QBハウスは20分でも1000円だが

2005-03-23 21:44:13 | マーケティング
0909b049.jpg花粉症の季節に、特に困ることを列挙してみる。
1.コンサートに行けない。
2.満員電車に乗れない。
3.花見に行けない。
4.ゴルフに行けない。

そして、もう一つ、大変困るのは「5.床屋に苦労する」だ。椅子に座り、布を掛けられ手が不自由だ。そして、各種の刃物を扱うのは、他人だ。特にヒゲ剃りの時にくしゃみをすれば、血まみれの大惨事になる。暗殺者を恐れて自分のヒゲを焼けた鉄箸でチリチリ焼いていたジュリアス・シーザーの気持ちがわかる。

そして、時間が長い。仕事が終わっても少しずつ意味も無く修正する。そういうのを「床屋の自己満足」というのだが、長くサービスしなければ単価を高くできないとでも思っているようだ。そして、大勢の客が順番待ちでマンガを読んでいるのを見ると、「自分の腕前がいいから、待っているのだ」と過信するそうである。

しかし、この理容(美容)業だが、そもそも「目的来店」型の店舗である。用もないのにふらっと寄ることはない。できれば、短い時間であればそれの方がいい。時間の短い店の方におカネを払いたいくらいだ。特に花粉症の季節では。

実は、厚生労働省では、理容師は頭髪の刈り込みと髭剃りとが規定され、美容師はパーマ、髪結、化粧を行うことになっていて、2年以上専門学校へ行って国家試験が必要だ。また開店するにも認可条件が厳しい。ミルトン・フリーマン教授のいう「プロフェッショナル・バース・コントロール」の世界だ。しかし、こんな理容と美容のすみわけのルールなんかまったく有名無実だ。だいたい、髪を切るなんてことこそ、免許や登録などしないでも、自由競争で問題ない。しょせんは下手に切っても髪の毛はすぐ再生するのだから・・・(衛生管理は必要だろうが、それは保健所の範疇)。


最近、急成長している理容店がある。「QBハウス」。仕事は10分で終わり、1000円を売り物にしている。以前の吉野家と同じだ。「早い、安い、うまい??」。花粉症の時は、雨の日を選んでQBに行く。非常に効率的だ。よく研究されている。ムダ取りはトヨタ以上だろう。料金は1000円札だけでお釣り不可。シャンプーは行わず、エアー吸い込みで切った髪は吸い込んでしまう。ヒゲそりもなしだ。もみあげは後で自分で直す必要はあるが、もともと床屋では衛生上、ヒゲを剃らない主義なので関係ない。店外には、待人数がわかるようにシグナルが点灯する。実際にはヒゲをそらないというところがポイントで美容師免許の人でもOKになる。

ところで、1000円で割が合うかというと、1時間に5人の接客をすると5000円/時間の売上げになる。通常の店舗では3500円で1時間かかるので、実はQBの方がもうかることになる。というのは、計算上であり、実際には、髪の毛の量は個人差があり、10分以内で終わる方もいるだろうが、私のような理容師泣かせの大量で硬い髪ではかわいそうになってしまう。この前、測ったら、ちょうど20分だった。しかし、料金は1000円のままだ。逆に申し訳なくなる。

ところで、このQBハウスだが、200店舗以上をオープンしていて、少し資金政策を考えねばならない段階にきているらしい。昨年はシステムを導入して、1000店までの管理が可能になったそうだ。そうなると資金需要が発生する。少し調べたら、数年前に上場を予定していたが、まだ実行していない。何か理由があるのかもしれない。

さらに調べていると、この会社を興したのは小西国義氏という方で、9年前に「床屋の抱える様々な問題」をすべて裏返して考え、ベンチャーとして起業したそうだ。時に小西氏54歳。結構遅い。しかし数年前、彼は、一線を退き、次のベンチャーを研究中らしい。そのあたりのタイムスケジュールと上場延期と関係があるのかもしれないとは、単に私の憶測。何か変調を感じるのは、現在、どんどん閉店を進めていることがわかる。よく考えれば、だいたい通常店よりも5倍も多く接客するとすると、通常店の多くの顧客が激減してしまうだけでなく、自店舗の顧客数だって限界があるだろう。

そして、上場しなければ、資金の回転が効かない一方、最近のTOBなど見ていると、むやみに上場した場合、例えば、理容業者の組合あたりが会社を乗っ取り、計画倒産させるような荒業だって考えられるわけだ。新商法を確認してからの方がいいかもしれない。しかし、なぜか、会社の経営体制に変化があらわれるような話がちらほらと・・・

きょうのできごと

2005-03-23 21:43:18 | 市民A
1.植草元教授一審クロ。
  罰金50万円+手鏡没収って何だろう。それにしても徹底的に有罪だ。元教授側の主張は、「証拠不十分」と「不適切な取り調べ」であったのだが、どちらも認められなかったわけだ。個人的には、シロ判決の後、「裁判中の被告に対する解雇」の合法性のところが見たかったのに残念(あくまでも本当にシロだと思っているわけではない)」
  罰金刑というところがミソで、「控訴、上告した場合、刑が重くなって懲役もあるかもしれない」と思わせて控訴断念させようとしているようにも見える。それでなくてもややこしい事件ばかりなのに、ってことかな。今後に注目。

2.フィッシャー氏引渡しを米国が要求
  だいたい、筋書きが決まったわけだ。アイスランドと米国のフタマタになった。妙なことをすると安保理の常任理事国の椅子がフイになりかねないので、法務大臣だけが悩むわけにはいかないだろう。だからといって、うっちゃっておくと、今月初めの騒ぎのように、フィッシャー自体が壁の中で暴れだす。3人でチェスを指すようなものだ。やはり牛肉と引き換えかな?。牛肉密約ありならアイスランド、なしなら米国か・・・
  しかし、もともとドイツが引き受けそうな話だったのに、米国に気兼ねして見て見ぬふりをしたのもどういうものなのだろう。

3.ライブドア高裁勝利
  まあ、そうでしょう。しかし、国民の学習効果は多大だ。そろそろ。私も僅かに参戦しようかな。どうも、「ハゲタカ」ということばを使うと何もかも見えなくなるのだが、「外人」=「ハゲタカ」という短絡論が目立つのだが、そういう論調を読むと、「ハゲタカ」=「短期売買」という主旨の人が多いことに気付いている。とすれば、内外を問わず、「投資信託」なんかほとんど気に食わないというのだろうか。