千葉県の爪あと

2005-07-27 19:44:52 | 市民A
c0d646a5.jpg(画像をクリックすると拡大します)

先日の地震の震源地の周辺を「Google Earth」で鳥瞰しているうちに、奇妙なものを見つけた。地表に鳥の爪あと状の引っかき傷が大量に発生している場所があった。南房総である。

実は、地球上の「奇妙な自然物体」の中には、宇宙飛行士が空から発見したものもある。近くではわからなくても、大きな視野で物をみると発見できる。Google Earthは、誰しも宇宙飛行士の気持ちになって、地球を考えることができるツールだ。スペースシャトルの打ち上げは7月26日に延期にされているが、運良く打上げに成功した場合、日本人飛行士の野口さんは、仲間の飛行士から、南房総の奇妙な爪あとについて、「正しい説明」を理解してもらえるだろうか?

要するに、経済学的合理性の結果、千葉県南部に30ものゴルフ場が乱立したことを理解してもらえるかどうかだ。

別に、個人的には、たくさんゴルフ場ができても、一向にかまわないのだが、問題は健康被害のことだ。実は、芝を良好にキープし、雑草を排除するには、「農薬」が有効だ。もちろん農薬の使い過ぎは、毎日勤務する従業員には有害だし、もちろんゴルファーにも有害だ。現在は、かなり最小限度に使用量を抑えているはずだ。

ただし、それは個別の1箇所ずつの話である。かなり薄く希釈すれば、一ゴルフ場あたりの被害は限定的だろう。ところが、南房総には無数のゴルフ場がある。そして、その全箇所で使う量はかなりのものになる。さらに、千葉県には、高い山がない。最高で408メートルの愛宕山、次が377メートルの清澄山といったぐあいだ。低い大地に昼間は太平洋からの海風が吹く。東から西だ。そして夜になると風向きは逆転する。つまり、ゴルフ場群の東西には、各ゴルフ場から風に乗り集約された農薬が降り注いでいることになる。もちろん健康被害が発生すると思われる。

では、農薬にはどういう種類があるかというと大別すると、
1.除草剤
2.殺虫剤
3.殺菌剤
4.植物成長調整剤
なのだが、除草といっても草の種類によって異なり、虫の種類で薬も異なる。下手なゴルファーが剥がしてしまった芝生を修理するため成長調整剤も必要だろう。それらの薬はすべて人間に害があるのだが、ゴルフ場ごとに使用濃度の制約を守っているはずだ。しかし、この南房総のようなゴルフ場集中地帯では、地域合計の農薬総量規制のようなルールが必要ではないだろうか。まとめて風で飛んでいくはずだ。

よく、シックハウス症候群ではないかとの患者さんを調べていると、室内には原因物質が見つからない場合もあるそうだが、案外ゴルフ場が近隣にあるケースもあるそうだ。

そして、この地区の多くのゴルフ場は経営が困難になっていて、会員権が紙くずになっている。どうみても、合併したほうがいいと思えるほど空いているのだが、全部のコースが隣と合併すると、ゴルフ場も半分は閉鎖になり、農薬使用量も1/2になる。そうなると、農薬製造メーカーは困ってしまうので、生物兵器でも研究するしかないかもしれない。

さらに、南房総は温暖化もいいとこなので、フェアウェイの跡地には数年で亜熱帯性の樹木が生い茂ることになるだろう。ただし、ワニとアナコンダとサソリだけは、あと10年は待ってほしい。