46年前の新鮮

2005-03-13 13:58:39 | 映画・演劇・Video
c9fd92d5.jpg[ジャン=リュック・ゴダール]+[フランソワ・トリフォー]+[ジャン・ポール・ベルモンド]+[ジーン・セバーグ] は、???
答え:勝手にしやがれ

1959年の古い映画だが、観てしまった。自宅の各種データを整理している。カセットやレコードやビデオとかを、縮小化したり、ディジタル化したり、廃棄したりと・・・
中でも、VIDEOカセットはかさばる。結構、ホームヴィデオとか、自分の出演した番組とか、来日アーティストのライブのテレビ版をチェックしたものなど、まあDVDにするまで、めんどくさい。ソニーの8ミリなどは、動かす機械が壊れてしまっているので、レンタル業者から借りてきたりしなければならない。

そういうVIDEOカセットの山の中に、テレビからチェックしたままになっている映画が何本か、出てきた。DVDを借りてきて見ればいいのだが、なにか「モッタ・イ・ナイ」という気分になってしまう。せっかく、何がしかの電気エネルギーを使って録画したものだから・・・(しかし、見ないで捨ててしまえば、もう一回VIDEOとTVを動かすエネルギーは不要なのだけど)

ヌ-ヴェルバーグのはしりといわれる、この「勝手にしやがれ」。すごく斬新だ。そして、名作。私の中では世界100大名作映画に入る(残り99は何だ、といわれると困るが、「恋に落ちたシェークスピア」と「真夜中のカウボーイ」とフェリーニの「アマルコンド」の三つは入る。)。原作は単純。自動車泥棒(ベルモンド)が警察に追われてローマからパリに逃走中に、警官を射殺。パリで愛人(セバーグ)宅にひそんでいるところを、彼女に裏切られて、最後はカメラに向かって「勝手にしやがれ」って言って、射殺される。というだけなので、下手をするとシネマにならない。

運転するベルモンドの顔がアップになっているのに、助手席のセバーグがしゃべっているというシーンが、大変に話題になったそうで、確かに落ち着かなくなるのだが、どうもカットを増やすと製作コストが上がるので、苦肉の策だったらしい。やたらと、激しく筋立てが進むのも、コストカットが原因だったのかもしれない。早口のイタリア語やフランス語は、コストとは関係ないだろう。

しかし、4人とも若かった。ゴダールは29歳。トリフォーは監督ではなく原作を書き27才。ベルモンド26歳、そしてセバーグは21歳。4人とも駆け出しだ。まだ数作目。ここから、4人のシネマ人生が始まったようなものだ。そして46年たって、2005年の年齢は、1959年の年齢に46を足したものになっているわけではない。一番若かったセバーグは40歳で謎の急死、トリフォーも52歳まで。そして現在、ゴダール75歳、ベルモンド72歳。二人ともぼちぼちやっている。

「勝手にしやがれ」を見たら、もう一つセットで見なければいけないとされる映画がある。ゴダールとベルモンドの映画だ。1965年作。しかし、その映画は絶対にテレビなどのマスコミに露出することはないのである。というのも、日本語の題名がいまや超差別用語となってしまったからだ。「きちがいピエロ」。これはTSUTAYAだなあ。