「もったいない」本の正体は?1

2005-07-17 20:08:17 | 書評
8eb8adb6.jpg先日、東京ブックフェアでマガジンハウス社のブースで買った本、「もったいない」は、ノーベル平和賞受賞のワンガリ・マータイさんのプロフィールが裏表紙の折り返しにあり、さらに彼女の前書きがつけば、本人が書いたもののように思えるのだが、よく見ると、マータイ著とはどこにも書かれていない。日英両語併記だが、どうも日本語を英語に翻訳しているようだ。何か変だ。前書きと中身の著者が違う本は初めてだ。

50ページほどの絵本仕立てのこの本の本当の著者は不明で「プラネット・リンク編」となっているが、それが何者なのかはわからない。定価2割引の800円で買ったときに、販促品の山をプレゼントされたことも怪しい。まあ、ブックフェアは「わけあり本」が販売されるところだから・・

さらに、この本でワンガリ精神として紹介されるのは、「もったいない」は3つのR「reduce(削減)」、「re-use(再使用)」、「recycle(リサイクル)」を同時に表す言葉、と書いてあるが、国連演説では「repair(修理)」と合わせて4つのRと言っていたのだから、さらに怪しい・・

ということで、どこの誰がこの本を書いたのかわからないのだが、ここにでてくる日本人のモッタイナイ話を紹介と批評してみる。ただし、本文と写真は僅かな量なので、本を全部写してしまうと、著作権法違反になるはずだ(仮に正式な著者がいればだが)。そのため、ごくかいつまんで順に書く。
そして、長くなるので、2回シリーズにわける。

1.ごはんを最後の一粒まで食べる。
 これは、作った人々の大変な苦労がつまっているから、もったいないそうだ。

 作っている人達のグループが、謙虚な組織だったらもっといいのだが・・

2.魚を頭から尻尾まであますところなく食べて来た
 すべてを食べつくすのは、日本人の慈悲の宗教的精神によるそうだ。

 エビフライのシッポを残すのは、無宗教者なのだ。

3.風呂敷はポリ袋よりおしゃれ
 どんなものでもたった1枚で包み込める魔法の布だそうだ。
 
 時代劇ではかならず御用商人が紫色の風呂敷包みを持ち歩く。

.「おさがり」は最近忘れられようとしている
 「ケチ」ではなく、「リユース」の精神だそうだ。

 こどもの「おさがり」パソコンを使うパパ。

5.コンビ二で廃棄処分になるお弁当は1日520トン
 1日に17,000人が飢餓で死んでいるそうだ。

 で? セブンとローソンの差は廃棄弁当を店主が自分で食べるかどうかだが。

6.放置した自転車を回収するのに1万円以上かかる
 最後まで使い切らなければいけないそうだ。

 壊れるまで乗るのは危険。自転車の粗大ごみ回収を無料にした方が結局安くなる。

7.傘を修理して使う人がいなくなった 
 中国製の使い捨て品ばかりになり、傘の修理などの伝統の技が途絶えそうだ。

 傘張りは下級武士のなりわい。誰でもできるはず。中国のせいにしないこと。

8.きものは究極のリサイクル衣料
 仕立て直して、親から子、孫へと何世代にもわたって着続けるもの。

 「きもの」の引継ぎの前に「少子化対策」では・・

9.アロハシャツのルーツは日本
 80年前に日本人がハワイにもっていった「きもの」を気候にあわせたもの。

 アメリカ人への優越感? 意味不明。

続く、次回へ

変な報道には、結末を!!

2005-07-17 20:07:35 | 市民A
まず、今年最大のいい加減報道は、「ミンダナオ島残留日本人」だろう。
私も、いっぱい食わされて、ブログを一本とられた。宙に浮いてしまったブログだ。ジャーナリズム各社には落とし前つけてやりたいところだが、みんな、ひとごとのように無口だ。

そして、まったくマイナーもいいところだが、無責任な記事が登場した。何が無責任かといえば。興味本位で楽しむべき話なのに、原因や結果の分析があいまいで、読者を悩ませただけでフォローなしってこと。

記事は、「大田さん」と「太田さん」のこと。私も「おおた」を名乗る以上、とりあえず同名とも言えるので記事を鑑賞するが、ごく表面的なことしか書いてないので、疑問が1ダースほど涌いてくる。

事件を伝えたのは「共同通信」でYahoo!のニュース欄だ。

亡夫の預金払い戻し命じる 大田さんが「太田」で開設
 兵庫県の女性が、死亡した夫名義の預金を払い戻そうとした際、本名は「大田」なのに、夫が「太田」名義で口座を開設していたため、銀行が拒否したのは不当として、約1300万円の払い戻しを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁の渡辺修明裁判官は15日、女性の訴えを認め、全額の払い戻しを命じた。
 判決などによると、夫婦の戸籍上の姓は大田だが、夫は何らかの理由で1940年ごろから、太田と名乗り始めた。
 夫はUFJ銀行に太田名義の口座も所有。遺言状も「妻の『太田某』に全財産を与える」とされていたため、銀行側は、女性が相続人と別人の可能性があるとして払い戻しを拒否していた。
 渡辺裁判官は判決で「公文書などの証拠によれば、『太田』名義の預金は亡夫『大田』のものと認められる」と述べた
。(共同通信) - 7月15日19時24分更新

なかなか素敵なニュースだが、さっぱりわからない。
仮に、2004年になくなったとすると、64年前から、通称を大田から太田にしていたことになる。疑問は、この男は銀行に、大田と太田の二通りの口座があったのだろうか?とすれば、単に、仮名口座ということなのだろうか?もちろん、世間では大田と太田の混同は日常的だろうから、大田から太田に変えた理由もよくわからない。

第一、本名と違うなら、死亡したときに、預金口座は封鎖されないはずだから、勝手に妻が引き出してしまえばいいようなものだが、妻には明確には伝えていなかったのだろうか。

あるいは、もう本人たちが「太田」になりきっていたから、遺言状の時も、まったく忘れていたのだろうか?

たとえば、「斎藤」と「斉藤」なんかはどうなのだろう。「左藤」と「佐藤」、「川上」と「河上」。とここまでくると、旧植民地国籍の方で、日本在住で通称を日本名にしている場合はどうなっているのだろう、とか急に重いテーマに変貌するのだが、要するに、本質的には、名前の問題ではなく「本人」か「ニセ者」かということなのだろう。

そして「大田」を「太田」と名乗るのは、いかにも「怪しい感じ」が漂うのだろう。さらに、「おおた」というのはドラマでは必ず、犯罪者の名前だからである。


それなら、善良な「大田」さんはどうすれば名前を変えられたのだろうか。実は、それには、すばらしい名案があったのだ。

それは「、(点)」を「大」という字の中に打ったから「太田」になっってしまったのであり、「大」の字の別の部分に「、」を打てばよかったのだ。