ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

教科書の指導書

2005-04-08 13:31:23 | 脳みその日常
昨日、ある教科書会社からメールが。「昨年書いていただいた指導書ができましたのでお送りします」と。一瞬何のことかと思ったが、そういえば昨夏、急な依頼を受けて書いたのを思い出す。

ワシは教育に携わる人間ではない。たまたま縁あってこの会社の仕事を8年ほど続けている。ここ数年は指導書の原稿を書いているが、その前は実際の教科書のページを作ったこともあった。

指導書とはいうまでもなく先生が生徒に教える時に使う「虎の巻」のこと。そこには具体的な指導法はもちろんのこと、授業中に生徒を飽きさせないためのネタなども書かれている。教師は基本的には指導書に書かれてあるように教えることになっている。それを知らない生徒は「へえー、先生、いろんなことを知ってるんだね」と感心するが、実はそうした知識はほとんどが指導書に書かれたもの。

生徒や父兄に感心されるから、先生は知らないうちに天狗になる。そしていかにも自分は音楽の知識があるというポーズを作るようになる。しかしギター侍じゃないが、「そんなことは全部指導書に書いてありますからぁぁぁぁぁ、残念!」なのだ。

ところが尊敬の眼差しを受けた先生は妙なプライドがあるので「いやー、ちゃんとネタがあるんですよ」なんて口が裂けても言わない。逆に「うんうん、先生は物知りだろ?」と、天狗の鼻はますます伸びるばかり。

でも、そうした知識は自分で身につけたものじゃないから、いとも簡単にメッキは剥がれる。そして説明できないとわかるや、すぐさま教科書会社に電話をかけてくる始末。

「あのー、ここってどういう意味なんでしょうか?」

たまたまその会社に出掛けた際、一度だけそうした電話を受けたことがある。心の中では「おいおい、そんな基本的なことも知らんのかよ」と思いつつ、会社に迷惑をかけてはマズイので丁重な言葉で、

「先生は事典か何かでお調べになられましたか?」と、軽く探りを入れてみる。すると、

「いーえ、何もしてません」

あ、あのな…自分はその道のプロじゃないのかい。調べもせずに電話をしてくるとは、いい根性してるな、ホントに。教室で見せているであろうプライドは、もうここにはない。こちらとしては、ただただ呆れるばかり。

もちろん、そんな先生ばかりじゃない。研究熱心で、時には「オタク」的な物知りの人もいる。そのタイプは愚かな質問をしない代わりに、些細な記述ミスなどにいちいちクレームをつけてくるそうな。いずれにしても困った人たちである。

そういえば、今月から全国で新任の音楽の先生が数多くデビューを飾るんだねえ。キミたち、しっかり勉強しなさいよ。仮にも教えるプロなんだからさ(笑)
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