ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

KJ法

2005-04-17 23:49:57 | 脳みその日常
若い学生と喋っていたら、論文の書き方に話が及ぶ。「どうやって書いたらいいんでしょうか」と。つい「KJ法を使えばいいんじゃないの?」と言うと、「何ですか、それ」と切り返されてしまった。そうか、これってもうパソコンでできるんだよな、としみじみ思う。

KJ法とは1965年頃当時東京工業大学教授だった川喜田二郎氏によって考案された整理法である。1967年に『発想法』というタイトルで中公新書から出版されるや、その方法論はパソコン出現まで定番とされたものだった。これは簡単に説明すると、論文などを書く際、思いついたことや調べたことをどのようにまとめたらよいかというもの。川喜田氏の考案したのはカードを使う方法だった。ちなみに「KJ」とは言うまでもなく川喜田氏のイニシャルに由来する。

常にカードを携行し、何かを思いついたら、その都度カードに記入するのだ。思いつきというのはまさに脈略のないものである。しかし、項目ごとにメモされたカードはあとになって並べてみると意外なことが発見できるのだ。つまり脈略のない個々の項目も、並べてみれば論理的な整合性が見えてくる。論文を書く場合、数百数千枚というカードを使えばいいと言うのだ。

当時この方法論は画期的なものであり、誰もがKJ法を用いて論文を書いた。ワシの卒論、修論もKJ法のおかげで書けたようなものだ。だが、今はパソコンのデータベース・ソフトを使えばよい。何も数百枚のカードを持ち歩かなくてもよくなっている。何かを思いついたら、その都度データベースに打ち込むだけ。あとは好きなように項目をソートし、各メモを文章にすればよい。あぁ、なんて便利な時代になったのだろう。

もちろん、現在でもKJ法についての研究は続いているようだ。詳しくはここのサイトを参照されたい。
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