ミニ解答選手権

2009-05-16 00:00:34 | しょうぎ
abf00c79.jpg先週に続いて、5月2日に開催された所司一門会のこと。

実は、当日私が宮田五段の詰将棋コーナーを手伝ったのも、本来は夜のパーティの席で、全日本詰将棋連盟の柳田明会長が解答選手権5回優勝による八段授与式があるため、柳田会長に昼のイベントの部を依頼されていたものが、急遽スケジュールの関係で、私に回ってきたわけ。

柳田会長はパーティでのスピーチの中で、「詰将棋作家には、プロ制度はなく、他の職業を持ちながら創作している。」「詰将棋パラダイス誌は同人誌であり、発行数は、二千数百部で、創作、解答などの投稿者は約三百人。」などを報告されていた。

なんとなく、甘えの構造の将棋界への批判のように聞こえたが、実際、詰将棋連盟こそ、公益法人にふさわしいような気がする。

宮田五段の話に戻るが、某週刊紙のインタビューに応えていたが、一門について、どう思うか、という質問に対して、「とにかく、大きな集団」というようなことで、答えていた。確かに、棋士だけではなく、奨励会員や予備軍。いくつかの道場といった直接的な人たちに加え、出版社や将棋用具の業者の方、呉服店の人など様々な周辺部の人たちで構成されている。

パーティには宮田五段も和服で臨んだのだが、詰将棋と異なり、一瞬で着替えるわけにはいかず、白瀧呉服店社長のアシストによるものである。和服も手順が重要なのだろうか。

パーティの開会前に、慣れぬ和服(というか草履)に苦戦している彼に近づいて話しかけていたのが、ある理事の方。電話魔という噂のある方である。遠目で目撃したので、話が通じたのか通じなかったのかは、よくわからないが、数分間にわたっていたことからすると、理事は確信を得られなかったのかもしれない(想像)。

wx宮田五段(八段)には、たまたま、5月号の詰将棋パラダイスの中の「名局ライブラリー」の二題を「目隠し詰将棋」で解いてみせていただいたのだが、その二題が詰パラ誌に掲載された時期には、入院されていたとのこと。それで、気になる質問というか、入院中に同誌を読んでいたのかどうかだが、「読まなかった」そうである。休場中にサッカーをした関取とは違うようである。

さて、当日の詰将棋ミニ解答選手権チャレンジ戦の部である。全5題(9手から15手)。一問正解20点。初手と最終手と手数を書くもので、初手のみ正解の場合は5点。時間は40分間。チャレンジャーは、12名。(奨励会員、アマ強豪、専門誌、専門紙のかたなど)

1位は85点。2位が65点。以下、40点、30点、25点、20点4名、5点2名、0点。
平均点は、30点。第一問は8名正解。第二問0名。第三問2名。第4問3名、第5問2名である。第二問は誤解続出である。9手詰めと11手詰の間に配置されていたため、いかにも詰んだと思える9手詰の筋を、解答とされた方が多かった。

5題のうち第一問は、さわやか風太郎氏との共作である。その他は私のオリジナルだが、どうも「解いて楽しい詰将棋」をモットーにしているのだが、苦しめたり間違わせたりさせやすい問題になってしまうのである。

もっとも、「誤解」というのは、本人が正解と思い込んでしまうわけだから、それは幸せなのかもしれない。日本の民主主義、日本の安全保障みたいなものだろう。


wxさて、5月3日出題作の解答。

▲1二飛 △同玉 ▲1四香 △1三飛 ▲2三桂成 △同桂 ▲2四桂 △2一飛 ▲3一と △同飛 ▲2二歩 △同玉 ▲1三香成△同玉▲1二飛まで15手詰。

双玉の意味は、逆王手を掛けさせるためなのだが、逆王手を掛けさせるために必要な飛車は攻め方が持っているために、まず、飛車を後手に進呈する。

合駒の飛車を同香成と取ると、元の図面で持駒が減るだけなので、取る手がないことは分かる。移動合いで飛車筋を遮断し、一端、下段に落としてから余詰め筋を消してから、飛車を取り戻して止めを刺す。

最後の飛車打ちは、元々駒台に乗っている飛車なので、あらかじめヒントで、「最後の一手は、駒台の飛車を打つ!」と書けば、大いに誤解された可能性はあるだろう。

13今週の出題だが、チャレンジ戦に出題した5題のうち、第2問、第4問、第5問については、ほぼ、同趣向作をかつて出題しているので、第1問と第3問を掲示しておく。(第1問は、私とさわやか風太郎氏の共作)

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

全5題の発表は、2週間後を予定。会場では持時間40分だったが、時間にとらわれずに、全題チャレンジされたら、どうだろうか。