樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

田んぼから山へ

2022年09月29日 | 野鳥
現在は渡り鳥のシーズンで、近くの干拓地にはシギやチドリが立ち寄りますし、タカ類も山を越えて南へ渡っていきます。しばらく田園地帯でシギ・チドリ観察を続けてきましたが、日曜日にタカの渡りを見るために岩間山へ行ってきました。宇治市と大津市の境にある山で、京都府におけるタカの渡り観察のメッカです。
従来は誰でも自由に観察できたのですが、昨年からモトクロスバイクのグループが土地を借りて練習場にしているので、危険回避のため入山は調査員だけに限定しています。視力が衰えた私はあまり役に立たちませんが、一応調査員に加えていただいています。
1年ぶりのホークウォッチングにもかかわらず、幸運にもこの日は今季最多の1480羽が飛びました。そのほとんどは遠く、あるいは高くを飛ぶので、双眼鏡でもゴマ粒にしか見えませんが、時々近くを飛ぶ群れや個体もいます。以下はサシバ。



30年来の友人は熱心なホークウォッチャーで、息子さんや娘さんに結婚式はタカの渡りシーズンを外すように言ったほど。まだ現役なので平日は無理ですが、休日は必ず岩間山に来ます。その彼が最も好きなタカはハチクマ。大きいので飛んでいる姿が雄大で、雄と雌、成鳥と幼鳥で色や模様が違うので、確かに見ていて面白いです。以下はその群れと個体。



家からは距離があり、カメラ用とスコープ用の三脚を肩に担ぎ、カメラや双眼鏡などの道具を背負ってミニバイクでアクセスするので負担が重く、年々行く回数が減っています。今年のホークウォッチングはこれっきりになるかな。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

△印の鳥

2022年09月22日 | 野鳥
日本野鳥の会京都支部では、府内で記録された鳥の希少程度を5段階に分けています。普通に見られる鳥は◎、比較的見聞の機会が多い鳥は〇、見聞の機会が少ない鳥は△、見聞の機会がごく少ない鳥は×、全国的に記録がまれな鳥は☆。
今年の干拓地では×印のシギやチドリはまだ確認されていないようで、今のところ△印まで。その中でも、私自身が今季1回しか遭遇していない「見聞の機会が少ない鳥」をご紹介します。
まずは、ヒバリシギ。〇印のトウネンや◎印のタカブシギがたむろしていた休耕田の、水が引いた後に1羽だけ入っていました。幼鳥のようで、警戒心が弱くて採餌しながらっどんどん近づいてきます。おかげで結構アップで撮影できました。



台風14号が通過した翌日、風に運ばれた珍しい鳥を期待して出かけましたが外れ。その代わり、私自身は今季初めてのコアオアシシギに出会いました。
台風は通過したもののまだ強風域にあったので、草や鳥の羽毛が逆立っていますし、カメラも風にあおられてブレました。コアオアシシギも風に押されてよろけていました。



シギやチドリのシーズンはもう少し続くので、×印の鳥が訪れるのを期待してまた出かけるつもりです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水辺の小鳥

2022年09月15日 | 野鳥
3日に1度の頻度で近くの干拓地へシギ・チドリ観察に出かけています。前回ご紹介したように、今年は種類・数とも減っていますが、コチドリは例年なみにいるようです。



トウネンもそれほど減ってはいないようです。先日は8羽の小群が1枚の休耕田で採餌したり、戯れたりしていました。



男性バードウォッチャーは猛禽ファンが多いようですが、私はどちらかといえば小鳥ファン。シギやチドリも、コチドリやトウネンなど小さな鳥を見ていると、なぜか穏やかな気持ちになります。
共通点があるのかどうか、小さな子供に対しても同様で、散歩コースに近くの保育園の園児が遊びにくると、ずーっと眺めていたり、一緒になって遊んだりします。
水辺の小鳥たちの愛らしい動きや仕草を見ていると、子供たちが楽しそうに戯れているのを見るのと同じような平和で穏やかな気分になります。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

セイタカシギがやってきた

2022年09月08日 | 野鳥
9月に入ってからも近くの干拓地にシギチ観察に出かけています。今年は、休耕田はやや少なくなった程度ですが、鳥は大幅に減少しました。あらかじめチェックしておいた休耕田を一筆書きで巡回するのですが、30枚の休耕田を回ってようやく鳥影に遭遇し、双眼鏡で確認するとケリとチドリのみという状態が続いています。
そんな中、例年どおりに飛来しているのがセイタカシギ。最初の遭遇は8月24日に1カ所で2羽でしたが、その後、26日に1羽、9月4日に3羽・1羽で計4羽、6日に1羽・3羽・2羽で計6羽、7日には(前日と同じ個体と思われますが)4羽・2羽で計6羽、延べ19羽確認しました。個体識別が難しいですが、このうち10羽が同一個体で、差し引き9個体が飛来したのではないかと推測しています。



名前のとおり背の高いシギなので、いればすぐに目につきますし、(特に幼鳥は)警戒心が薄くて人が近づいてもすぐには逃げないので、観察や撮影がしやすい鳥です。
英名Black-winged Stiltのstiltは「竹馬」。ご覧のように異様に足が長く、地球上に生息する鳥の中で最も足が長い(体長比)のはこの鳥だそうです。体長(鳥を仰向けに寝かせて、足を除外した嘴の先から尾羽の先までを計った長さ)35cmに対して、足の長さは25cmとのこと。
そのスラリとした体形とゆったりした動きから「田園の貴婦人」とか「水辺の貴婦人」、さらには「水辺のバレリーナ」という異名があります。
美しく、動きが優雅で、見ていても飽きません。シギチシーズンはまだ続くので、後半にも出会いを期待しましょう。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シギの季節到来

2022年09月01日 | 野鳥
今年も近くの干拓地にシギやチドリが渡って来るシーズンになったので、先日から猛暑の中何度か出向いています。
ムナグロは毎年ほぼ同じ畑にやって来ます。今年も1カ所に9羽、その近くの畑地に9羽、計18羽が羽を休めていました。



シギやチドリが入るのは休耕田なので、シーズン初めは鳥を探すよりも休耕田を探すことになります。昨年あった休耕田が今年はなくなっていることがあります。下は昨年いろいろな鳥がやってきた休耕田でしたが、今年はビニールハウスに変わっていました。



逆に、去年は水田だったところが今年は休耕田になっている場合もあります。下は今年初めて生まれた休耕田。



その新しい休耕田が、何やらたくさんの鳥で賑わっています。ダイサギ、チュウサギ、コサギのサギ軍団やケリの群れに交じって、タカブシギがたくさん。カウントすると15羽。あまり群れることがない鳥なので、ちょっと驚きました。



これから1カ月ほど、また日焼けしながら干拓地を巡るの日々が続きそうです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする