ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

なぜ音色に気を配らないのか

2005-02-10 23:26:12 | 音楽あれこれ
東フィルの定期演奏会を聴く。なんと今日は交響曲が2つ! 重いプログラムだなぁ。といっても、バーンスタインの《交響曲第2番》「不安の時代」はピアノ付きの交響曲で、いわばピアノ協奏曲(独奏:小曽根真)。でもでもやっぱり長かった。40分ぐらいかな。

それにしてもバーンスタインのオーケストレーションは、ショスタコーヴィチの影響をモロに受けている。「もどき」というか「パクリ」といった響きがあちこちでするし…。まあ、小曽根のソロも一所懸命で熱演といったところ。

休憩のあとは、ブルックナーの《交響曲第8番》。彼の交響曲では《ロマンティック》と並び、お馴染みの作品。しかしだねえ、こんなに退屈で長く感じる演奏は久しぶりだった。

指揮者の井上道義ファンには申し訳ないが、この人、作品についてのイメージをたぶん持たないまま演奏している。バーンスタインも然り。ゲネプロ以前の通し練習を聴いてるように錯覚するほど。なんていうのかな、スコアに記されてある音符をそのまま再現しているだけなのである。

バーンスタインにしろ、ブルックナーにしろ、それぞれに特徴的な響きや雰囲気といったものはあるはず。フレーズの「入り」をフワッとさせるとか、金管をシャープに鳴らすとかさ。そういったこまやかな点がまったくできていない。だから、長いとはいえブルックナーの作品が気の遠くなるほど長く感じたのだと思う。

この人は、いつからこんなに「歌わなくなった」のだろうか。いや、もともとそんなに「歌わない」人だったのかもしれない。行進曲みたいなノーテンキな曲だと水を得た魚のようなんだけどねえ。意外にブラスバンドの指揮者のほうが向いてたりして。(苦笑)

そういえば、小曽根は最近クラシックの演奏会に出ているね。アンコールにジャズのソロでも弾くのかと思ったが、それもなし。あーあ、80年代前半にデビューした頃の「Crystal Love」なんかが懐かしいのぉ。プロコフィエフばりの突拍子もない転調がメチャクチャ魅力だったんだけどね。
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