ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

テキトーな番組

2004-07-08 19:02:08 | 音楽あれこれ
まずは、ココをご覧いただきたい。

モーツァルトの素晴らしさを科学的に検証するというものだ。面白そうだったので見たのだが、心底ガッカリ。科学的ったって、ちーとも科学的じゃないじゃん。

たとえば、モーツァルトの音楽には高周波が出ているというが、確かにデータには出ていたよな。でも、ほかの作曲家の場合については比較対照してない。まるでモーツァルトの音楽だけに高周波が含まれているような表現である。そんなこと、ありえねーよ。他の作曲家の作品にだって、おそらく高周波は出ているだろうよ。科学的に検証するんだったら、なんで他の作曲家のケースも示さないんだ? それともなにか? 他のケースを提示すると不都合なことでもあるんか? お笑いぐさだねえ。

また、ミサ曲を一度聴いただけで記憶し、楽譜に書いたというエピソードを紹介していた。それは確かな事実ではあるようだが、番組では、いかにもそういうワザはモーツァルトにしかできないような紹介の仕方をする。

そりゃ確かに専門的な訓練をしていない人からすれば、そんな行為は「神の領域」のように見えるだろうて。バカな出演者のひとりは「なんで同時に2つ以上の音が聴き取れるんだ?」と驚嘆していたな。あのね、専門的な訓練をすれば、複数の音を同時に聴き分けるなんて難しいことじゃないんだよ。少なくともワシの知り合いには、同時に8つの音を聴き分けるやつもおる。もちろん、世の中にはもっとすげーやつはいるだろう。

そうした能力に加え、音楽を記憶する能力があれば、モーツァルトのそれとまではいかないにせよ、そこそこのことは論理的に可能なはず。だってさ、同じ人間がやることだぜ。能力にはそんな大差ないって。

にもかかわらず、バカ出演者は「すげー、すげー」とか抜かしてるし。そりゃな、あんたの能力と比べたらスゲーだろうよ。なんの訓練もしてないんだからな。こんなんだから、ちゃんとした番組にならないんだよ。

まあ、ビートたけしがやる「科学チックな」番組だから仕方ないといえばそれまでだが、やってる内容があまりにお粗末すぎないか? それに番組の作り方は、まるで他局の「アンビリーバボー」そっくりだし…。インチキくせーんだよな。

また、せっかくマジメな番組にするんだったら、なんで日本のモーツァルト研究者ぐらい登場させないのかも疑問だね。青島広志なんて出演させても説得力ないし。せめて、エビちゃんぐらい登場させろよな。もっとも、出演依頼はあっても、バカバカしくて彼のほうから断ったのかもしれんけど(笑)

そしたら、冒頭の記事が後日出た。番組の影響もあって、ユニバーサルにはモーツァルト関連の注文が相次ぐ…と。まあ、それもむべなるかなという感じではある。しかし、ムカついたのは、日テレのプロデューサーの発言。

「どんなとっかかりでもいいから、普段なじみのないモーツァルトに興味を持っていただけたらうれしいです」だぁ?

こらっ、結果オーライならそれでええんかいっ。そんなセリフは、専門家もうならせるほどのちゃんとした番組を作ってから抜かせっちうねん。シロートをけむに巻くようなテキトーな番組を作りやがってさ。まったく…
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