ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

案の定…うひゃーっ

2004-07-16 01:46:32 | 脳みその日常
「現代日本のオーケストラ音楽」第28回演奏会を聴く。
場所は、東京文化会館大ホール。
毎年この時期に開かれるのだが、今年も出掛けた。

受付で入場手続きを済ませ、いざ会場に入ろうとした時、聞き覚えのある声が。
「やあやあ」
やはり、S先生だった…
「ご、ごぶさたしとります」
そのまま連れ立ってホールの中へ。
ついでに仲良く(?)並んで座る…

今回のプログラムは、次の通り。
・入野義朗《小管弦楽のための「シンフォニエッタ」》(1953)【招待作品】
・長生 淳《秋---白い恒久》(2004)【委嘱作品初演】
休憩を挟んで、
・早坂文雄《交響的組曲「ユーカラ」》(1955)【招待作品】

S先生は、入野作品をみるなり、
「おっ、これは日本で2番目に作られた十二音技法の曲だな」と、つぶやく。
曲目解説を読んでみると、最後のところにその通り書いてあった。
やー、さすが専門家だねえ。
ワシなんぞは不勉強なので、邦人の現代作品はさほど詳しくない。
特に、1950年代の作品なんて、ハレホレヒレハレだし…(笑)

もちろん、入野の名前はよく知っている。
ヨーゼフ・ルーファーの『12音による作曲技法』の訳者としてね。
いやー、あの本には本当にお世話になったものよ。
彼が作曲をしたことも当然知っていたが、これまで聴く機会がほとんどなかった。
《シンフォニエッタ》の響きは、まさに1950年代の作品を想起させる。
きっとテクストも十分練られてあるんだろうな。
そんな感じの作品。

長生作品は、これまでいくつか聴いたことがあった。
確かに響きは今日的かもしれない。
だけどねえ、瞬間、瞬間に聴き覚えのある響きがチラホラ。
ラヴェル、レスピーギ、シルヴェストロフ…などなど。
それは、まだ許そう。
問題なのは、作品に構成感が乏しいことだな。

2度目のクライマックスで曲は終わるんだな…よしよし、カッコいいぞ。
と思いきや、まだ終わらない。
もう一度クライマックスが訪れる。ほほー、これでシメるのか…へえー。
と思っても、まだ続く。
で、次のクライマックスは、どんな感じなんだい?…と思ってるうちに、
終わってもうたやん。
ミ(ノ_ _)ノ=3 ドテッ!!
もうね、(;`O´)oコラー!って感じよ。

早坂作品には、やはり映画音楽のイメージが強い。
映画『七人の侍』『雨月物語』などを思い浮かべれば想像がつくだろう。
ただし、今回の《ユーカラ》を聴いて思ったのは、弦楽器のユニゾン部分などは、
「おおっ、まるでショスタコーヴィチやん」ってこと。
S先生も、この意見には同感だと言われた。
さらにワシが「リズムの感じは、ストラヴィンスキーっぽいところがある」と言うと、
「うーん、それは微妙だね」と苦笑されてしまう(泣)

演奏会は、そんな感じで終わった。
ホールを出るあたりで「そのへんでメシでも食うか?」というので、
「いやー、クルマなもんで…」
でも、このシチュエーションで「ほな、さいなら」と別れられるハズもなし。
そんなこんなで、先生の自宅方面に一緒に向かうことに。
で、三宿付近のファミレスにゴー。

デカい声でしゃべるニィちゃんたちの中で、我々の存在はどうみても浮いてる(笑)
いやー、なんか場違いだな。
そう思いながら、そこに2時間も留まったワシらって一体…
もちろん、シンデレラ・タイム前には無事に自宅へお送りしましたとも。
ええ、ええ。
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