税務署員のにわか親切はカラ回り

2005-03-12 14:00:57 | MBAの意見
ecc5700a.jpg日頃、不親切な人間が、年に一度だけ大福様のように親切な気持ちになることができるだろうか?常識的に考えて無理だろう。日頃は、日夜脱税者の摘発のために、あれこれ陰険な調査や捜査をおこなっている人たちが、新年の声を聞くと、突然に親切な税金指導員に変貌する。確定申告に行ってきた。そして、うんざりした。

まず、当エントリは決して、脱税や、節税を目的で書いているわけではない。なにしろ、税金を払いにいったのだから。申告に行った主たる要因は、株式譲渡益。複数の証券会社からの年間取引報告書はプラスやマイナスもあるのだが、合計すると申告が必要な額になっている。(12月末にかなり損切りしたのだがJ-REITの売買益が大きかったようだ。)さらについでに医療費控除も申請が可能だ。さらに複数箇所からの税率の違う所得がちょっとだけ。つまり主たる給与支払い者を基準とした源泉徴収票を計算し直さなければならないわけだ。それも例のA表ではなくB表ということになる。

実は、なんだかんだと毎年確定申告に行っている。理由はさまざまだ。家の買い換えに基づくもの、おもわぬ寄付が必要だった場合、退職金関係の場合など・・それにしては、いつもわからなくなる。その最大の理由は、源泉徴収票がわかりにくいことによる。ブログを読んでいる人であればパソコンの定番であるEXCELのイメージはわかるだろう。一枚の表の中に式を書き込み計算させる。給料と控除額を書き込めば答えがでるはずだが、手元の源泉徴収票だけを見ても、その数字同士の関係がわからない。実際には、年収や、家族数や入っている保険の種類で課税所得と税率が決まり、住宅取得の特例のような税額控除があり、さらに定率減税がある。これらの補助指数は見てもわからないようになっている。だから、それらの計算式がわかるように書いてあれば、申告も楽だが、あれこれ計算して、やっと理解できる。そして、あらかじめ月刊誌「ZAI」についている、計算表に基づいて計算して答えを得ている。

そして、毎年のように「確定申告スタイル」で税務署に入る。確定申告スタイルとは、白いワイシャツに、地味なネクタイ。ダークスーツに皮のアタッシュケースに関数電卓だ。そして数字は、枠の下半分に小さな字で書く。そうすると、数字の中身をチェックされたことがない。一度なんかは「経理の方ですか」とか言われた。実際はもちろん違う。ただの不良社員だ(そのうち総経理にはなろうとか考えているのだが)。まあ、数字に強く、忙しそうなふりをして、時間がなさそうなそぶりを見せると、簡単だ。そして今年は強い見方がいる(はずだった)。あらかじめ計算した下書きをもとに、国税庁のホームページを利用して申告書Bの1表、2表、3表を入力し。各2枚のカラー印刷を行い。医療費も領収書を全部、分類してインフルエンザ予防接種代と人間ドック代を除いて表をつくっておく。すべてをアタッシュから取り出して税務相談員の前に並べてみる。

税:「インターネットで作りましたか。アレ、3枚目の控えがついていないんじゃない」
お:「各2枚しか印刷できなかったのですが・・控えはいりませんよ」
税:「そうはいかないのです、控えを渡すことになっているのだから」
お:「それならコピーにはんこ押してくれればいいじゃないの」
税:「コピーはダメなのですね。それでは、この内容をタッチパネルで打ち込んでください。そうすれ   ば印刷できるから」
ということで、タッチパネルに回される。税務署では短気は禁物だ。

あいているタッチパネルがあったので、列を作って並んでいる方々を出し抜いて、割り込みで席にすわる。そうすると、さっそく女性税務官Aがやってきて、入力画面を立ち上げてくれるのだが、途中まで入力が進んだ段階で、この表ではないということに気がつく。そしてこのパネルは多くの場合、「一つ戻る」がついていなくて、最初まで戻らねばならない。そして、元に戻ると、別の男性税務官Bが見てくれる。そして、間違った指示を与えてくれる。またも、別の表になり、またも全部キャンセルとなる。そして人に頼るのはやめて、自分で納得できるまでゆっくり作業をしているとまた別の税務官Cが助言する。そして、結局は、すべての助言を無視したことによりやっと1時間後に完成した。パソコンで作ってある答えと同じになった。

そして提出所に行くと。そこで一もめしている。どうも私の前の人が、損害保険料控除の中に自動車保険を潜らせでいたのが発覚したようだ。そうなると、全部書き直さなければならないのではないかと思っていたら、案の定、全部書き換えの指導があった。あーあ。おそらく、この人は過去何年もこの手を使っていたのだろう。過去5年に遡って、追徴しなさいよ(どこかに小さな字で、「提出資料の保存期間は1年です」と書いてあったので、実質的には調査不能だろう)。

そして、当然ながら、私の資料には間違いはない(と思っているが税理士ではないので、間違いないと信じているというぐらいが妥当な表現か)。そして、納税用の振込用紙が渡される。そして3月15日までに払い込まないと滞納課徴金が必要となるとの脅迫だ。ほんとに嫌な奴だ。還付の時は、たっぷり遅いのにね。


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