「もったいない」本の正体は?2

2005-07-18 20:04:26 | 書評
1a8bfd8e.jpg昨日の続き

10.携帯電話/自転車/テレビ/冷蔵庫が大量廃棄されている
 世界人口の半分は1日2ドル以下で暮らしているのに・・

 日本人まで1日2ドルになると世界の経済は破綻する。

11.毎日時刻を知るだけのためにテレビをつけっぱなしにする
 14万7千トンのCO2が浪費されている。

 テレビに時刻を表示しなければいいのに・・

12.昔の小学生は鉛筆ホルダーをつかっていた
 昔は、ものを大切にする精神があった。

 ものを大切にする精神ではなく、単にものを大切にしていただけなのだ。

13.宴会の「お酌」という風習が風化しつつある
 年長者からのお酌は「畏れ多くて、もったいない」気持ちになる。

 そういう気持ちはぜんぜん感じないし、その前に、宴会の日本酒は危険だ。

14.日本製のトイレは「大」と「小」で水の量が違う
 世界にはそこまで工夫する国は少ない。

 だから日本人が嫌われるのだ。

15.高校受験の日にお弁当を網棚に置き忘れてしまう
 お母さんの、真心を置き忘れてしまった「申し訳なさ」なのだ。

 マクロ的に言うと「忘れやすい人間」が入試で淘汰されるのは、国益に適うのだが。

16.1年間に使い捨てられる「割り箸」は250億
 96パーセントが中国からに輸入。木材の量は17,000戸の住宅分。

 また中国のせいにする。割り箸では家は立たない。

17.三ヶ国語を話せて、その仕事につけないのは宝の持ち腐れ
 「もったいない」は人の能力にもいえる。

 むしろ、無能の人が仕事をしている方が問題ではないか。

18.南側の窓辺で仕事をすべき
 電灯は必要ない。

 できれば、そうしたいが、南向きの窓を手に入れるには、多大な財力が・・

19.発展途上国のこどもに必要なお金の10倍が軍事費に使われている
 「もったいない」の究極

 大半の軍事費は、人件費なのだ。そして、貧困問題と軍事費は表裏一体なのだ。

結局、「もったいない精神」が有効なのは、「経済合理性」の範囲の中だけではないだろうか。

Google Earth 2

2005-07-18 20:03:03 | 地図
2c195515.jpgGoogle Earth で遊んでいる人が多いようだ。おそらく、遊んでいる人の大半はブロガーじゃないかって想像できる。こういうのになると、ブログ族は早いし、すぐに一致団結してしまう。

たとえば、"tokyo"で飛ばすと、なぜか有楽町のNTTの建物に到着するらしいが、だからといってGoogleがNTTの買収を狙っているとかいないとか・・

でもやはり、使う人の腕と脳味噌が重要なのだろう。活用例は次のブログで(10時間後UP予定)・・

とりあえず、遊んでみたのだが、地球をぐるぐる回して、もっとも海が多い半分と、もっとも陸が多い半分を探してみた。ながめているうちに気がついたことはいくつかあるが、無難な話を一つだけ書くと、「大英帝国は日が沈まない」というのは本当らしい。海半球にある陸地は「ニュージーランド」だけのようなものだ。ニュージーランドを制するものは世界を制するか・・

そして、陸半球の真ん中にあるのは、カスピ海で、やはり日本は端っこだ。

「もったいない」本の正体は?1

2005-07-17 20:08:17 | 書評
8eb8adb6.jpg先日、東京ブックフェアでマガジンハウス社のブースで買った本、「もったいない」は、ノーベル平和賞受賞のワンガリ・マータイさんのプロフィールが裏表紙の折り返しにあり、さらに彼女の前書きがつけば、本人が書いたもののように思えるのだが、よく見ると、マータイ著とはどこにも書かれていない。日英両語併記だが、どうも日本語を英語に翻訳しているようだ。何か変だ。前書きと中身の著者が違う本は初めてだ。

50ページほどの絵本仕立てのこの本の本当の著者は不明で「プラネット・リンク編」となっているが、それが何者なのかはわからない。定価2割引の800円で買ったときに、販促品の山をプレゼントされたことも怪しい。まあ、ブックフェアは「わけあり本」が販売されるところだから・・

さらに、この本でワンガリ精神として紹介されるのは、「もったいない」は3つのR「reduce(削減)」、「re-use(再使用)」、「recycle(リサイクル)」を同時に表す言葉、と書いてあるが、国連演説では「repair(修理)」と合わせて4つのRと言っていたのだから、さらに怪しい・・

ということで、どこの誰がこの本を書いたのかわからないのだが、ここにでてくる日本人のモッタイナイ話を紹介と批評してみる。ただし、本文と写真は僅かな量なので、本を全部写してしまうと、著作権法違反になるはずだ(仮に正式な著者がいればだが)。そのため、ごくかいつまんで順に書く。
そして、長くなるので、2回シリーズにわける。

1.ごはんを最後の一粒まで食べる。
 これは、作った人々の大変な苦労がつまっているから、もったいないそうだ。

 作っている人達のグループが、謙虚な組織だったらもっといいのだが・・

2.魚を頭から尻尾まであますところなく食べて来た
 すべてを食べつくすのは、日本人の慈悲の宗教的精神によるそうだ。

 エビフライのシッポを残すのは、無宗教者なのだ。

3.風呂敷はポリ袋よりおしゃれ
 どんなものでもたった1枚で包み込める魔法の布だそうだ。
 
 時代劇ではかならず御用商人が紫色の風呂敷包みを持ち歩く。

.「おさがり」は最近忘れられようとしている
 「ケチ」ではなく、「リユース」の精神だそうだ。

 こどもの「おさがり」パソコンを使うパパ。

5.コンビ二で廃棄処分になるお弁当は1日520トン
 1日に17,000人が飢餓で死んでいるそうだ。

 で? セブンとローソンの差は廃棄弁当を店主が自分で食べるかどうかだが。

6.放置した自転車を回収するのに1万円以上かかる
 最後まで使い切らなければいけないそうだ。

 壊れるまで乗るのは危険。自転車の粗大ごみ回収を無料にした方が結局安くなる。

7.傘を修理して使う人がいなくなった 
 中国製の使い捨て品ばかりになり、傘の修理などの伝統の技が途絶えそうだ。

 傘張りは下級武士のなりわい。誰でもできるはず。中国のせいにしないこと。

8.きものは究極のリサイクル衣料
 仕立て直して、親から子、孫へと何世代にもわたって着続けるもの。

 「きもの」の引継ぎの前に「少子化対策」では・・

9.アロハシャツのルーツは日本
 80年前に日本人がハワイにもっていった「きもの」を気候にあわせたもの。

 アメリカ人への優越感? 意味不明。

続く、次回へ

変な報道には、結末を!!

2005-07-17 20:07:35 | 市民A
まず、今年最大のいい加減報道は、「ミンダナオ島残留日本人」だろう。
私も、いっぱい食わされて、ブログを一本とられた。宙に浮いてしまったブログだ。ジャーナリズム各社には落とし前つけてやりたいところだが、みんな、ひとごとのように無口だ。

そして、まったくマイナーもいいところだが、無責任な記事が登場した。何が無責任かといえば。興味本位で楽しむべき話なのに、原因や結果の分析があいまいで、読者を悩ませただけでフォローなしってこと。

記事は、「大田さん」と「太田さん」のこと。私も「おおた」を名乗る以上、とりあえず同名とも言えるので記事を鑑賞するが、ごく表面的なことしか書いてないので、疑問が1ダースほど涌いてくる。

事件を伝えたのは「共同通信」でYahoo!のニュース欄だ。

亡夫の預金払い戻し命じる 大田さんが「太田」で開設
 兵庫県の女性が、死亡した夫名義の預金を払い戻そうとした際、本名は「大田」なのに、夫が「太田」名義で口座を開設していたため、銀行が拒否したのは不当として、約1300万円の払い戻しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁の渡辺修明裁判官は15日、女性の訴えを認め、全額の払い戻しを命じた。
 判決などによると、夫婦の戸籍上の姓は大田だが、夫は何らかの理由で1940年ごろから、太田と名乗り始めた。
 夫はUFJ銀行に太田名義の口座も所有。遺言状も「妻の『太田某』に全財産を与える」とされていたため、銀行側は、女性が相続人と別人の可能性があるとして払い戻しを拒否していた。
 渡辺裁判官は判決で「公文書などの証拠によれば、『太田』名義の預金は亡夫『大田』のものと認められる」と述べた
。(共同通信) - 7月15日19時24分更新

なかなか素敵なニュースだが、さっぱりわからない。
仮に、2004年になくなったとすると、64年前から、通称を大田から太田にしていたことになる。疑問は、この男は銀行に、大田と太田の二通りの口座があったのだろうか?とすれば、単に、仮名口座ということなのだろうか?もちろん、世間では大田と太田の混同は日常的だろうから、大田から太田に変えた理由もよくわからない。

第一、本名と違うなら、死亡したときに、預金口座は封鎖されないはずだから、勝手に妻が引き出してしまえばいいようなものだが、妻には明確には伝えていなかったのだろうか。

あるいは、もう本人たちが「太田」になりきっていたから、遺言状の時も、まったく忘れていたのだろうか?

たとえば、「斎藤」と「斉藤」なんかはどうなのだろう。「左藤」と「佐藤」、「川上」と「河上」。とここまでくると、旧植民地国籍の方で、日本在住で通称を日本名にしている場合はどうなっているのだろう、とか急に重いテーマに変貌するのだが、要するに、本質的には、名前の問題ではなく「本人」か「ニセ者」かということなのだろう。

そして「大田」を「太田」と名乗るのは、いかにも「怪しい感じ」が漂うのだろう。さらに、「おおた」というのはドラマでは必ず、犯罪者の名前だからである。


それなら、善良な「大田」さんはどうすれば名前を変えられたのだろうか。実は、それには、すばらしい名案があったのだ。

それは「、(点)」を「大」という字の中に打ったから「太田」になっってしまったのであり、「大」の字の別の部分に「、」を打てばよかったのだ。

[どうぶつ健保]って、なに?

2005-07-16 20:10:49 | マーケティング
bc85c982.jpg保険には、生命保険と損害保険とがある。最近は、二つは限りなく近くなったのだが、それでもどちらも取り扱いには募取法という法令があり、契約するには有資格者があたらなければならない。実は、私も損保の普通資格を持っている。また、外資系の生保会社に入社しそうになったこともあり、それなりには詳しいのだが、最近、ペットを対象とした保険があるらしい。自宅にペットがいないこともあり、ノーケアだったのだが、何かの間違いでパンフレットが送られてきた。読んでみると、あくまでも擬似保険制度だ。共済会。

そして、パンフレットを読んでいると、「人間用の医療保険」と「自動車保険や地震保険といった損害保険」と「健康保険制度」とを、足して3で割ったような仕組みになっている。対象は、犬、猫、鳥、うさぎ、フェレット。問題は、鳥だが”だちょう”や”コンドル”や”ペンギン”は対象外。要するに鳥かごで飼うものだけのようだ。

そして、病気でもケガでも医療費の50%が払い戻される。この制度は健保風だ。さらに、掛金は細分化される。そして基本掛金の計算は、なぜか、全国を3つの地域にわけている。発病率の違いだろう。掛金が高い(つまり発病率が高い)のは北海道、東北北部、首都圏、京都、愛知など。逆に掛金が安いのは、ローカル県だ。地震保険風。そして、ペットの年齢によって、掛金は高くなるのは生命保険風。

そして、申し込み書を見ていると、申込者は飼い主となる。飼い主の欄には押印欄があるのだが、ペットの欄には名前を書く欄がある。もちろん押印欄はない。そのかわり全身写真と体毛3本提出のこととなっている。DNA登録するらしい。本人確認は人間以上だ。なんだか、いいのだろうか。例えば、東京で犬1頭分に必要な掛金は、月額約2,000円である。詳しくはアニコムのホームページで・・

ところで、ペットの頭数を調べているうちに奇妙な現実に気づいた。ペットフード協会の調査では、2004年の国内の、犬の頭数は1,250万。猫は1,170万だそうだ。この二つの動物の平均寿命はおよそ10年であると仮定すると、毎年生まれるこどもペット頭数は、犬、猫ともに年間110万から120万頭ということになるのだが、奇しくも、ほぼ同数の人間のこどもが産まれているのだ。逆に考えれば、何らかの理由でこどもが少子化に向かうことによりペットが増えているのではないかと因果関係を考えてしまう。ペットフード協会のデータは細かいので、何らかの意味を読もうとするならあたってみるといい。

しかし、本来は、このペットの増加には問題があるのだ。つまり、地球温暖化との関係だ。ペットには、三つの問題がある。

1.ペットそのものがCO2を発生させる
  つまり、酸素を吸って、炭酸ガス(CO2)を排出するわけだ。植物の逆の効果がある。また、排泄物も、たいがいは袋に詰めて、生ゴミと一緒にごみ焼却場行きになる。

2.ペットフードが必要になる
  そんなに、贅沢なものでなくても、ペットは食事をする。そして、その食事を用意するまでのエネルギーは人間用とほとんどかわらないはずだ。つまり人口増加と同じような結果になっているわけだ。

3.地球温暖化への例外措置
  上記1、2のようなことはわかり切った話なのに、ペット批判をすると「非文化人」といわれるのを嫌がり、見て見ぬ振りだ。結局、なんでも例外があるのだ、というようなことが国民の共同認識になってしまう。


そして、環境破壊にまったく無頓着な米国は、もっと豪快だ。
人口は日本の2.5倍程度なのだから、犬、猫ともに3,000万頭程度が「日本並み」ということになるのだが、犬は6,100万頭だ。そして猫は6,800万頭といわれる。つまり日本の2倍の密度ということだ。土地や家が広く、食べ物が安いということだろうか。あるいはペットが安いのか・・

結果として、毎年5,000人の郵便配達員が噛まれているそうだ。

そして、驚くのは、犬・猫以外のペットだ。日本では、第3位は鳥。第4位はよくわからないがフェレットかうさぎとかだと思うのだが、アメリカの3位は日本と同じ鳥(1,010万羽)なのだが、第4位は日本人にはとても想像がつかない動物である。

それは、「」なのだ。ペット馬、510万頭。やはり、アメリカの国力にはかなわないか・・

Google Earth 1

2005-07-16 20:09:30 | 地図
0602b42b.jpg最近、地図に凝っている。というか地図ソフトで遊んでいる。

まず、「Google Earth」。最近、愛読中のTea time diaryさんのエントリを参考にダウンロード。同じく愛読の「なころぐ」さんにも紹介されていた。要するにスパイ衛星みたいな画像だ。使い方がよくわからない(というか使う目的がわからない)のだが、とりあえず、自宅付近を捜す。

なぜか、別の地図と見比べながら、駅や、川や、高速道路から絞り込んでいく。本当は一軒を画像一面に引き伸ばせるのだが、防犯上の理由で、集団的に表示してみる。

次は3Dだが、地形は立体表示できるが、人工物(東京タワーも含め)は、斜めから写した単に写真になっている。エベレストを見つけた。まわりには、もっと鋭角的な山もある。しかし、この3Dマップは、目的が少しわからない。過去3年以内に撮影された画像ということで、現在同時進行の写真ではない。もちろん技術的には同時画像も可能かもしれない。庭に金塊を埋める脱税王を検挙するには、パソコンの前でGoogleを見ていればいいとかなるのだろうか・・

「Google Map」・「Google Local」というのもあるのだが、そちらは普通のパソコン地図だ。

江戸の水・東京の水

2005-07-15 20:14:01 | 市民A
7db9edfc.jpg「江戸っ子」と自称するには三代にわたって江戸に住まないといけないそうだ。私は、約2年間だけ住んだことがあるだけで、今は神奈川。親の代は千葉だし、祖父の代は西日本だ。だから、まったく江戸っ子無資格だ。

しかし、江戸と東京というのも微妙にずれていて、東京都民だからといって、江戸っ子資格に参入できるかというと、違う。三多摩はだめだ。実は西の境界は、「新宿」というのが一つのポイントである。江戸払いだとここから先に出て行かなければならない。

ところが、実際には中野あたりまでは江戸という認識があったようだ。綱吉の建てた広大な犬御殿は中野駅の場所なのだ。つまり、新宿から中野のあたりは「あいまいな場所」ということになっていた。純日本的だ。

そして東に行くと隅田川より東側に広がる下町地区(正式には東京低地というらしい)は、「川向こう」と呼ばれ、言葉の上では江戸外であっても実際には江戸内であったわけだ。そして、正式に「下町も東京(江戸)」と認識するようになったのは、なんと昭和のはじめに人工の「荒川放水路」を「荒川」と河川として認知した時だそうだ。

つまり、東京の東境界が隅田川から荒川になったわけだ。とすると、実際には荒川より東に江戸川があって、そこまでが東京都なのだが、江戸川区の住民はまだ東京人ではないのだろうか。もっともその先の千葉県浦安市には東京ディズニーランドがあったりするので、やはり純日本的だ。

というような、水に関するよもやま話を、教えていただいたのは、葛飾区の学芸員である谷口榮さんである。新橋にある学習センターで行われた「江戸の水・東京の水」という講義だ。

教室には約20名。年齢は30歳から80歳までと超幅広だ。そして、地元港区民が多そうだ。非江戸っ子は肩幅を狭くして座る。都内の学芸員の方はなにしろ詳しい。江戸は長い時間、有機的に発展してきた町なので、調べ始めると興味がつきないらしい。そして、資料や遺跡はあちこちから無数に出てくるので、研究に追われているようだ。

特に、意外な話だったのは、上水の話だ。以前、聞いた話では、「江戸は上水を引いたことでその100万人都市を維持していた」というのは「ウソ」だということだそうだ。

上水による飲料水確保という政策は江戸初期の話で、一時、六大上水という形で、玉川、神田、本所、三田、青山、千川と完成したそうだが、このうち玉川と神田を除く四上水は享保7年に吉宗が廃止してしまったそうだ。要するにコストが高いということだ。

そして、民間事業として井戸堀が奨励されるようになったそうだ。

つまり吉宗と小泉首相とは政策的に類似している。吉宗は、驚異的な読書家で、江戸城内の紅葉山文庫(図書館)に膨大な閲覧記録を残して、後代の将軍の不勉強さに恥をかかせている。もしかしたら、小泉回想録でも読んで勉強したのかもしれない。

講義でつかわれたコピーの中に、東京水道橋の文字通り水道橋の図があったので、ネット上で探すと見つかった。「江戸名所図絵」からだ。そして、まったく同じ場所で先日、撮影していた(東京は狭いのかな?)。そして、この水系は川ではなく、江戸城の外堀なのだ。

江戸の画図で現代に残るものはたくさんあるのだが、その中に登場する「水」は遊びに関するものが多いそうだ。「釣り」や「花火見物」や「酒や弁当を持ち込む舟遊び」など。まあ、世界の大都市の中でもっともふざけた町は東京だと思うので(もちろん二番目は大阪)、その精神は過去から現代につながっているのだろう。

講義は来週も行われるのだが、それは江戸でのリサイクルについての話。なんかクサイ話になりそうな予感もあるが、どうなのだろう・・

パスワードの話

2005-07-14 20:15:52 | マーケティング
2c06faa6.jpg初級であるがシステムアドミニストレーターという資格を持っている。いわゆる初級シスアド。どっちかというと、システムをどうやって使うかというユーザーサイドからのアドバイスをするという資格だ。

そのため、システムそのものよりも、その周辺の話題が気になる。

今度買ったパソコンがNEC社のダイレクト販売だったことで、自動的にユーザー登録が行われ、各種情報が送られてくるのだが、その中でおもしろい調査結果が発表されていた。IDとパスワードの件だ。パソコンを使って、あちこち情報を読んでいると、そのうち、会員登録をいくつもするようになる。そうすると、会員IDが決まり、自分で決めたパスワードを持ち、アクセスする時にはそれを使わなければならない。毎日、読まないメールが送られてきて、断ろうとしても、IDかパスワードかを忘れてしまい、不要メールがホルダーに山積みになったりする。

このIDとパスワードの管理方法についてN社がアンケートをとったところ、こういう結果となったそうだ。

●「ID・パスワード」をどのように管理していますか?(複数選択可)
 第1位 覚えている                      ★★★ 38%
 第2位 IDとパスワードを揃えて紙に書いている     ★★★ 36%
 第3位 IDとパスワードを揃えてパソコンに保管している ★★  22%
 第4位 IDは紙に書き、パスワードは覚えている     ★   10%
 第5位 IDはパソコンにデータとして保管しておき、パスワードは覚えている  9%
(その他)
・紙に書いて、所々を「*」にしてあります
・フラッシュメモリーに保管している
・専用管理ソフトを利用している
・指紋認識ユニットを使っている

ちょっと考えてみる。

覚える
驚くことにこれが一番多い(38%)。たった一つならいいが、数多くのものは大変だろうが、そういう方は、基本的に、いつも同じID、PWを使うのだろう。危険といえば危険だし、「人間は忘却系の動物だ。」特に日本人は、物忘れが早い、と隣国から怒られている。

IDとPWを揃えて紙に書く
これも多い(36%)。これは合理的だが、「物忘れ」に対する対策としてはかなり効果的だが、「盗難」に対する対策としては、最悪かもしれない。おそらく、金融機関等の重要情報以外については有効だろうが、金融機関用としてはかなりまずいような気もする。複数の口座を全部一枚の紙に書くと便利だが、漏洩したら大変なことになる。また紙を分散すると、今度は紙の隠し場所を忘れてしまったりする。貸し金庫という手もあるだろうが、一々貸し金庫にいくのも大変だ。

IDとパスワードを揃えてパソコンに保管
これも結構(22%)ある。やや危険度が高いような気がする。漏洩の危険と、パソコンがダウンした時にわからなくなる危険だ。こういうタイプの方は、バックアップDISKを用意したりしそうだが、今度はそのDISKの管理が大変だ。

IDは紙に書き、パスワードを覚える
確かに、IDは押し付けが多く覚えにくいが、パスワードは自分で決めるので、覚えられる。これは、一見、合理的だが、やはり、パスワードを頻繁に変えたりすると記憶に頼るのは無理かもしれない。

IDはパソコンにデータとして保管し、パスワードは記憶
これは派生系だ。おそらくIDはメールで送られてくることが多いはずだから、そのメールそのものをメールボックスに沈めておけばいい。あるいは、プリントしてファイルする方法もあるだろう。しかし、侵入者から見れば、金融機関からのIDがあるということになると、自動的にパスワードを知りたくなるのは犯罪心理学者でなくても自明だろう。

総合的に数字をみると、IDの方は2/3の人が、紙ないしデータとして記録し、1/3の人が記憶派のようだが、パスワードの方は記録派と記憶派が半々であることがわかる。そして記憶に頼るのが安全であればいいのだが、結局、生年月日のような安易な数字を使ったりすることになり、かえってハイリスクになっている。難しいものだ。

ところで、私はどうしているかというと、非金融機関のようにリスクのないものは、IDの書いてあるメールを印刷し、そこに適当に即興でつくったパスワードを書き込んでいる。注意すべき点は金融機関用とは違うパスワードということだ。

金融機関用はもっと厳重にやっている。結局、数枚の紙を使うのだが、上に紹介された「数字の中に*を使う」ではなく「**の中に数字」を使うような方法だ。そして、めったに使わないものは、貸し金庫。よくつかうものは、そのうち覚える。

ところが、中には、復元困難になったものもある。何枚か無料で借りている掲示版の中に、不要なのに解約できないものがある。パスワードがわからないのだ。そして、プロバイダーに問い合わせをすると、自動的に返事のメールが送られてくるのだが、そのメールが送られているはずの無料アドレス自体、忘れてしまったからなのである。


ところで、初級シスアドであることは、会社には厳秘にしている。どうせ勘違いされて、野暮用が押し付けられるに決まっているからである。シスアドの期待される仕事のベスト5は次のとおりだ。

1.フリーズしたパソコンのリセットボタンをさがしだす。
2.パソコンの後ろのスパゲティケーブルを、ほこりまみれになって解きほぐす。
3.忘年会の時の座り順の抽選ソフト作成。(新入社員が社長の隣になるように)
4.コピー機につまった紙を取り除いてワイシャツを汚すこと。

そして、最大の難問題は、シュレッダーだ。

5.シュレッダーに溜まった紙屑をゴミ袋に詰めなおした後、床を掃除。

そしてシュレーッダーの後ろ側に、「裁断し損ねて紛れ込んだ」1枚の人事考査一覧表をみつけてしまい、その中に自分の名前があるとわかっていても、決して見てはいけないのである。

ユニクロはどこにも行かない

2005-07-14 20:15:15 | マーケティング
7月3日に関東初のユニクロプラスを見学した直後に、弊ブログでとりあげた「ユニクロはどこに行くの?」で、現経営体制の問題・店舗展開の問題・M&Aによる多角化の問題・株主軽視の問題など書いた。その後、6月の既存店売上高が「クールビズ効果」で回復したことを受け、株価は5,700円から6,500円まで急騰する(明らかにここの株価は発表前に動くことが多い。まあ、一人で怒ってもしょうがないが)。

そして、突然、玉塚社長の降格と柳井会長の社長復帰が発表された。ある意味で7月3日に書いた「誰が経営者かわからない」といった内容に対する解決の一つだろう。実際、どちらか一人となれば、30%の株主である柳井家当主が社長となるしかないのだろう。そして、結果は不明だ。というか過去のファーストリテーリング(ユニクロの正式社名)を見ていれば、また「本業停滞」になりそうな予感もある。玉塚氏が社外に去らずに平取で残るのは、単になんらかのテクニカルな問題があるに過ぎないだろうと見ている。1年後にはいないだろう。

先日のブログでほとんどの問題は書いてしまったので、特に追加感想はないが、投資家がどう評価するかはなかなか微妙なものがある。なにしろ罫線上に窓が二つある。上の窓は9,000円から下山途中に雪崩にあった7,620円-7,750円のもの、そして下の窓はつい先日急騰した時の5,700-5,900あたり。つまり6,500円というのは、どっちの窓に向かうのか真ん中ということだ。

そして、人事発表後の13日の株価は冴えない。前日比200円安の6,300円あたりで終始する。どうも、あぶない。まあ、大事なおカネは安全第一なので、避難して原チャリメーカーの方へシフト。これは最長1ヶ月の予定。

新横浜駅が高層化?

2005-07-13 20:17:09 | マーケティング
神奈川新聞が提供しているブログである「カナロコ」を見ていたら、気になる記事があり、調べていくと、いろいろおもしろそうなおまけの話があった。

記事の抜粋は、

JR東海は8日、「JR東海新横浜駅ビル」新設と同駅改良工事の起工式を行った。総事業費約400億円で、地上19階地下4階の複合ビルを新築する。
横浜市もバスターミナルや乗り換えコンコースなど駅周辺を一体的に再整備する。いずれも2008年完成予定。 駅ビルは、オフィス部分7フロア、ホテル部分9フロア(客室数約二百室)、飲食店などが入る商業施設9フロアからなり、地下には約470台収容の駐車場も設ける。
また、共同事業者の横浜市は約90億円を投入し、駅ビル二階部分の改札外コンコースを「交通広場」として整備。


私の自宅から、そう遠くもない新横浜駅だが、あまり発展しているとはいえない。新幹線開業当初から無理やり作った駅だったこともあり、東京大手町から慌ててやってくる不倫カップル用の怪しいホテルが立ち並ぶだけの惨めな駅だった。しかし、バブル期にはNEC、富士通を中心にIT大手のサテライト企業が続々と移転してきて、オフィスビルが立ち並んだ。新幹線の交通費の方が、都心のビル家賃に比べれば安いものなので、東京駅から僅か20分のところにあるというメリットが活かされたのである。不倫カップルと発想は同じだ。

さらに、西武系がやってきて、高層のプリンスホテルとスケートリンクとボウリング場がオープン。さらに横浜アリーナが完成し、最後のとどめがワールドカップの決勝スタジアムだ。ところが、実際には、その後、IT企業はほとんど新横浜から撤退。要するに、東京駅から新幹線というスタイル以外は不便なのだ。駅が立派だと人が集まるというのは、本来、誤解だ。

では、誤解の遠因なのだが、「JR東海」というのが、問題なのだ。名古屋駅で成功したからだろう。高島屋が入居して大当たりになった(ように見える)。しかし、それは名古屋駅にはもともと人が集まるからで、新横浜では「?」ではないだろうか。絶対に失敗だろう。株は「売り」だ。横浜にも東京にも高層ビルは嫌というほどたくさんある。

では、なぜ新横浜に、名古屋の鉄道会社であるJR東海がビルを建てるのだろうか、というのが次の問題である。

実は、JR東海の営業テリトリーは、名古屋圏と静岡圏を中心とした在来線。そして東海道新幹線の全線なのである。そして新横浜は新幹線駅なのである。つまりJR東海の駅には、管轄エリア内の駅と、エリア外の新幹線の駅とがある。といっても管轄エリア外は8駅なのである。東京、品川、新横浜、小田原、熱海、米原、京都、新大阪。そして、この中で東京、品川、小田原、熱海はJR東日本と二人駅長、米原、京都、新大阪はJR西日本と二人駅長という状態なのだが、新横浜駅だけはJR東海の一人駅長になっているのだ。つまり神奈川県内なのに名古屋人のやり放題なのだ。

まるで、冷戦下の西ベルリンのような存在だ。

そして、「カナロコ」を読んでいると、もっともなコメントが読者から寄せられていた。それは「新横浜駅を廃止して、横浜駅に新幹線を迂回させよう」という意見だ。そして、それは確かに超名案である。そして実現はかろうじて可能だろう。さらに、そうなれば、なんでも「日本一」が大好きな横浜市民が喜びそうな記録ができる。つまり横浜駅は、「日本一駅長の多い駅」の単独トップになるはずだからだ。今は、5駅長である(JR東日本、相鉄、東急、京急、市営地下鉄)。JR東海の駅が併設されれば6人目の駅長になる。対抗は、新宿駅。(東京メトロ、JR東日本、京王、小田急、都営地下鉄)の5駅長だろう。

そして新横浜駅のかわりに、名古屋人には横浜ベイスターズを渡してあげることにしよう。


ところで、カナロコを運営している神奈川新聞社は関内駅近くにビルを建てている。古い体質の地方新聞社なのだが、すこし以前の日曜日に、やぼ用で将棋欄担当記者と一緒に休日のオフィスに入る機会があった。すると、ある階の入り口に近い場所で女性が3-4人でかたまって仕事をしていた。聞いてみると「カナロコ」担当らしいが、他の部署からは、まったく孤立しているように思えたのだ。なにしろ、休日の新聞社の中では、この4人のほかには誰も働いている人間はいないのだから。

東京国際ブックフェアに行く

2005-07-12 20:17:47 | マーケティング
689133d8.jpg第12回東京国際ブックフェアが7月9-10日に有明のビッグサイトで行われた。ちょっと捻挫などして苦しんでいながら、足をぐるぐる巻きに固定して、クルマで湾岸道路を走る。安全運転に徹し、制限速度をキープする(実は、法令順守には別のワケもある)。きのうも「こども将棋大会」の審判長で2時間立っていたり、だましながら治すしかない。

ところで、この有明地区は、江東区である。運河一本はさんだ隣の台場が港区なのに、ずいぶん不便なことを決めたものだ。港区を代表するのが六本木なら、江東区は錦糸町。まあ、これ以上は言わない。

そして、困ったことにビッグサイトの駐車場は満車。ちょっと待つ気にはなれないので、離れた場所の駐車場の1日1,200円でがまんする。入場料は本来1,200円のところ、招待状があり無料だが、リードはいきなりなくなった。

会場は当然ながら、非常に広い。そして、無数の店舗が出展していて、渡された地図は新聞紙の2倍の大きさ。意味なしだ。国内の出版社が店舗を並べ、いわくのある本を売っている。見ていると、中小出版社の本は元々高い上に、値引率も20%程度だが、大手出版社の本は安い上に値引率も大きい。推測するに、大手の方は、製造コスト自体が安いという事情と、在庫は早く処分したいという戦略なのだろう。中小出版社の方は、時間をかけて売っていこうということなのだろう。出版社間の給与格差の理由もわかってくる。小売マージンと東販、日販といった卸マージンを引けば、もっと値引きは可能なのだから、ブックフェアに対する考え方がそれぞれ違うということだろう。

大手は在庫処分。中小は販促の一環なのだろう。そして、その中小で良書を作り続ける国書刊行会発行の結構高額な「江戸妖怪辞典」を思わず買ってしまおうとしたのだが、丁寧すぎる装丁の箱入り本は、箱の中から本を取り出すことができずに、残念ながら買うのをやめてしまった。衝動買いの気持ちが冷めてしまったのだ。

そして1時間半だらだらと歩いた結果、ブログ用に「CD-ROM版 江戸東京重ね地図」とマガジンハウスの「もったいない(ワンガリ・マータイ)対訳英文付」を購入したのだが、このマガジンハウス社は3分で読み終わってしまうだろう文字が1センチ大の本を、2割引の800円で販売することに気がとがめたのか、おみやげをたくさん入れてくれた。ボールペン、意味不明な「BOAO」のビニールボール、クリアファイル、袋が3つ、ヒーリング用のカセット。それと、なんかよくわからない京都の立体地図。そして、パンフレット多数、小さなバッジ。まさに「もったいない精神」だ。販促品の大処分。

ところで、「BOAO」はそろそろ発刊1年になるころだ。1年ぐらい前のブログに書いた記憶があるが、新刊月刊誌は90%が1年以内の寿命らしいが、どうなのだろう。まあ、だめでも違う名前の雑誌に代わるだけだからどうでもいいのだが。

そして、東京ビッグサイトといえば忘れてはいけないのが、名物の「ビッグメロンパン・220円」。高速料金とガソリン代を合わせてきょうの出費は1枚といったところかな。

そして、ビッグサイトの一角では「デサント」の衣料品バーゲンが行われていたのだが、この糸へん商社系のバーゲンも自宅に招待状が来ていたことに気づく(絶対行かないだろうと思って、捨てた)のだが、二つの招待状を頭の中で結びつけて考えることができなかった。というのも、冷静に考えてみると、どっちも衝動買いバーゲンフェアなのだということに気がついたからだ。

たそがれの時代

2005-07-11 20:19:33 | 映画・演劇・Video
d1018404.jpg新しいパソコンで、DVDを観ようかと、ソフトの山を探してみると「たそがれ清兵衛」をみつけた。今頃観るのもおかしいが、なんとなく日本映画って映画館で見るのは気恥ずかしい。と思っていたら、まったく逆のことを考えている人もいるらしい。

真田広之と宮沢りえ、そして寅さんシリーズの山田洋二監督。時は幕末。病気の妻の医療費で貧乏になった上、こども二人を男手で育てなければならなくなった冴えない下級武士を演じるのが真田広之演じる「たそがれ清兵衛」。そしてその平凡な人生が、友人の妹(宮沢りえ)を剣で救うところから動き始める。彼の得意は二本差の長い方ではなく短い方であるというところがミソになる。

清兵衛は藩の剣豪が立てこもる屋敷に踏み込み、この剣豪を斬れという藩命を受ける。屋敷に突入する直前に、密かに心を寄せていた宮沢りえに髪を結ってもらうわけだが、このあたりの筋立ては映画の常道で、安心して見ていられる部分だ。そして、藩士のたてこもる屋敷の中で、彼は討つべき相手にうっかり身の上話をしてしまう。そして、過去に貧乏極まって、「米櫃の底が見える」まで困窮に至り、長いほうの刀を売り払い、竹光で代用している話を漏らしてしまうわけだ。そしてこの油断が、誘いの隙となり、室内での大格闘のすえ、小回りの効く短いほうの小刀で勝利にいたるわけだが、このあたりのくだりは、まさに現代のサラリーマン社会にでもあるような話だ。やはり寅さん的なのだろうか。

そして、この清兵衛の時代が幕末であることは、後半になって明らかになり、幕府側についた藩は、薩長軍に粉砕され、剣の達人である清兵衛も鉄砲の弾にあたり、亡くなる。そして先妻との間の娘が、真田・宮沢夫婦のことを大正の時代になって回顧するというようなことなのだ。

印象なのだが、世間の公式見解とは異なり、宮沢りえが主演のように思えてならない。彼女がでてくると、いつも相手が力不足になってしまう。どうも大女優になってしまい、同世代のお相手の男優が見当たらない。この映画でも、前半のみじめな貧乏侍の部分ではなんとか真田流でこなしているものの、途中で宮沢りえが登場して、心を入れ替えたサラリーマン(いや違う、刺客だった)を演じる部分では、対応しきれていない。慰謝料を払うため、神奈川県内の豪邸を売り払おうと、県内全域に中古住宅の折込チラシを撒き散らしていたころかも知れない。気もそぞろだったのだろうか。

「宮沢りえの共演者」というのが、今後の日本映画界のキーワードだ。

そして「米櫃の底が見える」というのは日本国の財政状況のキーワードだ。もちろん売るべき日本刀はないので、国債発行か増税か。まさに日本の行き先も「たそがれ」風だが、まあ、短い刀の方が有利な時もあるので、あきらめずに素振りくらいしておくべきか・・

ところで、足の捻挫をいいことに、DVDなど見ていると、次々に家人達がのぞいては、結末をしゃべりそうになる。まるで三島由紀夫作「豊饒の海・全四部作」の第一部「春の雪」を読んでいる人に、最後のところをしゃべってしまうようなものだろう。

NIKON SALONで一休み

2005-07-10 20:21:27 | PHOTO
19a82c58.jpg先日、新宿西口で損保ジャパン美術館に行った後、次の用件(パーティ)まで30分ほど時間があいてしまった。カフェでもと思い、地下道を歩くと、新宿駅にもっとも近いところにあるエルタワーの中で写真展が開催されていることに気付く。NIKON SALON。光学(高額ではない)カメラはNIKONを使っていた。最近は他社製品のデジカメ専門だが・・

ということで、28階へ上がると、そこはニコンプラザであり、ニコンの製品のショールームなのだ。他社ブランドのデジカメは、注意深く、もう一度ポケットの奥へ押し込まれることになったのだ。そして、展示スペースの奥にあるNIKON SALONでは二つの展覧会(無料)が行われていた。正確に言うと、「新宿NIKON SALON」と「NIKON bis21」と言う二つのスペースがあるということ。

当日は、佐藤洋子さんの作品(digital)と京浜ニコン会の作品展が開かれていたのだが、もちろん京浜ニコン会はアマチュア。そして高橋洋子さんはニコンのスクールに通っている間にプロになったようだ(違っていたらごめん!)。趣味の延長がプロとは、うらやましい限りだ。(本人がどう思っているかは別問題だが)

彼女の作品は、完全に光学カメラとディジタルの違いを意識している。撮影技術と加工技術という二つの技術を組み合わせて表現するのは、まだ”これからの世界の技”だ。アジアンモダンアートにつながる。

そして、羨望の気持ちをもったまま、また出口にむかう途中には、最新式のカメラがごまんと並んでいる。おもわず、盗難防止チェーンのついたカメラを手にしてしまう。デジタル一眼の入門機D50とか、かなり重いのだが、本格的だ。ただし、手にもった感じが金属的でなくプラスティック・ゴム的な感触であるのがちょっと好きになれないところだが、本当に好きになったらそれはそれで困ってしまうのだ。

何しろ、カメラ自体は普通機のD70で、レンズ二本付きで14万円なのだが、その金額を取り戻すためにニコン塾に通うと月間4回で1万2千円である。撮影会に参加するために、ニッコールクラブに入るにも会費が必要。さらに何を間違えたか東京綜合写真専門学校に入学しようとすると、受験料として1万5千円が必要なのだが、受験に合格した場合、授業料や入学金がいくらかかるかは、学校のホームページには書かれていない。要応談ということか・・

たかが・・・されどプロ野球! 小林至著

2005-07-09 20:25:03 | 書評
f1932906.jpg著者の小林至氏は、元千葉ロッテマリーンズ。というよりも東大卒3人目のプロ野球選手という方が有名だ。東大といえば、今のところ(残念ながら)、日本最高峰の学府といわれる(総理大臣を輩出しなくなってから久しい)が、野球では東京六大学という参入障壁のあるリーグに所属している。六大学の中では常に5位か6位なのだが、国立大学同士のオープン戦などでは、桁違いに強いそうだ。要するに、強いところにしばかれていると、それだけで強くなっていくということだ。

さて、プロ野球は2004年後半には、近鉄球団経営破綻にはじまり、1リーグ制、10チーム化への動き、新規参入者の当落。さらに次なる経営危機球団。などが次々と発生。結果として、ストライキ、楽天参入、ソフトバンクのダイエー球団買収、セパ交流戦が開始された。チーム数は12のまま。そして2リーグ制維持。しかし、新人選手への複数球団の裏金問題など根の深い問題も噴出した。

そしてそれらの根本問題は2005年に引き継がれたのだが、交流戦の効果はパリーグ球団への若干の貢献はあるにしろ、テレビ視聴率は巨人戦でも10%程度で低迷。さらに巨人の成績が落ちていけば、1桁台は確実だろう。また、西武球団の収支が改善されているわけもなく、まず来年は球団売却は堅いところだろう(もちろん買い手がいればだが)。

さらに運悪く2006年は夏にサッカーワールドカップだ。もちろん時差があり放送時間はずれるものの、「サッカーより野球の方を観たい」というのは相当の変わり者だろう。2006年は、まちがいなくプロ野球は破綻の危機に陥る。ある意味、Jリーグの人気チームの多い関東地区はすでに野球は死んでしまったのかもしれない。現在の若年層をとれば、学校の時に少なくても相当時間サッカーの経験はあるのだが、野球を経験する機会はほとんどなくなっている。経験のあるスポーツほど、見ていて楽しいはずだから、野球派は苦しい。


そして本著は、プロ野球の経営データを多用し、一見、常識的な意見を突き破るような提言の本だ。そして、巻末にナベツネ氏との対談もある。

小林氏がいうには、アメリカのMLB自体、収入プール制やサラリーキャップ制を導入したため、人気球団の収入で不人気球団が生き延びることになり、何もしない貧乏チームの方が収益が黒字になることになってしまい、問題点の山積みになったと書く。共産主義方式か。そして、公金(税金)を引き出すため、心にもないチャリティなど繰り広げている、と指摘している。金を出さない町からは出て行くと脅かすわけだ。事実、エキスポズはモントリオールから逃げ出し、ワシントンナショナルズとなった。

さらに著者はプロ野球労組をばっさりと斬る。つまり、本来2軍選手のような立場の弱い選手を保護する目的ならともかく、一流選手が自分の収入が最大になるように行動しているだけだったと糾弾する。そして、球団数減少に反対したのは、失業者が出るだけという理由だろうと推測。

むしろ、彼は野球界に自動的に新規参入が可能な1軍、2軍、3軍・・・というようなサッカーリーグのようなシステムにすべきと主張する。そうなると自動的に1リーグ制しかあり得ない。

また、選手の移籍を一定期間禁止(FAルール)している状態や、ドラフト制度自体も「憲法上の職業選択の自由に違反している」として撤廃すべきだとする。いつでも選手が逃げ出す可能性があるなら、高い契約金を払うことはないだろうということだ。さらに、もうからないチームはまず経営努力をすべきであり、できなければ退出すべきということだ。

そして彼とナベツネの会談を読むと、世間でいうナベツネ像とは少し違うように感じる。この本によれば、ナベツネは比較的単純な資本主義者であり、FA、ドラフトには反対。ライブドアの参入にも反対したといわれるが、ナベツネ曰く、「私自身は反対していない。周囲がそうやって動いたのだろう」ということらしいが真偽不明だ。

ナベツネは、堀内監督のことも徹底的にこき下ろす。監督が「補強は必要ない」と言ったことを信じたのがいけなかった。小久保もローズも私(ナベツネ)が連れてきたのだから、もっと補強しておけばよかったということらしい。それなら、堀内を交代させればいいのだろうけど、今年はもうあきらめたようだ。

ここからは、私見だが、やはり8球団くらいにしなければならないだろう。少なくても米国の30チーム平均よりレベルを上げることを考えるべきだろう。その8チームの下にまた8チーム。さらにその下にと、身の丈にあった経営をするようになれば、再生するのではないだろうか。それにアジアのチームとの交流戦も必要。しかし、そうはいっても、今年もまた、後半になると球場外での試合は大荒れになるのだろう。理想は遠い。

ところで、小林至氏の経歴だが、今は江戸川大学経営学部助教授となっている。MBA持ちだ。専門は何なのかよくわからないが、学生を相手に講義するよりも、今や少子化で苦しむ大学そのものの経営問題を担当したほうがいいかもしれない。

捻挫の後日譚

2005-07-09 20:22:30 | 市民A
75cb7054.jpgちょうど2日前の夜、都内を千鳥足で歩いていて、右足を穴に落としてしまった。ニューヨークではあちこちに1メートル級の穴があいているらしいが、逆にそれなら落ちないだろう。3センチほどの穴で右足をくじいてしまった。そして、高校の時から、捻挫癖のある場所はひとたまりもなく「ぐぎって」しまった。そして数時間後に激痛がくる。その時にあわてて書いたブログは、なさけないので翌朝、脹れ上がった醜い足の画像とともに、削除してしまったのだが、せっかく頂いたお見舞い?のコメントも削除してしまったと思っていたら、かすかに残っていた。エントリそのものが永久に消えたのに、コメントだけが残るのも奇妙だが、エントリの方は、酔っ払いが「痛い!痛い!」と書いただけなので読むべきユーモアもないので・・。

こぢろうさんからのコメント(0時4分)
あら、捻挫?、打撲?ですか。
どうかお大事に。失礼ですが爪のかたちが可愛いですね。


さなえさんからのコメント(6時50分)
「歩けなければ、奥さんのところには帰れないわね」と目の据わった怖い女をようやくのことで振り切ったが、足の小指あたりに痛打を受けていた。とか、・・・

いずれにせよ、お大事に。


たいへん親切なおコトバだ・・やはり、捻挫というのは、痛み損か・・
将来、「痛みそのもの」もメールで送れるようになったら、このお二人に送信できるように、「激痛」をホルダーにファイルしておく。ファイル名は、geki_tsu.itm。

で、最初に書いたのだが、高校の時に、柔道で相手を投げたあと自分の足の上に落としてしまったことに始まり、サッカー場で何度も足払いを食らったり、バスケットで前から足を踏まれた状態で後ろから体当たりされたりとそのつど、ダメージは積み重なり、ついに右足には奇妙な軟骨の突起がいくつもできてしまっている。骨格の作りが丈夫ではないのに、瞬間的な力が強いためか、自爆型骨折は何回かしている。

直すためには、一度バラバラにして、足にチタンやセラミックの部品を組み直さなければならないが、失敗確率が何十%かあるので、やめている。今から直してもワールドカップには間に合わないだろうから。(もし、ケガがなければ今頃は川渕三郎のような武闘派になった可能性も1%はあっただろう)

それで、その後も数年に一度は、こういう失敗をしているのだが、だいたい48時間は冷やすだけで、その後は傷みが消えるのを待ち、後は徐々にということ。歩く速さも、通常の1/3。

そして、思うのは、健康のありがたさ、ではない。ハンディキャップドパーソンの方々にとっての生活の不便さなのだ。まず、地下鉄の下り階段が危険だ。銀座線虎ノ門駅には渋谷行きホームにはエレベーターがないから急な階段を手すりに頼って下りなければならないが、通常よりずっと動きは遅いので、突き落とされそうになる。そして、シルバーシートの前に立っても、誰もこちらの状況がわからないので席を代わってくれる人はいない。そして、気が小さいので席があいても座りにくい。駅で臨時ハンディキャップカードでも発行してくれるとうれしいのだが・・・

さらに、こういう時に、運悪く事件に巻き込まれたりすると最悪だろう。ロンドンのニュースを見ながら考えている。

それにしても、よく足を見ると、見栄えが最悪になったものだ・・