将棋連盟の新理事に期待することは、・・

2009-05-30 00:00:12 | しょうぎ
新理事に期待することは、実のところあまりないのだが、強いて言えば、アマチュアが行っている普及活動の邪魔をしないでほしいということかな。

例えば、突発的にあちこちの会場にプロ棋士を派遣して、こどもを相手に6枚落ちの5面指しとかして、負けてあげる、とかいうこと。二度と来ないのに。

負けてもらった小学生は、「○○八段に勝った」とか、いいふらして、「アマ五段なんかに教わるのは嫌だ」ということになる。(高段免状乱発に対する私見はいずれ)

そして、棋士内部での投票結果は、日本将棋連盟のホームページに掲載されている。抜粋。

投票の結果、下記6名が理事に決まりました

有効票数(含不在者投票)  190票
米長邦雄永世棋聖(113票)
青野照市九段(93票)
中川大輔七段(87票)
西村一義九段(69票)
上野裕和五段(69票)
桜井 昇八段(50票)
田中寅彦九段(48票)

関西(定員2名)立候補者2名(立候補順)
西川慶二七段・淡路仁茂九段
※信任投票の結果、下記2名が理事に決まりました

有効票数(含不在者投票)  190票
淡路仁茂九段(174票)
西川慶二七段(172票)


簡単に言うと、定員8名に対し、現職8名新人1名が立候補し、現職1名が落選したことになる。

予想では、トップの票がもっと伸び悩むのではないかと思っていたが、投票数の過半数を超えたようだ。

先週も少し触れたが、一人1票ではなく、一人5票。関東3名と関西2名に投票。有効票190票ということは、関東立候補者の投票総数が570票となるべきところ、7人の票を足すと、529票。41票が不足している。関西分の票から推測すると、白紙(棄権)が15人ほどいたのかもしれない。

その後、8人の理事の互選で会長の重任が決まったそうだが、そちらの投票結果は公開されていない。メンバーを見れば、かなり関西の方々の潜在的影響力が重視された結果とも感じないでもない。本来、関西の理事も首都圏に引越して連盟全体の仕事をしなければならないのではないかとも思うが、閣外協力だけで影響力を維持する政党みたいだ。

まあ、三人セットで運動をしていたチームの基礎票がわかるような気もするが、政権維持が大変なのは余の常だろうか。職団戦にたまに出場すると、OB棋士が大挙、指導将棋に登場しているのだが、そういう役回しと関係があるのだろうか。よくわからないが。

さて、ミニ解答選手権、チャレンジ戦の部の解答

width="400" height="170" border="0" alt="b1" hspace="5" class="pict" align="right">第一問 :▲2五銀 △同玉 ▲2七香 △2六銀 ▲3五飛成 △1四玉 ▲1五龍 △同銀 ▲2三銀不成まで9手詰。

初手を発見すること。そして、焦点の香打。この香は取れない。

あとはインスピレーションかな。

動く将棋盤は、こちら



b31第三問 ▲7六飛 △6六桂 ▲同飛 △4五玉(途中図1) ▲4六飛 △同玉 ▲5八桂 △4五玉 ▲4六香 △5四玉 ▲6六桂まで11手詰。

初手は香を打つ手を一通り確かめてから、あきらめて▲7六飛に辿りつく。

これに対して、おとなしく△4五玉では▲4六香 △5四玉 ▲7四飛(変化)とあっけなく終わる。つまり、6六に合駒でおびき寄せて最後の▲7四飛をこばもうということ。

b32前に進める合駒は、すぐに詰むので、桂合。

途中図で、読み直すと、飛車を捨てる手がある。桂馬の二段活用という好手があった。

どうも、打った飛車を捨てるというのは、貧乏な平民には、思いつかない発想である。ワインのテイストで、「気に食わないので、別の1本」という感じだ。


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b41第四問 :▲4六角 △3七桂(途中図1) ▲2九金 △同玉 ▲5九飛 △4九銀(途中図2) ▲同飛 △同桂成 ▲1八銀 △同玉 ▲1九銀 △2八玉 ▲1八銀打まで13手詰。

よく見ると、5六の角は邪魔駒ということに気付く。

角がいなければ、直ちに▲2九金になる。ということで、4六に角を捨てると5五の角で取ってくれるわけでもなく3七桂と変な合駒が登場。

width="400" height="170" border="0" alt="b42" hspace="5" class="pict" align="left">▲同角と取ると、同角成となり、将来、▲5九飛と活用すると、馬で取られる。

その他、あれこれ合駒の組み合わせが多くて、全部調べなければいけない。一粒で10回美味しい詰将棋ならいいが、10回苦しむ詰将棋の可能性もある。

最後に銀の3連打が出て詰むが、銀の三連打は結構、珍しい。

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b51第5問:▲2一飛 △1三玉 ▲1二桂成(途中図1) △同玉 ▲2三銀 △1三玉 ▲2二飛成 △2四玉(途中図2) ▲3二銀不成 △3四玉 ▲4三銀不成 △4五玉 ▲5四馬 △3五玉 ▲2七桂まで15手詰。

変化は、色々あるが、途中図1で△1四玉と逃げると、▲1三成桂から▲3一馬の筋がある。

上部に王を追い出してから下から追いかけ(常識の逆)、最後は▲2七桂の「空中詰」になるが、この形が詰みになっていることに気付かないと、夜も眠れないことになる。

b52序盤の細かさが、終盤の開放感と対になっているのだが、そういう感覚の切り替えが「人工的な快感」を生み出す要素なのだが、こういうのをコンピューターが数値化し始めたら、詰将棋作家は失業だ(元々失業している人も多いが)。


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33te今週の問題だが、先週の問題が、「やさし過ぎる」と馬鹿にされたようなので、12本骨入り傘のようなゴッツイ問題。まだ試作品の段階だが、一応、完成作。

ヒントが思いつかないが「2九の銀だけが不動駒」なんて恐ろしいことを書くと、付き合ってくれなくなるかなあ。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。