kabu-batonが来た

2005-07-08 20:29:16 | MBAの意見
batonの第三弾は不二さんからのkabu-baton。

オリジナルは100の質問らしいが、それは見ないことにして10の質問バージョンの方で・・

1.思い出の株をその思い出と共に教えてください
 ”ハルビンビール”。欧米系二社がM&A合戦をはじめ、ボーッと見ているうちに99%取得した方が上場廃止してしまった。

2.今まで一番儲けた株、そして損した株は
 プラス:野村不動産オフィスファンド投資法人投資証券。(どうやったのかは覚えてないけど・・)
 マイナス:あまり損はしない。しいていえば、上海友誼、南京パンダ。ファーストリテーリング。

3.現在まで使用してきた証券会社は、そして現在使用している証券会社は
 N興、オリ、N藤、N村・・

4.指値と成行とどのくらいの比率で出してますか、だいたいでいいです
 3:7

5.好きな相場格言は
 格言ではないが、自作2題
  株踊り、したり顔した山師たち
  山崩れ、破れし山師 ホットコーヒーは口に苦し

6.テクニカルはどの程度重要視しますか、だいたいのパーセントでいいです
 必ず、確認する。100%。ファンダメンタルも必ず確認。

7.参考にしているサイト、掲示板、ブログは
 キッチン・カブー
 野村のバーチャル株式投資倶楽部

8.株以外で好きなことは
 無駄づかい
 
9.今注目している銘柄やセクターは
 原チャリメーカー(特に、ホンダ・ヤマハ)ガソリン高騰による。

10.これから年末にかけて株価はどう動くと考えますか。
 小型株相場

バトンの行方・・・3本指定らしいけど、株に強い、あるいは弱い人は誰だろう?
とりあえず、3本の他に、フリーバトン数本を用意しておくので、後はお好きにということで・・

特典としては、バトンを持って入ってくれた方の株価が1割上がるそうだ。そしてバトンがつながると、私の株価も2割上がることになるらしい。

二つの株主総会(下)

2005-07-07 20:30:25 | MBAの意見
d647efa6.jpg「集中日6月29日」に株主総会を開くだけで企業価値が疑われる中、ある小ぶりの海運会社の総会に行く。この会社、都心の一等地に相当面積の土地を保有している。さらに少し古くなった自社ビルの中には、ホールを保有している。ホールを持っているということは、「いつ総会を開いても対応可能」のはずなのに・・。

私がこの会社に注目していたのは、別に業績に期待していたからではない。土地の含み益に目をつけM&A(される)の噂が流れたからであり、事実、株主上位には、外国系投資会社も多数並んでいる。買収して、海運部門と不動産部門を分離し、土地の上に大きなビルを建てて儲けようということだ。海運部門は、大手海運会社に分離売却すればいい。

ところが、昨年秋から冬にかけて、この会社は、約10%の第三者増資を行い、その結果株価は1割下がり、なぜか一旦株価は回復し、その後また下落した。まあ、ちょうちん持ちの一人なので、損しても文句は言えないが、怖いもの見たさもあり、その自社ホールでの総会に行く。


すると、会場の前3列には、テープがはられ、座れない。そして、最前列となる4列目の中央の席には、いるではないか。ギョロ眼の白ネクタイ男が。とほほだ。そして、日本郵船とは異なり、ノータイ人間は会場には一人しかいないように見えた。若手ビジネスマン風の男たちが集まった席の後ろに座る。どうも投資会社の人間のようだ。そして、お互いに決算書を見ながら情報交換している。決算書のある部分について話をしているのが耳に入る。「これだけではわからない」というようなことをヒソヒソと話しているのだ。

そして、議事は、淡々と進み、質問者の発言タイムとなると、この総会の本質があらわれてきた。昨年末の増資についての質問で、増資が決定された経緯、第三者割り当てとなった理由、そして公募価格決定のプロセスについての質問が飛ぶ。そう、さきほどの一人だけのクールビズ男性からだ。

それについて、経理担当役員から、「妥当な決定」だった。と内容を明かさないで回答があると、会場中央にすわっている中年男がいきなり拍手をはじめ、パラパラと追従拍手。しかし、あまりにも内容のない答弁なので、社長から調査の指示が出て、もう少し細かな説明がある。しかし、質問者から「株価の動きが妙であり、利益供与ではないか」と指摘がある。そして、なんだかよくわからない内に、議決に入ってしまった。拍手の音と、投資会社から来た男たちが張り上げる「ハンタイ!」の声の中で、総会は終結してしまい、数分後にはホールには誰もいなくなったのである。

そして、総会後の記念品はもちろんなし。しいていえば「不快な気持ち」だけがおみやげということだろう。

二つの株主総会(上)

2005-07-06 20:31:31 | MBAの意見
a1e25b4a.jpg先週は株主総会の集中する週だった。特に6月29日は「集中日」であり、口うるさい投資家が一度に1個所しか出席できないことを利用し、投資家の意見を聞かない主義の企業にとって、もっとも長い一日を最も短く終わりにするため苦労する日になっている。

そういうことは、個人投資家の多くは知っていて、集中日に総会を開くか、集中日をはずすかというのも、企業判断の一つになっている。今年は、集中日前日に、三菱系巨大海運会社の「日本郵船(通称、郵船)」。集中日の29日には、郵船と同業だがずっと小さな「A」社の総会に出席。比較して考えてみる。

まず、28日は郵船。東京駅前三菱村の中でもっとも皇居に近い。和田倉門前のビルの最上階の大会議室。郵船は商船三井、川崎汽船と合わせ、三大海運会社である。現在、空前の海運市況になり貨物積載率は向上、新造船の大幅な投入、造船所への発注は5年先までいっぱいの状況。原因は、中国経済の膨張によって鉄鉱石、石炭、原油、天然ガスなどの資源輸送や製品の米中間航路が拡大、異常気象による穀物の移送などによる。一時の構造不況業種が、逆に構造好況業種に変わり、大手三社とも絶好調である。さらに、この三社に中韓台の大手海運、M&Aを繰り返し集約化された欧州系の海運会社により3グループ化が進み、グローバルに運賃が高止まりする構造になっている。不安要因は原油価格高騰による燃料費上昇要因だが、寡占化が進んだ現状では、価格転嫁がスムーズに行われそうであり、収益への不安は限定的だろう。


さて、大手町ということで、スーツにネクタイという定番で出席したのだが、ほとんどの株主は、ドレスコード無しだ。一般投資家ばかりで、会場となった大会議室の椅子がなくなり、補助椅子が投入されていく。見込み違いだ。エンドユーザーのことがわからない三菱系らしい。

これは、最近行ったドクターシーラボとかHISという人気企業の株主総会と同じノリだ。熱気がフロアに漂う。会長の草刈氏が議事を進めるが、業績報告は景気のいい話が並ぶ。そして、株主の質問時間は、次々と良質な質問が飛ぶ。客船部門については、かなり質疑の時間がとられる。要するに、現在北米に投入されている”クリスタルハーモニー”を引きあげ、日本市場に”飛鳥?”として投入し、飛鳥の方は廃船(転売)するという方針についての可否についてだ。こういうことが株主間の討論会風になるということは、見る眼の高い株主が多いということだろう。そして、燃料費高騰による収益への影響や中国ビジネスへのリスク・マネジメントへも質問があり、正しい回答があったのだが、国際問題になるといけないので、ここには書かない(株主利益優先)。三菱ふそうとの関係での質問があったが、「経営援助は行わない」と明言していた。

一言でいうと、経営者に力を注入する総会ということで、「いい株主が多い」ということなのだろう。

こういう主旨の発言が、ある女性からあった。「今は、絶好調で記念配当まで行っているが、少し前は無配を続けていたことを忘れないでほしい。配当継続と大手三社の中で株価がトップになるように決意を表明してほしい」。

社長の回答には、若干、ものたりないものがあったのだが、三菱的なのかな・・
「他の二社(商船三井、川崎汽船)との差は、非海運事業の収益性の差と考えていて、3年後には収益の柱にして逆にこの部分の利益で株価を逆転したい。」

資本の効率性の観点でいうと、必ずしも正しい質問でもないのだが(株価ではなく時価総額という考え方もある)、3年後の目標というのは、あまりに遠い。なにしろ、そんなに株価が違うわけではない。郵船は630円位。商船三井は680円位。川汽は650円位だからだ。私が見るところ、他の二社は相当過激なリストラ後で、ネガティブ部分が少ないが、郵船はまだまだ改善の余地はある。(しかし、徐々に合理化はやっている。効率化の余地があるのに、漫然としているJALとは大違いではある)

大手三社ともに、若手社員が足りずに大量の中途採用者を募集している。腕自慢はどんどんチャレンジしてもいいかもしれない(ただし、仕事は外資系でも給料は日本的なのはしょうがない)。

そして、総会後、大ホールで株主懇談会が行われたのだが、総会の椅子が足りなくなった時点で予感していた不安が的中した。”料理が足りない”。またも三菱的だ。結局、赤ワインをグラス1杯と、キウリと薄切りチーズとハムのはさまったサンドイッチの小片を6個口に運んだだけで、当日の昼食は終わり。予想数量より少なめにオーダーして余剰在庫を残さないというのは、「石橋たたき経営」といって三菱系企業の家訓なのだが、麒麟麦酒の失敗(とは認めてないだろうが)を思い出すべきだ。

このままだと株主プレゼントの数も不足するはずと先読みして、早々にプレゼントを手にして失礼する。設立120周年記念のドライカレーだった。フライドオニオン付き。

アジサイ狩りの話(下)

2005-07-05 20:34:22 | 市民A
32d8b42e.jpg近隣の寺院に、アジサイ鑑賞にいったのだが、なにしろアジサイのことなどほとんど何も知らない。しかし、最近、休日の日課としているウォーキングの途中にもたくさん咲いているのでデジカメでアジサイ狩りを思いつく。アジサイの色からしてよく知らない。白、ピンク、水色、紫というのがあると思うが、段々と色が変わっていくのだろうか。たとえば白→ピンク→水色→紫とか・・・そうは思えないが・・

ネットでみると、アジサイの花は、地質に含まれる成分により色が決まるという説もあるが、同じ場所に色々な色彩が咲き乱れていたりするので、今一つ、信じきれない。また、色々な形の花があるようだが、どうも「手まり型」と「角ぶち型」と2タイプがあるようだ。

そこで、カメラをベルトにはさみ、シャツで隠して歩き始めると、結構アジサイ事情が複雑なことがわかってきた。

横浜北部のニュータウンは、居住地内に色々と細かな緑地や公園を作っていて、遊歩道はかなり完備されている。そして、公園も大中小さまざまがある。また、周囲には、本物の農地や本物ではない農地も多い。しかし実際アジサイ狩りに歩くと、難しいのは、そういう正規の緑地にはあまりアジサイを見ることがないのである。例えば、個人の家から道路側に向かって乱雑に生えっぱなしになっているのも多い。また、誰の所有地かよくわからない斜面地とか、歩道に付属したごく狭い幅10センチくらいの半端な市有地とか、要するに、完全な山林とか整備された公園というようなはっきりした場所ではなく、開発地と自然林の中間のような人間社会から「つかず離れず」といったところにある。

要するに神奈川県に多いのは、この開発地と自然林の接点があちこちに多いからではないのだろうか。さらに言うと、県花が「アジサイ」ではなく、「やまゆり」であることの説明としては、都会生活派が農地・山林生活者に負けた結果なのかと思ってしまう。

しかし、このアジサイが都会のスキマに多く自生していることから、アジサイ狩りには問題が発生したのである。つまり、アジサイの写真を撮影しようとすると、どうしても他人の住宅を撮影しているような風になってしまうわけだ。住宅地の中を、見知らぬ男が歩き回って、スキを見てはカメラを取り出す、ではまさに犯罪行為の下見と研究である。そして最近は、昼間でも警官がウロウロしているのである。犯罪増加と検挙率低下に板ばさみとなった神奈川県警が、やたらと職質を強化して、警官と眼があって逃げ出すと、すぐに追いかけてくる。力まかせに犯罪を押さえ込もうというのだろうが、超危険な企みを持つ犯罪者は、ふらふら歩いていたりしないで、机の上で計画を練り上げているのだが。

一般的には、見知らぬ人を見たときには、「善い人」、「普通の人」、「悪い人」と3分割するだろう。比率で言えば、1:8:1位だろう。私は、おそらく第2分類だろう。ところが、警察官の見方は違う。二元論だ。「善人」か「悪人」か。5:5だ。そうなると、間違いなく「悪人」側だろう。

その結果、よりすばやいカメラ操作が必要になり、さらに怪しさは増加するばかりだ。米国の警官はホルダーに入ったままの拳銃を腰撃ちする練習をするのだが、ベルトにつけたカメラをはずさずに腰撮することもある。きっと、そのうち、追いかける警官を写した迫真画像もblogに登場してしまうかもしれないのだ。

手榴弾のように飛び交うバトン

2005-07-04 20:36:51 | 市民A
パソコンを新調したので、ここ何日間、少しずつデータの移行作業をしている。付属のソフトで、データ移行を試みたのだが予想通り失敗。もちろんクロスケーブルは使っている。特に、ホームページは数箇所のサーバーに転送していたため、これが大変。ホームページビルダーも今ひとつムラ気がある。

現在、約85%の感じで、とりあえずblogはなんとか、読み書き、画像の調整などできるようになったはずだ。livedoorの新しいデザインでも探してみようかと思い始めたが、3列仕立てだと、1行の文字数が減るため、さらに長くなりそうなのでさてさて・・

ところで、6月29日版でミュージックバトンの件に触れたが、あれは津波のようなもので、通り過ぎたら終わりということだろうか。一人が5人を指名して5人が5人に増えていけばネット社会が崩壊するか、同じ人に何度も回ってくるかだろうが、そういうことから。あまりノリではなかったが、紹介されたかたのことを考えるととか、考えた挙句、5人を列挙しただけで、トラバはしなかったのだが、いつのまにか、5人がバトンを持っていっていただけた。

5打数5安打。「どうもありがとうございます。」と頭を5回ペコペコペコペコペコと下げる図はlivedoorユーザーはみんな知っている”ただいま通じません。またよろしく”マークのようなものだ。

ところが、5人の方には、それぞれ記述していただいたのだが、「私のネガティブ感」が伝わったのか、全員がバトンを落としてしまうことにされたようだ。まあ、いいでしょう。子沢山だが孫がいないようなものか。

ところが、ここから話は2方向。

一つ目は、bookmarkで読むblogの整理をしていたら、木村剛氏のゴーログでもミュージックバトンの話があったのだが、コメント欄の一番上にバトンランナーのbunさんが、私のblogを引き合いに出している。どうもミュージックバトンの話そのものがバトンリレーになっている。つまり、伝言ゲームと違って、ネット上では、質問の内容は変質しない。変質しないというのは発展もしない。だから、付帯的な部分でいろいろバトンブログを書きたくなるのかもしれない。まあ、このエントリそのものもその一つかな。

二つ目は、「変わりバトン」の動きだ。あまり書くと、深みにはまりそうなのだが、book batonというのがあった。reading batonというのもある。さらにfootball batonもあった。そして、ついに極め付けがあらわれた。death batonだ。これぞ、真性、不幸のメールだ。

ユニクロはどこにいくの?

2005-07-03 20:38:49 | MBAの意見
ac164f65.jpgユニクロの社名は、「ファーストリテーリング」。昨年来、9,000円台だった株価は直線的に下降を続け、6,000円を割り、5700円になっている。無借金経営のこの会社に何が起きているのか?既存店舗の売上げは低下を続け、店舗拡大で増収になっているが、新店舗の売上げの多くは既存店舗の売上げ減を伴い、店舗コスト増は減益という結果をもたらす。ソニーだって、株価は下げ止まったのだがユニクロはどうなるのか?

ユニクロの経営方針はわかりにくい。まず経営者がどちらなのか?オーナーである柳井正CEOなのか?玉塚元一COOなのか?ずっと以前の1997年の頃は柳井氏中心だったように思うが、その後、ブレーキとなり、業績を持ち直した昨年初めまでは玉塚COOが中心で多品種戦略だったと思うが,昨年9月の「世界品質宣言」は柳井氏主導のような気がする。そしてそのあと、沈没をはじめたのではないか。いったい世界品質は何だったのだろうか。

そして、ユニクロ再起の期待の大型店舗、「ユニクロプラス」が東京でオープンした。「イトーヨーカ堂武蔵境店」が正式な店名。7月1日オープン初日の夜、覗きに行く。(本来はオープン前日には株主招待でもしてほしいところだ。割引券なんかいらないけど)実は、だいぶだいぶ前にこの町に住んでいたから、「なんで、こんなところに大型店つくるのだろう」とほんとに思ってしまう。にぎやかな町ではない。中央線の三鷹の一つ先。店舗は駅の南口にあるが、線路の立体交差道路がなく、閉まりやすい踏切が商圏範囲を限定している。そして、店舗名に「イトーヨーカ堂」の名が入るところが苦しい。外観をみてもここにユニクロがあるとはわかりにくい。

ユニクロプラスは昨年10月に心斎橋に1号店。今年4月にくずはモールに2号店。そしてこの武蔵境に3号店。この後、つくば、春日井、天神、そして秋に銀座店が開店予定。資料を読んだりHPで見る限り、500坪以上の売場面積で商品数を増やすということだが、500坪以上が「世界の常識」といわれても、「だからどうなのか?」という気持ちにもなる。大きくて失敗したのは「カルフール・ジャパン」ではないか。

店舗は3階なので、エスカレーターで二つ上がると1フロア全部がユニクロプラスなのだが、それほど広いというわけでもない。既存郊外店でも同じくらいの広さのところはありそうだ。ゆったりと商品を配置していて、KIDSとWIMENSが充実。MENSは付けたし。そしてユニクロプラスのオリジナル商品はまだ多くはないし、高級品と言うことでもない。だからよくわからない。そして、見ているとWIMENSのユニクロプラス商品とMENSのユニクロプラスではデザイナーが違うように思える。この辺が方向性が見えない原因なのだろうか。WIMENSのデザインは結構渋い。ロンドン系ではないかな。一方、MENSのポロなどは、「昔のユニクロ」を思い出す原色系だ。中国・米国向けだ。

そして他の商品はサイズやカラーを手を抜かずこまめに全種類を用意するはずだが、そういうようには感じない。やはり欠品は多そうだ。正確に言うと欠品補充や商品のたたみ直しとかするための店舗スタッフ数が不足している。そして、どこのユニクロでも悩みの種のレジ前の行列。

ユニクロプラスを出店すれば、確かに売上げは増えるだろうが、やはり売場面積あたりの収益性は落ちるはずだ。そして普通のユニクロの商品も扱っているのだから、近隣のユニクロの売上げは激減するだろう。そして、独立店でない武蔵境店は、どうもイトーヨーカ堂の衣料品売場のような感じになっている。

ただ、ユニクロプラスとは関係ないが、今年はTシャツが豊富であることは救いだ。玉塚主義の遺産か。


ここで、経営的な話を書けば、もう柳井氏は降りた方がいいだろう。観念論が強すぎる。あるいは、強烈な書き方をすれば玉塚氏はユニクロから独立して新たな店舗展開をしたほうがいいだろう。柳井氏の会社で勤めるには、もう義理はないだろう。会社をやめることで激落が予想されるユニクロ株の評価損は、個人的には直ぐに回収できるだろう。

そして、株主総会のこと。いつも山口県の工場で総会を開いているのだが、都会に出てきて株主の声を聞いて欲しいと思う。東京まで来たくないなら福岡でもいい。とにかく、株主をコケにしすぎている。

最後に付け加えれば、余った資金で、あれこれ海外のブランドを買い占めているが、ほとんど当たらないから、やめた方がいいということだ。丸ビルのセオリーはテナント料倒れは間違いないだろう。5月、6月とフランスやイタリアのブランドの買収を発表。ブランドをカネで買ってもうまくいかない。柳井CEOは西武の堤清二氏と同様に、上場していることを悔やんでいるだろうが、もはや後にはひけないのだ。時価総額は約6,000億円。柳井家は40%近くを持っているが、その資産価値は株価が高いからであってこそのものなのだ。

クボタとアスベスト&メモリー

2005-07-02 20:39:59 | 市民A
クボタの製品に「カラーベスト」という屋根建材(瓦)がある。製品発売後40年が経つ。最近では無石綿製品に切替となっているが、長期にわたり、石材の繊維である石綿(アスベスト)を原料として使っていた。今回社員78人が死亡されたとされる尼崎の神崎工場では、水道管の部材が作られていたとされるが、建材も作られていたとの報道もでてきた。

そして、現在ではカラーベストというクボタが商標を持つ建材は屋根材にしか使われていないが、以前は住宅の外壁材にもつかわれていた。ようするに火事になりにくい不燃材としてだ。なぜ、そんなことを知っているかというと、以前住んでいた実家の外壁材が、カラーベストだからだ。まさか、カラーベスト材の家に住んでいても発ガン率が高いということにはならないだろうとは思うのだが、心配は、その加工を行っていた工務店の従業員の方だろう。石綿入りの建材は、非常に堅いので、特殊な刃のついた電気ノコギリで切っていたのだが、猛烈に建材の粉を巻き上げていた。その時代にクボタ建材を多く扱った工務店の方は、精密検診を行った方がいい。発症まで30から40年がかかるのだから・・

ここからは。個人的な問題なのだが、家の外壁がカラーベストだったことは、思いもかけない方向に進んだのだ。後に就職のために会社訪問をしている途中で、ふと寄ってしまった久保田鉄工東京事務所で人事担当者とカラーベストの話で盛り上がってしまい、すぐに就職内定してしまったのだ。もちろん本命企業も、次点希望企業も別の会社なのだが、とりあえず自分から内定辞退する人はあまりいない。

そして、あわただしく、大阪の久保田鉄工(当時の社名)本社に呼ばれ、新幹線で向う。もちろん、新幹線の中からの電話で、他の企業の人事課長に、「きょうは行けない」ということを言葉巧みに交渉する。(当時は、何しろ初対面でのイメージは良かった。「切れのある若者」イメージがすなおに評価される時代だった。残念ながら、今は「切れのいいオジサン」は受けが悪い。日本社会が変に老成してしまい、ネタミ、ヨコドリ、オネダリといった感情が混じり合う。)

そして、大阪といっても「なんば」だった。大阪球場の裏。清潔感と対極的な町だ。そして、近隣の平屋建てバラック風の食堂には、畳くらい大きな白地看板に二文字「め・し」と黒ペンキで書かれている。さらに、威厳のある黒っぽく頑丈なビルの上階の役員会議室にずらっと並んだ役員との面接もかっこよく終わるのだが、直前に調べた情報によると、大部分の役員は京大、阪大出身者。まあそんなものだ。翌日のお昼頃には、体よくお断りの電話を入れておいた。万が一、入社していて神崎工場に配置されていたら、今ごろ具合が悪かったかもしれない。徒然なるままにブログなど書いていられるのも、「めし」看板のおかげだったのだろうか。

「個人所得課税に関する論点整理」について

2005-07-01 20:40:46 | MBAの意見
税制調査会が発表した「個人所得課税に関する論点整理」レポート(PDF版)が不評だ。さんざん叩かれている。サラリーマンの増税案と受け取られていて、石会長自身、「これからはサラリーマンが負担するしかないじゃないですか」と言っているのだが、これがまた混乱に拍車をかけている。
石会長の個人的意見と税制調査会の意見は少し違うだろうし、レポート自体は、増税が派手に主張されているわけではない。(しかし、いわずもがなということなのだろう)

実は、大学の時、財政学のゼミを受講していた。まず、財政学は大きく二つに分類される。一つは、ケインズを代表とする、どこに歳出を使うと、どういう効果があるかというような筋。簡単に言うと、「使い途」論議である。これはかなり難しく、多くの複雑な算式が必要となる。そして、もう一つの分野が税金の取り方である。これは、かなりやさしい。電卓があれば十分だ。絶対的に正しい真実として、「取りやすいところから取れ!」とか「取られたことに気付かれない税金が最高」というのがある。そして税金の不公正感は二の次となる。さらに徴税コストが少ない方がいい。そして、歳入学者は歳出学者とは無関係に税収入が最大化するようなことを提言する。

また、最近では、財政学の中に、国債学も必要かもしれないが、歳出-税収=国債という一行で表現されるのでどちらかというと、どうやって国債を売るか、というマーケティング分野のような気がする。

そしてゼミでは、消費税の研究をしていた(と書くと格好がいいが、英語で書かれた研究論文を日本語に適当に意訳して教授に提出したら、教授がそのまま利用していた。)。消費税の特徴として、すぐれている点は、「取られている人が気にしなくなる点」である。日本も内税方式になった。一方、劣っている点としては、「所得に対して逆進性があること」。だから、累進性の高い所得税と組合わせるべき税制なのである。もちろん税総額の問題は別だ。

そして、今度発表された「個人所得課税に関する論点整理」を2回読んだ(PDFで20ページだが字が大きいのであまり長くない)のだが、要するに、「増税論ではない」が、「増税するならここから取れ!」という論文なのである。そして、先に結論があって、結論に合わせて、断定的に論理付けされるので、違和感を感じる。そして、歳出について触れるのは、最後のページに書いてある、ほとんど一行だけである。
”国民に負担増を求めることとなる場合は、国・地方を通じた徹底した行財政改革が必要である。”あたりまえだ。

構造的に大きな変化の提言としては、

退職金所得に関する課税強化。
事業所得者に対して認めている、みなし経費の廃止と記帳義務。
譲渡所得への課税強化。
年金収入への課税強化。
配偶者と合算し、平均して課税する方式。
などである。

さらに、所得税が諸外国に対して低いこと
地方税の均等割部分の引き上げなどだ。

理論的には、かなり常道をついている。裏に消費税の増税があれば、ますます税負担は低所得者に不利(逆進的)になる。高所得者も低所得者も消費性向には差が少なく、所得に対する消費税の比率は、低所得者の方が重くなるからだ。そのため、高所得者から追加で徴収するような税制が必要なのだが、高額所得サラリーマンからは、既にかなり絞っているので、残るは「中の上」クラスのサラリーマンから取り上げることである。さらに、現在の税率が、10%、20%、30%であるものを、細かな運用として5%刻みにするべきとも読める箇所があるが、まあ増税用に使うのだろう。


そして、この報告書にはまったく触れられていないのだが、最大の問題は、税金をとればとるだけ経済は冷え込むということだ。橋本内閣で大失敗している。

実は、法人税という分野がある。私は、法人税率をアップしようという野暮な政策を支持する気はない。法人税をたくさん払うような企業を育成すべきだと考えているのである。例えばトヨタは連結ベースで、6,500億円の税金を払っていることがわかる(もちろん全部が日本国内というわけではなく、詳細はわからないが)。日本全体の税収は44兆円に満たないのだから、トヨタは相当貢献しているわけだ。もちろん高級車を売れば、消費税も増えるし、社員に賞与や給与や株券で還元すれば所得税も自動的に増える。同じ、クルマ1台を三菱自動車が作っても、赤字企業は税金を払わないことを考えてほしい。

つまり、税収を増やす方法の中で、税率アップといった単位あたり増税策というのは「愚の極み」ということだ。しかし、産業振興とか増税によるダメージとかはこの報告書には一行も書かれていない。

役人の数については、省庁統合で一人もリストラが行われず、さらに何かといえば、新規の規制をつくり職場確保に走っているのが中央官庁だと感じているのだが、こういう考え方もある。

つまり、国民の数が一定とすると、役人という生産性のない行政サービスの人員が生産性のある民間企業に移動すると、生産性が増加しGDPが増え、法人税収が増えるはずだ(歳入増)。一方、役人の給料が減少する(歳出削減)という二重効果がおこるはずだ。ただし、役人が役所を辞めてすぐに、仕事につこうとすると、天下り風になるので、それはダメだ。それに3セクもダメ。あくまでも普通の企業でなければならない。


ところで、税制調査会の会長である石弘光氏の履歴や学歴をみていて、奇妙なことに気づいた。
学歴:昭和12年生まれ、昭和36年一橋大学経済学部卒業、昭和38年修士、昭和52年博士
履歴:昭和40年一橋大学助手、昭和42年同講師、昭和45年同助教授、昭和52年同教授、平成10年同学長
 ケチをつける気は、あまりないのだが、昭和52年に教授になったと同時期に博士を取得している。修士と博士の時期が14年も離れている。きちんと博士号の審査は行われたのだろうか。というのも、徴税学そのものが「博士号」というほどの高尚なものなのかという大きな疑問があるからなのだ・・