裂)
      
      (タイワンフウの葉は3裂)

葉の形はモミジに似ていますが、フウは互生、モミジは対生。そして、フウはマンサク科、モミジはカエデ科で全く縁のない樹種です。日本では、モミジバフウ(=アメリカフウ)とフウ(=タイワンフウ)が植栽されています。
このモミジバフウ、英語ではSTAR LEAFED TREE(星の葉の樹)と言います。5つに分かれた葉を星に例えたロマンチックなネーミングです。

         
         (ワニ皮のハンドバッグになりそうな樹皮)

このほかにも別名があって、香料や薬品に使う樹脂を採取するのでガムツリー、樹皮に灰色の瘤ができてワニみたいなのでアリゲーターツリーとも言います。
コメント (2)
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