地下ホールは音量無制限だが、

2005-03-19 21:51:59 | 映画・演劇・Video
86ec7da0.jpg友人に誘われ、酒場の喧騒に沈む前に港区芝公園にある「みなと図書館」に行った。映画会があるというのだが、ただの映画ではなく、歌劇をDVD化したものを上映するということ。今ひとつ、理解できないところもあるのだが、所詮は無料なのだから、と音楽好きにつきあう。会場に10分ほど前についたが、不安になるのは、会場内には、まだ誰もいない。地下一階のホール入口のポスターを確認すると、確かにまちがいない。出し物は「ボロディン」作、歌劇「イーゴリ公」映画版。1969年作とのこと。旧ソ連時代だ。だいじょうぶかな?。要するに、原作は歌劇だが、それをソ連の会社が映画化し、最近DVD化されたということだ。しぶい。

そして、椅子の数を数えるとちょうど100席だ。缶コーヒーを飲んでからホールに戻ると、ホールのちょうど真中の席には、既に一人座っている。特等席をとられてしまった。そして、スクリーンに近いところにも一人座っている。よくみると、靴を脱いで、持参のスリッパを履いている。常連なのだろう。そして、遅れて入ってきた一人を合わせて、結局この日は100席に対して、5人だけだった。

そして、まさに地下ホールのメリットを生かして、大音量でロシア語の歌劇を聴くことになったのだ。自宅に地下室を作ってオーディオルームを設置したような贅沢さだ。もちろん満員だったらそんな気にはならないだろう。

ちょっと「歌劇イーゴリ公」のことも触れておくと、モンゴル民族の襲来の前に、一度は息子と一緒に捕虜になるのだが、逃走してルーシ(ロシア)のために戦い、モンゴル軍を追い払うといった話だ。息子は脱走の途中で再度、捕まってしまうのだが、映画の中ではその後の話はなく、やや未完の感じがあるのだが、実際、この歌劇を書いている間に、作曲家(で化学者だった)ボロディンは心臓麻痺で54歳で亡くなってしまい、友人が手を入れて完成させたわけだから、未完の感じが残っても当然なのだ。

そして、映画化された1969年といえばブレジネフ政権下なのだが、結構、東洋人蔑視で、ロシア人中心的な思考が見えてしまう。一方、歴史上は無謀な戦いで破れて一旦は捕虜になったイーゴリ公のことをプラス評価する人は少ないようだ(まあ、歴史解釈にはさまざまが論があるだろうが)。

しかし、なぜ、こんな不人気な出し物が企画されたのかは、さっぱりわからない。誰かの100周年とかと思ったがそんなこともなさそうだ。さらにわからないのは、上映について、誰かに著作権的なものを支払うのだろうか。私にはどうでもいいことなのだが、ちょっとだけ気になる。

窒息詰めか?

2005-03-18 13:48:16 | ボビー・フィッシャー救出
3dcba32c.jpg今月の初めにIT競争力の国別ランキングが発表になった(世界経済フォーラム)。日本は昨年の12位から8位に上昇した。と喜んでいる人が多いが、円高・ユーロ高の影響が大きいのだろうからそんなに喜んではいけない。米国は1位から5位、スイスは7位から9位、カナダは6位から10位と後退したのだが、為替の変動が最大の理由のように見える。(一方、順位が下のほうの国もそれなりに気になるようで、ブラジルでは39位から46位に下がったのを、この世の終わりのように悲しむ一方、チリ(35位)には負けたがメキシコ(60位)やアルゼンチン(76位)には勝ったとか報じているらしい。大差ないだろう、って言いたいところだ。)

ところがこのランキングの1位はシンガポール。先日のPISA(OECD生徒の学習到達度調査)の世界学力コンクールには登場していないのだが、わざと参加しないのだろうと睨んでいる。そして、PISAが世界一と評価したフィンランドはIT競争力でも3位だ。そして、2位はどこかと言うと、「アイスランド」という小国だ。前年度10位から躍進。「みなさん、アイスランドの場所わかりますか?」というのはアイルランドと混同している人が多い。イギリスのとなりにアイスランドがあると思っている人が多い。それではアイルランドは?と聞くと、その二つの島の間に、もう一つ書き加えたりする。実際は、かなりヨーロッパ大陸から離れた孤島だ。火山の国で、温泉好き専用だ。水力発電での自給率100%というエコ国家だ。さらにふんだんに余る電力を使い、電気分解で水素を製造し、燃料電池車時代の水素供給者として資源大国化することを狙っている。それと、「ししゃも」が大量に獲れる。

ということで、最近自信満々状態で、あらたな一手を指した。茨城県の入管収容所に8ヶ月も拘留されている元チェスの世界チャンピオン、ボビー・フィッシャーのアイスランドへの入国及び外国人用のパスポート発給を決めたのである。そして、アイスランドパスポートを持った政府の係官3名が来日。プレス発表してパスポートを在日大使館において帰っていった。

本ブログで、過去に何度か取り上げているのだが、昨年7月、彼は入管法違反容疑で成田空港で拘束された。日本滞在中に、彼の持っていたパスポートが米国政府により失効されたため、パスポートを持っていない米国人ということになったわけだ。もともと、1992年に当時米国が入国禁止にしていたユーゴでチェスのトーナメントに出場し賞金を得ていたため大統領令違反に問われていたのである。しかし、その後、クリントン時代には、まあ大目に見ておこうということだったと推定できるのだが、パスポートの期間延長もおとがめなしに行っている(もしかしたら、うっかり延長したのかもしれないが)。そして、彼は、海外メディアで米国批判をはじめたのだが、その事情は複雑でよく理解できないが、ユダヤ系米国人として、「米国がユダヤ系企業を優遇しすぎている」というような批判であるらしい。そして、9・11の後、テロを「ワンダフル」といったために大統領に狙われることになったらしい。

拘束された時期が、ジェンキンス氏が日本に到着した時期と極めて近いため、「人間バーター」と一部で報道されたのだが、事態は、その後、果てしない法廷闘争に持ち込まれ、日・米の弁護士が登場して長期化しているうちに、既に8ヶ月が経過してしまった。その間には、ある日本人女性が婚姻届を提出(認められないまま)。有名チェスプレーヤーがブッシュ大統領にレター。羽生氏が小泉首相にメール。といった周辺的サポートに加え、国家的助っ人が現れたのである。それがアイスランドである。もともと、フィッシャーが世界チャンピオンになったのは、冷戦下の1972年のアイスランドの首都レイキャビクでの大会である。長い間、ソ連の選手が守っていたタイトルを29歳で獲得した彼は、一躍、米国の英雄になり、米国にチェスブームをもたらし、彼は「伝説のプレーヤー」になる。そしてアイスランドも有名になった。そしてわずが3年後。32歳で突然、謎の引退。

そして、今度は米国が脱税容疑で逮捕状を出したそうだ。犯罪人引渡条約で引き渡すように日本に圧力をかけたわけだ。問題が日本でおきているというのが微妙で、追米外交か自主外交かの「踏絵」になっているわけだ。そして、日本国内ではフィッシャーは有名人とはいえない。そして世論はない。世論を政策決定の隠れ蓑にできないわけだ。

問題を放置したまま先送りにする日本的解決方法も、竹島問題や尖閣列島問題ではうまくいかなくなっているように思えるが、フィッシャー問題は、問題点が「人間」であることからして、さらに先送り困難だ。塀の外側では「人権問題」の声が高まる一方、ついに塀の中でも一悶着が起きていた。3月3日の朝、彼に与えられた朝食のゆで卵をめぐって、トラブルが発生、どうも卵の交換を認められなかったことで一暴れしたらしく、4日間の独房入りになったそうだ。

どう考えても、この件を先送りして解決できないところに近いているのだろうが、またしても「牛肉輸入解禁」とのバーターになりそうな気もしている。輸入解禁ならアイスランド行き、輸入禁止続行なら米国行き。

チェスと将棋はよく似ているが、基本的にはチェスの方が厳しいゲームだ。王様が包囲されて詰まされる状況を将棋では「雪隠詰め」という。雪隠とはトイレの古語であり、囲まれて降参すれば、「もう一丁指しますか」ということになる。しかし、同じ状況の時、チェスでは「窒息詰め」と表現する。これでは、「もう一丁」はできない。

忘れやすい国民が毎年忘れる事

2005-03-17 13:51:05 | 市民A
6b279739.jpg忘れやすい国民が忘れた頃に起きることがある。天災のことではない。「首相の靖国神社参拝」。今年はまだだ。

このまま、中韓に遠慮して、参拝をしないのだろうか?たぶんそういうことはないだろう。いつか参拝するのだろう。それでは、いつかということだが、9月5日と想定してみた。

今年は、終戦後60年ということで、いくつもの記念行事が行われる。先日はポーランドでアウシュビッツの総括が行われた。また、終戦というのは、ある国では戦勝記念日でもあり、中韓では記念日のつど、「反日」で盛り上がるのだろう。そして、さらに「参拝」が火に油を注ぐのも困ったことになりかねない。


実は、もう一つのメモリアルがある。目立たぬように進展しているのが「日露戦争100周年」である。そして9月5日はポーツマス講和条約の締結から100年である。靖国神社が第二次大戦だけを対象とした場所ではないということを強調するには、絶好の記念日と思うかもしれない。事実、靖国神社の付属の宝物遺品展示館に入れば、日本戦争史の遺品多数が戦争別に正々堂々と展示されている。

しかし、それについて、ロシア側がどう思うのかは、まったくわからない。さらに中国がどう考えるのかもわからない。ポーツマス条約は日本とロシアの講和条約なのだが、原因の多くは中国に関する権益争いだったこともあり、条約は中国での権益にも多く触れている。ロシア権益が日本権益になっただけということもできる。もちろん現在のロシアも中国も当時の政権と現政権とは関係ないとして、まったく意に介さないのかもしれないし、逆に巨大な不快感を持つのかもしれない。たぶん不快感の方だと思う。そうすると、思惑は大はずれになってしまう。

プーチンは来日しないし、愛・地球博で人気の冷凍マンモスも引き揚げてしまうかもしれない。北方領土は1センチも解決しないだろう。日本にとってロシアはもっとも近い外国ではあるのだが、ロシアにとっては、遥かに遠い国ということしかないのだろう。

さらに言うと、間違っても5月27日のバルチック艦隊との日本海海戦の記念日を参拝日に選んではまずい。最悪だ。100周年記念を騒げば騒ぐだけロシアのプライドを傷つけるだけだ。それに、5月27日に「日本海海戦100周年記念実行委員会」が横須賀の戦艦三笠船上で大規模に行う記念行事の主役は、既に決まっているのだ。その人物すなわち名誉委員長の名前は、ミスター不沈空母男、Mr.Nakasoneなのだ。

骨髄バンクのこと、あれこれ

2005-03-16 13:52:31 | 市民A
3de4d53e.jpg骨髄バンクの登録者が増えているそうだ。映画「半落ち」「セカチュー」、そしてTVのCMで、今は星野仙一氏、その前は、白血病で亡くなった夏目雅子さんが登場。今まで、消極的善意の人たちが積極的善意に変わったのだろう。この骨髄バンク、決して自分で一歩踏み出さないと、近づくことがない組織なのである。(財)骨髄移植推進団体。骨髄バンクへの入口は、ごく普通の日赤の献血センターである。実は、ドナー登録することと、実際に移植を実施することは別で、まだ、何段階も先のことになる。

あまり軽い気持ちで書くわけにはいかないし、読まれ方によっては、制度を否定しているようにとられるかもしれないが、そういうつもりはまったくない。それなりに、様々な理由もあるだろうし、深く知っているわけでもない。普通の感想や疑問を書いてみるだけである。

その前に、先日、本田美奈子さんが入院した。あるブログ(どのブログかは覚えているが、そんなにシリアスに考えて書かれたのではないだろうからリンクしない)で、「最近、芸能人が白血病で入院する率が上がっているのではないか?」との指摘があって、気になっていた。そういうデータはないが、日本人全体の問題として、データをさがしていた。厚生労働省に結構読みにくいデータがあった。

見つけたデータは、残念ながら死亡された方の原因分類であって、治療の結果、回復された方の数字はわからなかった。平成12年から15年までの数字だ。「白血病」単体では、年間約7,000人の方が亡くなられている。そして増加基調にある。平成12年を100.0とすると、102.5(13年)、103.0(14年)、103.7(15年)。さらに、骨髄移植が効果的といわれる悪性リンパ腫・造血組織腫まで合計すると年間19,000人の方が亡くなられている。同じく12年を100とすると、102.5(13年)、103.9(14年)、106.0(15年)。と急増していることが感じられる。悪性新生物全体の増加率は、同じく、100(12年)、101.8(13年)、103.1(14年)、104.8(15年)である。どこかで劣化ウラン弾でも運んでいるのではないかと思ってしまう。そして、他の悪性腫瘍に比べ、治癒率が低いというようにも読める。

本ブログを書く前に、白血病の患者さんや、こどもを無くされた方々のホームページを読むと、本当にこの病気の困難さがわかる。数年前に日記が突然に終わってしまい、そのままになっているサイト。こどもの闘病記を公開しているサイト。そして、激励の声・・・


さて、骨髄移植の方法だが、ドナー側は腰骨の間から骨髄液を摂取する。約1,000ml。腰骨は背骨の下の骨だ。首の骨は7つ、背骨は9つ、腰骨は5つだ。そして、採取後すぐに患者さんに移植。ドナー側はその数日前から、指定の病院へ入院して、あらかじめ自分用の緊急輸血用の血液を採取したりして待機して、当日は全身麻酔が必要になる。術後には若干の痛みが残るが、数日から1ヶ月で元に戻る。というのが、簡単なあらすじ。

そして、星野仙一氏(57歳)がCMをしているのだが、実際に星野仙一氏がドナー登録することは、できないのだ。年齢制限があり、現在は20歳から51歳までだ。そして、下限を18歳にしようということになりそうだ。実は、登録後、実際に提供の話がでるには、なぜか2年間が必要になっている。だから18で登録しても20歳までは声がかからない。

しかし、ここからがリスクの世界なのだが、非常にまれに事故があったことが報告されている。資料によれば、今まで世界60,000件以上の骨髄採取で4件の死亡例があるということだ。少ないとみるべきか、それでも問題と考えるか。それはもう、個人の問題としかいえない。ということで、適合型が見つかった場合、弁護士や家族を入れての説明会が行われることになっている。そして、最終的には登録しているドナー本人と家族の同意が必要になる(臓器移植とは全く違う)。

さらに、特徴としては、誰に移植したかは、明かされないことになっている(例外もある)。この人ならいいけど、この人にはダメとかいうことはできない。そして、献血と大きな違いがあるのは、ドナーは、登録時に5CCの血液で白血球の型を登録するのだが、そのHLA(白血球の型)は本人には教えられない。逆に自分の方から、患者に売り歩くような人間があらわれるのを警戒しているのだろうか。このあたりのルールや、2年間のウェイティング期間の問題などは、原因はよくわからない。

そして、ドナーが知っておかなければならないのは、骨髄移植は、「高率の治療法」であるが、それでも「完全」なものではないことだ。病気の進行度合いや年齢にもよるが治癒率は「70~30%」である。およそ、半分の方はそれでも帰ってこられないのであるわけで、化学療法か骨髄移植かを決めるのは困難でかつ辛い。それでも移植を選択した人は成功することだけを期待しているということを理解すべきである。

最後に付け加えておくのだが、白血球の血液型であるHLAは数万種類あるといわれる。実際には、バンク登録者の中に同一型の見つからない患者さんが2,000人ほどいるということだそうだ。また、完全には一致しないまでも大部分(5/6とか4/6とか)が一致ということで移植に踏み切ることもあるそうだ。そして、この骨髄バンクを通じての提供に頼ることが多いことの背景として、まさに「少子化」が原因であるということが言われている。HLAは親子間で一致するのではなく、兄弟姉妹間で一致する率が高いそうだ。こどもの数が減ったことによりパブリックな組織に頼る率が増加したわけだ。しかし、兄弟姉妹といっても他人であるわけだし、それはそれで議論もあるのだろうが。

さらに、多国間の融通というテーマもあるのだが、登録率がそれぞれ異なる国同士では、なかなか難しい問題があるということは想像するに難くない。

ホリエモン流をF1で行う企業

2005-03-15 13:56:39 | スポーツ
新株発行差し止めとなったのは、当然といえば当然なのだが、両者が次々と奇策を編み出すので本当に囲碁や将棋のようになってきている。それも、あまりはっきりしない法体系の中でのバトルなのでどちらが勝つのかよくわからないし、どちらも株主やユーザーのことをちょっと後回しにしているように見える。特に、ニッポン放送の社員決議には、驚くばかり。寡占企業で収益が上がっていて、あちこちに隠しているお宝と高収入を守ろうとしているだけだ。ニッポン放送の決算を見ると、単体経常利益が年9億円なのに連結になると85億円になるのは、一体なんだという気がする。

しかし、だからといって、上場しないというのでは、本末転倒。実際にテレビ会社はそろって上場しているものの、実質支配をしている新聞社の方は上場していない。ニッポン放送の方がまともだったのかもしれない。あるいは、上場すると、放送の公共性が失われるというのだろうか?それは、新聞の世論の方が、テレビ世論より上という思い上がりからくる思考法なのだろうが、世界はテレビやネットの時代である。「ネットが新聞を殺す」前に、「テレビが新聞を瀕死状態にしてしまって、ネットが最後のとどめを刺す」だけなのじゃないかな。

実際、知りたいニュースがあれば、テレビだけではなく、世界中の新聞社のネット版を見ているわけだし、配達される新聞も、単にメディアの一つでしかない。

ちょっと話がずれたのでF1のことだが、メルボルンでの第一戦でM・シューマッハ(フェラーリ)大敗。ルノーが圧倒的に強く、トヨタは安全運転に徹し、ホンダはいいところなし。この初戦から数レースはアジアの方で行われるので、レース間隔が長く、各チームがあれこれとルールブック(レギュレーション)を読み直して、秘策を練るわけだ。今年も色々と笑える話が多い。

まず、メルボルンで優勝したフィジゲラ(ルノー)が去年まで所属していたチームザウバーは、「クビにしたのではなく、彼の方が逃げて行った」と責任逃れをはじめた。それから、新車開発が遅れていたフェラーリは、当初第5戦から新車の投入を予定していたが、第3戦のバーレーンから使うそうである。こういう予定外の行動は、トラブル続きの原因となるのは、歴史的必然だが。

そして、今シーズンは同じエンジンを最低2回使うことというルールに変更になっている、金持ちチームでなければ参加できないようでは、F1の存続自体難しいからだ。ということで、第2戦は第1戦と同じエンジンを搭載しなければならないはずだったのに、ルールの裏を読んだチームがいた。BAR(ホンダ)だ。そう佐藤琢磨が所属している。第一戦でBARの二人のドライバーともなぜか途中リタイア。エンジンを大切に使う作戦かと思っていたのだが、そうではなかった。どうも、変だと思ったら、第一戦のリタイア車は、1回ではなく0回となるそうだ。そして0回のクルマは走っていないことになって、第2戦では、新エンジンが認められるそうだ。早い話がルールに抜け道を見つけたわけだ。勝てそうもなくなるとリタイアして、出走履歴を帳消しにして、新エンジンを使うという作戦で、そういうつもりではなく、途中リタイアしたM・シューマッハも同じような作戦をとるかどうかだが、そうすると第2戦と第3戦と同じエンジンを使わなければならないのだが、第3戦には新エンジンがやってくるので、これも考える必要がある。

でも、ちょっとホンダって出口が見えないで焦っているな。しかし、こちらは東京地裁とは無縁。自主運営ルールだ。

将棋盤から視覚を考えてみる

2005-03-15 13:55:18 | しょうぎ
a0613fe7.jpgまず、3月8日の詰将棋解答選手権の解答から
上図:4四金、5五玉、4五金、5六玉、5四金まで5手詰
下図:4九角、3八歩、1七歩、同玉、3八玉、5七桂不成、1八歩、1六玉、2八玉、4九桂成、1七歩まで11手詰

まあ、一般の部の問題だが、特に下の問題は正解者が非常に少なかった。難問。

それで、上の問題は、盤と駒を画像にしてみた。だいたい、指し将棋の時の角度で写したが、見てわかるように、大変に見にくい。遠近法が効くので、遠い駒は小さく見えるし、駒の表面の文字は遠くなるとみにくい。また盤自体、遠近法で台形に見えるし、ますめも先の方が細くなる。

それで、実際には、人間の網膜は球形なので、この二つの画像の中間的なものに見えるのではないだろうか。将棋に限って言えば、この遠近法の画像を大脳の中で平面的な図形に翻訳して、考えているのだろうと思える。

さて、実際に直接ものを見る場合と、メディアを通じて見る場合を考えてみる。例えば、テレビや映画、新聞の写真などは、リアリティをカメラでとらえてから、ほとんどの場合、平面的なパネルやスクリーンや紙の上に表現して、それを網膜を通じて、大脳の中で再現している。五感のうち他の4感は直接的に体に入ってくるのに対し、視覚はこのように一旦、平面化という作業が入っているわけだ。
21世紀はその平面化というのを回避して、いきなり網膜や大脳に感じることができるような技術が開発されるのではないかと思っている。そして、それを研究できる企業は世界に数少ないだろう。一つはサムソン電子で、一つはソニーのはずなのだが。

伊予松山城に登ったが・・

2005-03-14 13:57:30 | The 城
a7681a81.jpg1週間前に、純天然物(?)の宇和島城へ登ったブログを書いたが、宇和島へのベースは松山からであり、その松山にある伊予松山城にも登ったのである。まあ、筋として当然か。松山の前に「伊予」とつくのは、岡山県の山城「備中松山城」と区別するため。宇和島から特急で帰ってきて、よくわからない市電に乗る。安い。150円。しかし、よく考えると東京メトロも160円。バスより安いということか。これではバス会社はやっていけないなと思ったら、バスも市営だ。話がちょっとそれるが、熊本でも安い市電と高いバスが混在していて、バス会社は行き詰まり、さらに海外のホテル事業まで手を伸ばし、破綻して産業再生機構行きになった。西武の話ではない。九州産交という会社。話を戻す。

たいして、予備知識もなく松山城をめざす。以前、一度仕事で来たことがあり、その時は飛行機待ちの時間に道後温泉につかったのだが、大集団だったので、単にタクシーに乗っただけ。どこで市電から降りようかと思っていたら、「おおかいどう」という駅で降りるように車内放送がある。もっと近い駅がありそうなのにと訝しいが・・・。

地図上は市役所の裏山のような場所だが、どうもロープウェイを使うようにということらしい。アウトサイダーはリスクに弱い。飛行機の時間とのお釣りはそんなに十分ではないので、ロープウェイ通りを歩くのだが、ヒドイ道だ。ほとんど全面的に工事をしている。店舗も改装中が多い。そんなに近くないが、ロープウェイ駅につくが、なぜかここも工事をしている(勘が悪いなー)。そして、ロープウェー往復500円と松山城の入場料500円をセットで払い、工事中の駅からロープウェーで登る。

そして、丘の上の公園につくと、そこもあちこち工事中。やっとわかった。天守閣の工事をしていたわけだ。主に外装工事とのことだが、まさかデザインを変えたりはしないのだろうが、確かに古いものを残すのは大変だから。そして、案の定、天守閣を外から見ることは困難だ。まあ、外観はカタログで見ればいいのかもしれない。城内は、さすがに宇和島城や備中松山よりは広い。まあ、もっとも人間でいえば100歳同士になって、どっちが背が高いか自慢するような問題だから・・

市内の一等地の丘の上に建つこの天守閣だが1602年に築城。ガイドの説明では、「幕府は、地元からの第一希望の場所には建てさせないという情報を得て、第二希望地として申請した」と言っていたのだが、今、手元資料を見ると、1602年に築城となっている。完成時期なのだろうか、それとも起工時期なのだろうか?許可したのは徳川家なのだろうか??矛盾を感じるが、いまさら疑問をもっても後のまつりだ。それに、ガイドの話は、別の団体の後ろからそっと聞き耳を立てただけなのだから・・・

山を降りたのはリフトを使ったのだが、これは寒い。要は、天守閣の改装工事が平成18年の夏までで、あと2年間、駅も、道路も、商店街もそれに合わせて工事をするということなのだ。ということは2年後には何らかの集客キャンペーンがあるのだろう。その時、来訪するチャンスがあるかどうかわからないが、足で登ることにする。そうすれば0円だ。

ところで、松山駅とは別に松山市駅という私鉄の駅がある。市電の行き先はこの二つの駅なので、要注意なのだが、まんまとはまってしまい、またもタクシー代が必要になってしまった。

全国に現存天守閣は12あるとされる。不思議なもので、そういうことを知ってしまうと、近くに行った時に寄ってみたくなる。だからといって、そういう用件ができるわけでもなしと意識をしていないのに、この半年強で5ヶ所にも行ってしまった(姫路・備中松山・彦根・宇和島・伊予松山)。以前、高知城には行っているので、合計6。なんだか、全部行ってしまってもおかしくないような気もするのだが、少しもやもやしたものが頭のどこかにある。まだ、思想とか概念というように成型されていないのだが、羅列すると、こんなこと。

1.城に歴史ありということで、それぞれ随分と個性が違う
2.残っている城には、理由がある(逆に、大戦の時に多数が焼失)
3.なくなった城にも歴史がある
4.観光地化しているところもあればしていないところもある
5.木造で再建している城もある(なぜ、城を建て直すのか)

あと、残りの6城だが、「松江、丸亀、犬山、丸岡、松本、弘前」。ずいぶん散らばっている。このうち弘前城は、1810年に再建されたもので、現存ではないという言い方もある。その他はおよそ400年ものだ。手元に「城のしおり」という小雑誌があり、「全国城郭管理者協議会」という団体が発行していて、全国47の現存、再建、天守閣なしの公園が紹介されているが、他にもこの協議会未加盟もあるだろうし、もう少し体系的、数字的に調べてみたいとも思っている。

46年前の新鮮

2005-03-13 13:58:39 | 映画・演劇・Video
c9fd92d5.jpg[ジャン=リュック・ゴダール]+[フランソワ・トリフォー]+[ジャン・ポール・ベルモンド]+[ジーン・セバーグ] は、???
答え:勝手にしやがれ

1959年の古い映画だが、観てしまった。自宅の各種データを整理している。カセットやレコードやビデオとかを、縮小化したり、ディジタル化したり、廃棄したりと・・・
中でも、VIDEOカセットはかさばる。結構、ホームヴィデオとか、自分の出演した番組とか、来日アーティストのライブのテレビ版をチェックしたものなど、まあDVDにするまで、めんどくさい。ソニーの8ミリなどは、動かす機械が壊れてしまっているので、レンタル業者から借りてきたりしなければならない。

そういうVIDEOカセットの山の中に、テレビからチェックしたままになっている映画が何本か、出てきた。DVDを借りてきて見ればいいのだが、なにか「モッタ・イ・ナイ」という気分になってしまう。せっかく、何がしかの電気エネルギーを使って録画したものだから・・・(しかし、見ないで捨ててしまえば、もう一回VIDEOとTVを動かすエネルギーは不要なのだけど)

ヌ-ヴェルバーグのはしりといわれる、この「勝手にしやがれ」。すごく斬新だ。そして、名作。私の中では世界100大名作映画に入る(残り99は何だ、といわれると困るが、「恋に落ちたシェークスピア」と「真夜中のカウボーイ」とフェリーニの「アマルコンド」の三つは入る。)。原作は単純。自動車泥棒(ベルモンド)が警察に追われてローマからパリに逃走中に、警官を射殺。パリで愛人(セバーグ)宅にひそんでいるところを、彼女に裏切られて、最後はカメラに向かって「勝手にしやがれ」って言って、射殺される。というだけなので、下手をするとシネマにならない。

運転するベルモンドの顔がアップになっているのに、助手席のセバーグがしゃべっているというシーンが、大変に話題になったそうで、確かに落ち着かなくなるのだが、どうもカットを増やすと製作コストが上がるので、苦肉の策だったらしい。やたらと、激しく筋立てが進むのも、コストカットが原因だったのかもしれない。早口のイタリア語やフランス語は、コストとは関係ないだろう。

しかし、4人とも若かった。ゴダールは29歳。トリフォーは監督ではなく原作を書き27才。ベルモンド26歳、そしてセバーグは21歳。4人とも駆け出しだ。まだ数作目。ここから、4人のシネマ人生が始まったようなものだ。そして46年たって、2005年の年齢は、1959年の年齢に46を足したものになっているわけではない。一番若かったセバーグは40歳で謎の急死、トリフォーも52歳まで。そして現在、ゴダール75歳、ベルモンド72歳。二人ともぼちぼちやっている。

「勝手にしやがれ」を見たら、もう一つセットで見なければいけないとされる映画がある。ゴダールとベルモンドの映画だ。1965年作。しかし、その映画は絶対にテレビなどのマスコミに露出することはないのである。というのも、日本語の題名がいまや超差別用語となってしまったからだ。「きちがいピエロ」。これはTSUTAYAだなあ。

税務署員のにわか親切はカラ回り

2005-03-12 14:00:57 | MBAの意見
ecc5700a.jpg日頃、不親切な人間が、年に一度だけ大福様のように親切な気持ちになることができるだろうか?常識的に考えて無理だろう。日頃は、日夜脱税者の摘発のために、あれこれ陰険な調査や捜査をおこなっている人たちが、新年の声を聞くと、突然に親切な税金指導員に変貌する。確定申告に行ってきた。そして、うんざりした。

まず、当エントリは決して、脱税や、節税を目的で書いているわけではない。なにしろ、税金を払いにいったのだから。申告に行った主たる要因は、株式譲渡益。複数の証券会社からの年間取引報告書はプラスやマイナスもあるのだが、合計すると申告が必要な額になっている。(12月末にかなり損切りしたのだがJ-REITの売買益が大きかったようだ。)さらについでに医療費控除も申請が可能だ。さらに複数箇所からの税率の違う所得がちょっとだけ。つまり主たる給与支払い者を基準とした源泉徴収票を計算し直さなければならないわけだ。それも例のA表ではなくB表ということになる。

実は、なんだかんだと毎年確定申告に行っている。理由はさまざまだ。家の買い換えに基づくもの、おもわぬ寄付が必要だった場合、退職金関係の場合など・・それにしては、いつもわからなくなる。その最大の理由は、源泉徴収票がわかりにくいことによる。ブログを読んでいる人であればパソコンの定番であるEXCELのイメージはわかるだろう。一枚の表の中に式を書き込み計算させる。給料と控除額を書き込めば答えがでるはずだが、手元の源泉徴収票だけを見ても、その数字同士の関係がわからない。実際には、年収や、家族数や入っている保険の種類で課税所得と税率が決まり、住宅取得の特例のような税額控除があり、さらに定率減税がある。これらの補助指数は見てもわからないようになっている。だから、それらの計算式がわかるように書いてあれば、申告も楽だが、あれこれ計算して、やっと理解できる。そして、あらかじめ月刊誌「ZAI」についている、計算表に基づいて計算して答えを得ている。

そして、毎年のように「確定申告スタイル」で税務署に入る。確定申告スタイルとは、白いワイシャツに、地味なネクタイ。ダークスーツに皮のアタッシュケースに関数電卓だ。そして数字は、枠の下半分に小さな字で書く。そうすると、数字の中身をチェックされたことがない。一度なんかは「経理の方ですか」とか言われた。実際はもちろん違う。ただの不良社員だ(そのうち総経理にはなろうとか考えているのだが)。まあ、数字に強く、忙しそうなふりをして、時間がなさそうなそぶりを見せると、簡単だ。そして今年は強い見方がいる(はずだった)。あらかじめ計算した下書きをもとに、国税庁のホームページを利用して申告書Bの1表、2表、3表を入力し。各2枚のカラー印刷を行い。医療費も領収書を全部、分類してインフルエンザ予防接種代と人間ドック代を除いて表をつくっておく。すべてをアタッシュから取り出して税務相談員の前に並べてみる。

税:「インターネットで作りましたか。アレ、3枚目の控えがついていないんじゃない」
お:「各2枚しか印刷できなかったのですが・・控えはいりませんよ」
税:「そうはいかないのです、控えを渡すことになっているのだから」
お:「それならコピーにはんこ押してくれればいいじゃないの」
税:「コピーはダメなのですね。それでは、この内容をタッチパネルで打ち込んでください。そうすれ   ば印刷できるから」
ということで、タッチパネルに回される。税務署では短気は禁物だ。

あいているタッチパネルがあったので、列を作って並んでいる方々を出し抜いて、割り込みで席にすわる。そうすると、さっそく女性税務官Aがやってきて、入力画面を立ち上げてくれるのだが、途中まで入力が進んだ段階で、この表ではないということに気がつく。そしてこのパネルは多くの場合、「一つ戻る」がついていなくて、最初まで戻らねばならない。そして、元に戻ると、別の男性税務官Bが見てくれる。そして、間違った指示を与えてくれる。またも、別の表になり、またも全部キャンセルとなる。そして人に頼るのはやめて、自分で納得できるまでゆっくり作業をしているとまた別の税務官Cが助言する。そして、結局は、すべての助言を無視したことによりやっと1時間後に完成した。パソコンで作ってある答えと同じになった。

そして提出所に行くと。そこで一もめしている。どうも私の前の人が、損害保険料控除の中に自動車保険を潜らせでいたのが発覚したようだ。そうなると、全部書き直さなければならないのではないかと思っていたら、案の定、全部書き換えの指導があった。あーあ。おそらく、この人は過去何年もこの手を使っていたのだろう。過去5年に遡って、追徴しなさいよ(どこかに小さな字で、「提出資料の保存期間は1年です」と書いてあったので、実質的には調査不能だろう)。

そして、当然ながら、私の資料には間違いはない(と思っているが税理士ではないので、間違いないと信じているというぐらいが妥当な表現か)。そして、納税用の振込用紙が渡される。そして3月15日までに払い込まないと滞納課徴金が必要となるとの脅迫だ。ほんとに嫌な奴だ。還付の時は、たっぷり遅いのにね。

モッタ・イ・ナイは何語?

2005-03-11 14:04:50 | MBAの意見
昨年10月16日付け弊ブログ”ワンガリ・マ-タイさんの意味”では、昨年のノーベル平和賞を受賞したケニアの女性運動家で環境省副大臣について書いた。要するに、ケニアのような途上国でも環境問題を重視しているのに、他の先進国はなんだ!というおしかりの受賞だ。そのブログに5ケ月後にTBがきた。

そのマータリさんが3月4日、国連で講演をしたさいに、「モッタイナイ」の精神を披露し、唱和したそうだ。そしてなぜかMOTTAINAIというロゴ入りTシャツもできたそうだ。日本発の国際語の最後が、「ツナミ」では困ったなと思っていたのだが、「モッタイナイ」に変わればそれは嬉しい。

それで、このことば、彼女がいつ覚えたのかというと、1ヶ月前に来日した時に、覚えたそうだ。一体、誰が教えたのかも興味があるが、本質的な疑問ではないので調べない。彼女にいわせれば、モッタイナイは4つのRを意味するそうだ。
リデュース(消費削減)、リユース(再使用)、リサイクル(資源再利用)、リペア(修理)だそうだ。(書いていて気付いたのだが、4つのRではなく、4つのReだ。)
ここで、「もったいない」を三省堂・新明解国語辞典第六版でみると、「もっと有意義な使途があると思われるので、現在のむだな扱い方が惜しまれる様子だ。例:まだ使えるのに捨てるなんて-。例:日曜日を寝て過ごすなんて-話だ。」

英語だと4つのことばで言わなければならないものを、1単語にしているというのが「モッタイナイ」のいいところなのかもしれないが、案外日本人はピンとこない話ではないだろうか。普通、物が壊れれば修理を考える。捨てる前に、まだ使えないか考える。そしてゴミの分別回収には協力する。これって、結構な金持ちから貧乏人にいたるまで至って普通だ。大学の教授だって、暴力組織の幹部だって同じようなものだろう。もちろん、床に落としてこっぱみじんに壊れたノートパソコンとかピストルで撃ち殺してしまった死体なんかはどうしようもないので捨てるしかない。

しかし、実際は、愛用の靴の裏底とかかかとが磨り減ったので、純正品に交換しようと問い合わせると、修理代が1万8千円と言われたりして、あきらめたり、MDの修理を頼むと、2万円と言われて新品を買わなければならなかったりする。しかし一方、リサイクルで引き取られた電気製品の部品などは、ばらばらになり、バーゲン専用の電化製品の部品として再利用されたりしている。

おそらく、「もったいない」は、無資源国日本の長い歴史のなかで、普通にできあがった単語なのだろう。そして、今、この単語が必要だと思う国はたくさんある。国民の多くが肥満に悩むアメリカ。山のような食事を残す韓国。問題だと思うが「内政干渉」と言われかねないのでみんな黙っている。そして中国もアメリカも「モッタイナイ」話ばかりだ。是非、世界共通語にしてほしいものだ。

そして、実は悩ましい問題がある。このモッタイナイだが、日本で古くから伝えられてきた構造は、モノがもったいない=おカネがもったいない。という単純な公式があったからだ。つまり、経済的合理性の中で、環境問題が完結していたわけだ。しかし、現在の社会は、無論複雑系だ。安い石油を使うことが20世紀文化を支えてきたのだが、これなんか「モッタイナイ」限りなのだ、経済的合理性があったわけだ。また古くて燃費の悪い車を燃費のいい新車に買い換えることは、燃料消費からいうとリデュ-スだが、クルマを新車に買い換えるという経済的問題が生じる。

もう少し調べてから書くつもりだが、食洗機のCMでは、水道代が安くなると言っているが、もともとの水道代がきわめて安い市では、効果は非常に少ない。つまり金額効果がないわけだ。水道料金は全国でかなり違う。

つまり、日本ではこのモッタイナイというのが物質的もったいなさと金銭的もったいなさが一致しない場合が多く、本来はそのギャップを政策的な誘導することが必要なのだろう。そして、そんな難しいことを考えないでいいレベルの国はまだまだ多数あるわけで、そういうところは「モッタイナイ精神」で環境保護を進めていけばいいだろう。

ところで、ブログなんか書く時間は「もったいない」というべきなのだろうか?これについてはモッタイナイには別の意味があることを考えてみる。「自分自身を客観的に評価して、それを受ける器に値していないと考える様子。」だそうだ。貴重な時間を使って、弊ブログを読んでいただけるなんて「モッタイナイ話です」ということになる。

興味本位で見るべき裁判か

2005-03-09 14:07:18 | 市民A
e0fe93fd.jpgライブドア=フジサンケイの裁判やその他のシリアスな裁判などと違って、あまり社会的影響度の大きな話ではないが、結構、個人的には興味本位で見ている裁判がある。元W大学教授でマスコミに登場頻度が多かったU元教授の事件だ。

東京地裁での判決は来週23日らしいが、その頃は全国民が”にわかサッカーファン”になっているだろうし、ブログの世界は「愛・地球博」ばかりになりそうな時期なので、こんな小さな事件は埋没するだろうから、いまのうちに出しておく。

ここで、最初に私の立場を明確にしておくと、様々な報道で知りうる元教授の個人的趣味の世界に同調したいわけではまったくないし、人それぞれに設定されている「常識の範囲」がだいぶズレているのであるし、別に、白でも黒でも、個人的利害関係はまったくない。

一方、有識者により「U教授をはげます会」もあったらしく、結構、本人は元気らしい。

先に、個人的な希望を述べると、1審白、2審黒、3審白とかになって、その後、彼が手当たり次第に逆告訴の山を作って、「M浦事件」の時のように損害賠償請求を起こしてもらいたいなとも不謹慎にも思っている。

復習すると、事件が発生したのは昨年の4月12日(つまり一年前)。U元教授は横浜駅の近くにいたのだが、挙動がおかしいと鉄道警察が尾行をはじめたわけだ。そして彼が品川駅港南口のエスカレーターで、鏡を取り出して女性のスカートを覗くという犯行に及んだ、として逮捕されたわけだ。実は、この港南口のエスカレーターだが新幹線の品川駅停車のための駅の大改装の時、完成したものだ。以前は階段だったので、犯行はまず困難だった。そして、現場を確認してみると、エスカレーターは建物の外側にあるため、上りと下りは別々におおいがついていて、密閉的だ。ということは、犯行を確認することはかなり困難で、第三者が証人になるのは難しそうだ。しかし、横浜から品川へきて、このエスカレーターを一旦下りて、また上るというのはいかにも不自然だ。ブログ用の画像撮影でもしていたのだろうか?そして、このエスカレーターを上ったところが高輪口まで続く広大な駅舎の広場で、その一番先に、鉄道警察署がある。もしかして、手ぶらで帰るわけにいかずと、効をあせったことはないだろうか。

そして報道では、元教授は一旦、自供したものの、その後、一転して否認。そして検察側の求刑は懲役4ヶ月。東京で逮捕されたので、東京都条例(迷惑防止条例)による。

ここから先も、単なる推測であるが、突如、元教授が強気に出たのは、「証拠がなく」「証人がいない」ということなのだろう。まず、被害者が特定できない(当初の記事では女子高生と書いてあるものもあるので特定されているのかもしれないが)。さらに、この手の事件は、犯行を実行しようと頭の中に思っただけでは、つかまえられない。またポケットの中の鏡を掴んだ状態でも白だろう。どこまで実行すればクロなのかがはっきりしない。さらに、鉄道公安員が複数であればかなり証人能力があるだろうが、一人だと、なんともいえない。捕まえるタイミングがどうだったかである。さらに、一部報道では、一緒に押収された携帯電話にはスカートの中の画像が残されていたともある。実は条例をよく見ると、覗いただけだと懲役6ヶ月または50万円以下の罰金だが、写真を撮影すると1年以内または100万円以下と刑が倍になるのだが、起訴されなかったことを考えると、ガセネタだったのか、あるいは証拠不十分。撮影状況が特定されないのか。

そうなると逮捕直後の自供の信憑性という分野に入っていくのだろうが、「自供したら表ざたにしない」と言われたと元教授は主張しているが、逆にこれは元教授側からは証明しにくい。まあ総合的に考えると少し証拠が不足しているようにも思える。自宅からでてきた趣味の世界のDVDやセーラー服は、どうみても本件の証拠には見えない。

そして、事件がこのままクロで終わると面白くないのは、もし白になると、彼を解雇した大学や、マスコミあたりが損害賠償や名誉毀損の裁判の嵐に巻き込まれるのだろうから、そちらの方がおもしろいわけだ。ようするにまだ黒が確定しない容疑者を解雇する権利があるかどうかで、この件には専門的なブログが何ヶ所かで触れているので興味の向きは参照して欲しい。

無責任極まりない意見だが、元教授が被告である裁判と、逆に彼が「私は被害者だ」と訴訟の山を築き上げるのと両方見てみたいわけで、一粒で2倍おいしいキャラメルのような話を期待しているわけ。しかし、実際は、クロ・クロ・クロの3連発になるような気もしないではない。

軽い裁判ネタ

2005-03-09 14:06:42 | 市民A
軽い裁判ネタを一つ追加してみる。住友信託がUFJを相手に、提携契約書の一方的破棄に伴う損害賠償額として1000億円を請求。要するに、考えられる最高額を提示して、裁判所にさじを渡したわけだ。

私見だが、住友信託側の株主代表訴訟をふせぐ訴訟だろう。「やるべきことはやった」という証明だろう。こうして、今までは主流だった裁判所による調停というような手法は、はやらなくなるだろう。株主に対して、妥協した理由が合理的かどうか証明しなければいけないからだ。

それで、この金額どうなるかということだが、数字の大部分は「逸失利益の何年か分」であることがわかる。あくまでもたとえばだが、提携していたら毎年300億円はもうかったはずだから、3年分の利益と慰謝料100億円を払え、ということだろうか。

私が非常に興味をもっているのは、最初の契約のときに、解約の手続きや、損害賠償額を決めていなかったのだろうかということで、普通の契約にはつきものなんだが・・・。そして、このようなペナルティの額を記載していない場合、「逸失利益」が認められるかどうかで、たぶん認められないのではないかと考えている。おそらく、実損失10億円、慰謝料10億円の合計20億円くらいが認定されて、とりあえず高裁までもっていって、終わりにするのではないだろうか。それなら株主はあきらめるしかない。

ところで、この事件や、U教授事件やライブドア=フジサンケイのバトルなど、頭の痛い裁判が次々に東京地裁に集まっている。どれも大急ぎだ。さらに裁判官に過酷なのは、U教授でもニッポン放送でもそうだが、事件に関係の無い第三者の弁護士や法律家や新事実などが、次々とブログで解説されている。自分の担当した事件を公開するのは、違法行為だが、関係ない事件だったら好き勝手に分析してしまう。裁判官のくせとか諸外国での判例とか、とにかく判決が出る前に、細かく綿密だ。まして、いずれの裁判も、白とも黒ともどちらでもいいような気がするので、裁判官は針の莚である。そのうち、ボンクラ裁判でもやろうものなら、裁判所と法務省が「裁判官の育成を怠った不作為の罪」とかその他逆告訴されそうな状況である。

しかし、考えてみると、治安は悪化し犯罪者が増え、一方警察官も増員し、法科大学院を作って、弁護士を量産しようというのだから裁判所が忙しくなるのは当然だ。東京地裁は24時間営業をしなければならないのではないだろうか。

詰将棋解答選手権で粉砕された

2005-03-08 14:09:47 | しょうぎ
4d54a3d1.jpg3月6日は、各地で将棋大会が行われていた。日本武道館では職域団体戦、「カナロコ」で有名な神奈川新聞本社では支部名人戦神奈川大会。まあ、いろいろな経緯を経て、私は一番マイナーと言うかミニチュアともいうべき、詰将棋解答選手権のために東京都北区の会場に行く。職団戦も前の会社を辞めてからは、あちこちのスーパーサブ。声がかからなければ、別のことをするだけ。

さて、この詰将棋、ルールは将棋と同じだが、その最後だけを切り取ったようなゲームというか作品というか・・・古今の多数の作品が残っている。

実は、昨年が第一回大会の「詰将棋解答選手権」。出題側の用意した難問を規定時間内に解くというもので、昨年は13位だった。そして、今回はチャンピオン戦と一般戦に分かれての開催。ちょっと迷ったが、調子も悪いし、一般戦の方に出場。実は、この数ヶ月、将棋を指すよりも将棋連盟の下部組織である「支部」の結成に奔走していたので、あまり駒を握ってなかった。2月末に支部が認可され、やっとの思いで支部長の席にはついたのだが、会社を設立することを考えれば、たいしたことではないだろう。

会場へ行ってわかったが、チャンピオン戦出場者は12人だった。こちらに出場すれば、最下位でも去年の成績を上回るのだが、参加メンバーを見て、ブルってしまった。16人参加の一般戦に出場。

参加者は大別すると、4分類。
A.プロ将棋指し
B.「ツメキスト」と言われる詰将棋作家
C.アマチュア高段者
D.一般の人

つまり、詰将棋を作る専門家はいるものの、詰将棋を解く専門家はいないわけだから、この大会に出場するのは手探りだ。おじけづいて参加取りやめたプロ棋士もいるらしい。そして、私は、なまくら分類だ。指すほうもいい加減、詰将棋解くのも作るのもいい加減。

で、甘くみて油断してしまったのか、簡単な問題で時間をとられる、最後は変化筋を読みきれずタイムアップ。6題中3.5題正解で8位。読者の参考に、一般コースの最も簡単な問題ともっとも難しい問題を記載しておく。(解答は1週間後に発表します。1問目5分、2問目20分ぐらいで解く必要あり)

しかし、詰まない筋で、王様が詰んだと思い込んでしまった1題は悔やまれてしまう。「詰んだ!」と思ったニッポン放送に逃げ回られているホリエモンのようだ。

5秒で終わったF1第1戦と ?のトヨタ

2005-03-07 14:11:44 | スポーツ
cce29d64.jpg第1戦は3月6日、オーストラリアで開幕。今シーズンと来シーズンで大規模なレギュレーション変更が決まっている。今年は「レース中(予選を含め)のタイヤ交換の禁止」と「1エンジンを2レース以上使うこと」というのがハード面の大きな変更。そしてソフト面では予選を土曜と日曜午前に行って、その結果、日曜午後4時からが本レースとなる。期間短縮だ。そして来年になると、「排気量の小型化」と「オートマティックトランスミッション禁止」だ。コーナーで減速する時にギアシフトに片手を使うので、ハンドルを片手で抑えなければならなくなるので不安定になる。いずれもドライバー泣かせだ。

そしてこれらの変更の理由だが、一つは「ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)ばかりが勝ちつづけるとファンがいなくなる」というのが大きな理由ではあるが、コストの莫大化によるチーム数の減少と京都議定書への配慮であるのだろうか。パワーよりも技術が必要になる。そして頭脳が必要となる。

第1戦を迎える前の各チームの評判だったが、ルノーとトヨタのエンジンの評判が高かった。元々、トヨタはアメリカではインディのような単純に高出力を出し続けるようなレースは大得意であるのだがF1は何年やっても全然歯が立たない。カーブが多く、出力をコントロールしなければならない欧州のコースでは結果がでていない。しかし、今年は調子が良いらしいとの情報だった。一方、冴えないのがホンダとフェラーリ。フェラーリは、とうとう新型が間に合わず新型車投入は第5戦からとなるらしい。また、親会社フィアットの再建計画からGMが手を引き、フェラーリもちょっとあぶない。

予選の結果、ルノーのフィジケラがPP、何とトヨタのトゥルーリが2番と大躍進。予想通りの結果だった。そしてシューマッハはトラブル続きで下位の方からスタート。そして、なにやらごちゃごちゃトラぶったあとレース開始。そして第一コーナーを抜けるまでの5秒でフィジケラがトップキープ。そしてそのまま1時間半ほどトップを走り続け優勝。一方、シューマッハは接触して棄権。要するに同じエンジンをもう一度使うので、ダメならさっさとリタイアするのも手かもしれない。そして、最大の疑問は、トヨタのトゥルーリは突然のピットイン。結局何もしないでそのままピットから出て行ったが、あれは何だったのだろうか。これ以降、だらだらと走ってポイントのつかない9位まで後退。あの最初のピットインはきっと、新車の無料6ヶ月点検のようなもので、ピット側が心配でしょうがなかったのだろう。

しかし、先が読めない結果ではあるが、結局は赤いフェラーリ+シューマッハを一番に仮置きすると、去年とあまり変わりはない。ということは第4戦までに勝っておかないとフェラーリのニューマシンがやってくる。

ところで、優勝したルノーだがフロントノーズにたばこの広告が大きく付いている「MILD SEVEN」。確かヨーロッパでは禁止のはず。マークを張替えるのだろうか?ヘルメットに数センチのマークを入れるだけで数千万円と言われるのだからフロントノーズ全面の広告はさぞかし高額だっただろう。次は3月20日、第2戦はマレーシアで。路面の熱さも影響するだろう。そして、トヨタには「安全運転」を続ける限りノーチャンスだ。

ガ島祭りに1票追加

2005-03-07 14:11:09 | 市民A
愛読ブログでもあり、ブログ界の人気ジャーナリスト「ガ島通信」さんが退社。

何かエールブログを考えていたが、SONYのCEO交代記事を調べているうちに、意外なことがわかってきた。(未確認情報も多いのだが、もっぱらNYタイムズとFTによる)

新CEOのストリンガー卿だが、経歴をみると、英国人。オックスフォード卒でふらっとニューヨークに行ってから、何となくベトナムの仕事をすることになり、その後、なぜかCBSのジャーナリストをしていたそうだ。80年代にSONYに移籍(例のCBSの音楽部門の買収の時かな?)。もっぱらアメリカで音楽と映画を手がけていて、そろそろ引退して英国に帰ろうとしていたところらしい。

大学を卒業した時には、40年後に地球の裏側の巨大会社のCEOになるなんて、まったく予想つかないというのが人生の面白さと不確実性なのだろう。

ガ島さんも、まだ第1ラウンド終了位でしょう。

追記1:ストリンガー卿は米国人という報道もあるのだが、ちょっと未確認。まあ本エントリの筋とはあまり関係ないのだが・・・

追記2:ウェールズ生まれで米国籍。ベトナム退役兵。ソニーのボードは彼に「SONYのカルロス・ゴーン」になることを期待しているそうだ。どうもコストカッターのようである。