ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

音楽編集者の嘆き

2004-07-03 20:20:25 | 音楽あれこれ
大手クラシック音楽雑誌の、とある編集長から聞いた話。

編集長「いやー、音楽学出身のモノ書きの人は困りますわ」
ワ シ「はぁ…なんでですの?」
編集長「原稿を依頼したくても曲を知らなさ過ぎなんですもん」
ワ シ「へぇー、そうなんですか」

参考までに、音楽学というのは、主に音楽大学に開設された専攻のひとつで、音楽を学問的に研究するもの。まあ、いってみれば学者養成所みたいなもんだ。部外者の編集者からみれば、音楽学を専攻している人は音楽を研究している人たちだから、きっと音楽をよく知っているに違いない。そう思い込んでいるそうな。

ところが、意外にもそうでないことのほうが多い。というのも、多くの音楽学専攻者は特定の事柄については研究するが、一般の音楽愛好家のように「おしなべて」音楽を聴いているわけではないからだ。卒論、修論などのために彼らはピンポイントで音楽を学ぶ傾向にある。それはそれで学問の方法論を習得するには必要なことなのだが…。

しかし、社会から見たら、そんなことは関係ない。一般の人は内部の事情なんて知らないんだから、「音楽学専攻」と聞けば、音楽全般について熟知していると思うのも無理はない。でも実際はそうじゃない。だから思い込みをした編集者はがっかりすることになる。

なにを隠そう、ワシも音楽学出身者である。そのため、冒頭の編集長の発言には正直ショックを受けた。そーだろうなー、そーかもしれんなー、と。

ただ、ワシの場合は学校で学ぶことなんてそっちのけで、通常の授業ではまず聴かないであろう音楽ばかり聴いていた。もちろん音楽史に登場するような「王道」なんて、とっくの昔に聴いていたからそんな「暴挙」に出ることができたのかもしれんが。そんな調子だから、学校での成績は当然いいわけがない。
アセアセ( ̄_ ̄ i)タラー

それでも、現役の学生たちには毎年忠告することにしている。
「学校で学ぶことなんてたいしたことないから、いろんな音楽を聴けよ」と。

いや、実際に仕事となったら、どれだけいろんな音楽を聴かなければならないかを痛感するだろうし、学校の授業なんて、全体のほんの一握りのことしかやらないのがわかるからだ。まあ、モノ書きになるつもりがないんだったら、学校の勉強だけを一所懸命やればいいことなんだけどね。あはは。
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