EDWIN WATTSで米国研究

2005-03-20 21:50:08 | マーケティング
351cb60e.jpgアメリカのゴルフ用品のカタログ「EDWIN WATTS」を読んでいる。ほんのたまに、雑貨品を買うと、FEDEXの箱に入れて送ってくる。そして、永久にカタログを送ってくる。もちろん無料だ。もちろんHPを見て注文することもできるが、英語の勉強もかねて、時々ながめるには雑誌の方がいい。ただし、英語といっても覚える表現は、「Sale!」とか「Was $54.95 each」とか「most magnificent ever seen」のように、偏った方向ばかりだ。「今まで見た中でもっとも偉大だ」なんて、普通、絶対に口に出さない表現だが、そんなことばを自社製品の広告に使ってしまう。それも半年ごとに新製品を発表するのに、「ever seen」だって。アメリカ人の神経はすごい!「most magnificent ever seen」がゴルフクラブの宣伝でなく、大統領選挙であっても使えそうだ。

ところでカタログでクラブを眺めていると、米国と日本の差を感じてしまうことがある。例えば米国の代表的なブランドであるCallaway社であれば、アイアンセットは数種類(3~4種類か)。一方、例えばMIZUNOなら軽く10種類以上あるだろう。もちろん、ブリジストンでも同様。米国式は、腕はクラブに合わせろというスタイルで、日本はメーカーがユーザーの「腕前」や「好み」や「迷信」に合わせるということか。むしろ、米国では大手が中小メーカーをM&Aで取り込むという形が進行している。

日本流の多品種方式を米国企業で真似るケースはなさそうだが、米国流を日系企業が真似しているケースは時々見受けられる。たとえば、アサヒビールと麒麟麦酒を見ると、アサヒは製品数が少ない。基本的にはビールはスーパードライ、発泡酒は本生だけと考えてもいい。一方、麒麟は多種多様な商品群だ。季節商品も多い。スーパーの棚のメーター数を多く獲得するには商品数が多い方が有利だ。一方アサヒは、赤、青、緑のパッケージで存在感をアピールしている。それでいて、両者の販売数量は拮抗している。

ことばで書くのは難しいが、デザインの感性もずいぶん違うものだと思ってしまう。CallawayのXシリーズのアイアンのデザインなんか、ちょっと日本人向けではない。日系メーカーのMIZUNOとは大きく異なる。

そして、Callaway、TaylorMadeなどの有名ブランドは、単にクラブを売るだけでなく、”Pay-as-u-play”というシステムを作っているようだ。使った分だけ払えばいいような表現だが、TVのペイパーヴュー(PPV)とは違うようだ。単にリースということ。例えば、CallawayのX-18というアイアンセットは購入すると8本で$899.99だがリースにすると、月に$45ということだ。計算するとすぐにわかるが、20ヶ月以上持っていると、割高になってしまう。買い換える(いや、借り換える)しかない。

このリースという仕組、中古クラブ市場が存在しないと難しい。返品になったクラブをメーカーが処分するのではリース料金は高くなってしまう。新品価格と中古価格の差額を月数で割ったような計算をするのだから、中古品としての評価が高ければ、リース料金も安くすることができる。逆に大失敗になったのは、三菱自動車の米国での販売。リースに頼りすぎていたために、一連の不祥事の結果、中古車価格が暴落し、リース料金が上昇し、結果として売れなくなってしまった。
そういう意味で、ゴルフクラブの”Pay-as-u-play”を導入しているメーカーは、人気があるということになる。日本でも中古クラブショップは数多くできてきたようなので、リース方式が始まりそうである(既に始まっているのかもしれないが・・)。

ところで、中国の社長と取引をしたことが2回ほどあるが、どちらの方も、来日するとすぐに消えてしまう。どこに行ったかと思うと、ゴルフショップだ。それに毎日行く。中国はゴルフブームのようだが、以前の日本のように、一般に、下手なのに道具におカネをつぎこむらしい。そして、超人気ブランドは「本間」だ。なぜ、ダンロップやプロギアやブリジストンやナイキではなく、「本間」なのか謎に思っていたが、今、書きながら気付いた。そう本間は「漢字」なのだ。となれば、MIZUNOは中国では社長の名前である「水野」に改名すべきか?しかし、水+野では、ボールが池に落ちそうなイメージにも思える。