沖縄(6)海、そして美ら海

2009-05-09 00:00:54 | たび
沖縄は海洋王国である。琉球王国は文字通りの海洋王国だったが、大日本帝国と大清帝国の間のバランス外交が終焉し、明治初期に日本に組み入れられた。日本側は、沖縄を拠点として台湾を見ていたのだろうが、清国は、やはり北方系民族による支配国家であり、大陸国家だったのだろう。



その沖縄の重要性をはるか遠くから見ていたのが米国。米国から見れば、広い太平洋を日本国海上自衛隊と組むことで日本本土、沖縄、台湾、フィリピンとつないだラインを軍事防衛ライン(ロシア・中国封じ込め)として赤線を引くことができ、全部、自分の海のような顔をしている。その割に日本は海を利用していない。



もし、日本の政権政党が代われば、大統領や国務長官などが次々に、この防衛ラインの赤線が消えないように、ペンキ塗りに来日することだろう。

そして、海の色。

沖縄は東側が太平洋であり、西側は南シナ海。政治の海ともいえる南シナ海こそ、七色に変わる曜変の海である。いわゆるエメラルドグリーン。色が美しいばかりではなく、同じ海面のあちらこちらで、色が異なる。海の深さ、海中のリーフの大きさ、変わりやすい空の色、潮流。原因さまざま。

石垣島のサンセットビーチや川平(かびら)湾の海面の美しさは、固有の芸術のような輝きがあるが、沖縄の海は、それとは少し異なり、「胸騒ぎがするような変化の美」である。つまり、「曜変の海」。本島から長い海中大橋で渡った古宇利(こうり)島に渡り、砂浜を散策。

沖縄の海が磯臭くない理由としては、打ちあげられる海藻類が少ないことが理由にあげられるそうだが、その原因はよくわからないそうである。流れてきた海藻は、葉(?)も厚く、食べれば歯ごたえがありそうだ。

umi1そしてついに、沖縄美ら海水族館。超人気スポットだが、那覇からは遠い。マンタやジンベエザメの遊泳で特に有名。もちろん、その他の海洋生物もたくさん。最近は、都会の水族館もなかなか特長を出して、充実しているが、何といっても、美ら海は豪快である。そしてのんびり。


イルカショーにクジラが出演。やはりクジラは豪快。天高く空に飛び出し、巨大しぶきとともに海に飛び込むだけで、この動物のスーパーパワーが思い知らされる。





また、回遊プールでは、ブリジストン社製の人工尾びれをつけたバンドウイルカのフジちゃんが、元気に泳いでいる。空を飛ぼうとか思わないで、永く平凡に泳いでほしい。



館内では、ジンベエザメの餌付けが行われていたが、さすがにサメと目線は合わせたくない。友達になるなら、海ガメだろうか。




浦島太郎は亀の背中に乗って竜宮城に行き、家族のことなどすっかり忘れて、有り金はたいて遊び呆け、一文無しになって帰ってきたら、さすが長寿のカメ時間で、一族郎党絶えてなくなり、苔むした自分の墓石を見つけ、泣いてご先祖様に、いやご子孫さまに詫びを入れても、時すでに遅し、という教訓話であるが、案外、沖縄伝説かも知れない。ここでは、黄泉の国は海の彼方にあると考えられていたからだ。





umi1そして、沖縄の夜は、突然に暗くなるのである。

(沖縄シリーズ、これで終了)