毎年のことだが、すっかり忘れてしまった頃、LPSA(日本女子プロ将棋協会)から、「2010年の日めくりカレンダー用の詰将棋に当選」と、郵便が届いた。3年連続。去年は1問だったが、今年は2問。三手詰と五手詰。そういう短いのは、作るのが難しい。例えば、七手詰だと、並みの作品なら、好手2つ。3つあれば難解作である。ところが五手詰めでも、好手一つではさまにならず、二つは必要。それなら七手詰めと変わらない。
さらに盤面が狭くなりがちだから同一作の危険もある。三手詰だとさらに厳しい。
応募者は300名近くということなので、一人で二作当選というのは、まあ、“申し訳ない”と言わなくていい数字なのだろうか。65人が二作で235人が一作ということかな。
レターは少し凝っていて、宛先の氏名が書かれていて、入賞作が中央にプリントされている。さらに封筒の中には賞品の図面用紙が同封され、宛名シールが貼られている。こういう作業は、レターと封筒の組み合わせを間違えやすく、他人のところに送られたりしやすい。
封筒の糊付けをした後に、急に不安になるものだ。「民主党」と書いて、投票箱に入れた後で、急に不安になるようなものだろうか。
(当選した作品は、カレンダー登場日の前には公開しない。)
さて、賞品の図面用紙だが、実は結構使っている。ちょっとした詰将棋のアイディアとか思いつくと、メモを取るわけだ。もちろん詰将棋は、そんな簡単には完成しないが、重要なのは、最初のアイディア。今までは日本将棋連盟が出している図面を使っていたのだが、そろそろ在庫がなくなってきたところだった。LPSA製は、メモを記入する場所がある。
図面の話のついでに、棋譜用紙だが、以前、将棋連盟で買ったのが、1枚に120手書けるものだった。1年少し前に、ある友人から棋譜用紙を1冊ほしいと言われたので、将棋連盟の売店に買いに行ったのである。
知っている人も多いと思うが、この棋譜用紙だが、プロは十年以上前から、1枚150手用を使っている。120手だと1枚に入りきらないことが多いからだ。
だから、120手用と150手用と二種類があるわけだ。
その友人は、棋風が「受けまくり」型だったので、たいてい120手では終わっていなかったわけ。ということで、連盟売店で、
「150手用の棋譜用紙を下さい」と言ったところ、
「ありません。」と一言である。
「いつもの対局の時に使っているの、売ってるでしょう。」とやんわり言うと、
「プロ用とアマ用と違うのです。」というわけだ。
「困ったなあ・・120手のは持っているのですけど、150手以上の詰将棋作るので・・」
まあ、結局、あれこれ粘ったものの、買えなかったわけだ。
どうせ、大量に120手用が余っているので、アマチュアにはそれを優先的に売ろうという「不良在庫の先入れ先出し」方式なのだろうが、要らないものは要らない。
残念なことに、私に依頼した友人は、生涯一度も棋譜用紙を見ることなく、10か月前に他界してしまったのだ。
さて、8月15日出題分の解答
▲3三銀打 △5三玉 ▲5二桂成 △同玉 ▲5三歩 △同玉 ▲5四歩 △同玉 ▲4六桂 △5三玉 ▲5四歩 △5二玉 ▲4三銀成 △同玉 ▲6三竜まで15手詰
まず、▲3三に銀を打って、拠点をつくる。その後、歩の連打という方針だが、少し単純な筋である。最後は人為的に合駒無効局面をつくる。
と書けば、簡単なのだが、公開寸前に、あわただしく問題の差し替えが必要だった。
まず、盤面に4一の歩がなかったのだが、変化同手数になることに気付く。さらに、攻め方に5三歩を配置して、▲5二歩成以下の紛れ手順の誘惑を作ってみたのだが、実に、それでも詰んでしまう(余詰)。なかなかうまくいかないものだ)。
動く将棋盤は、こちら。
今週の問題は、小技、中技を攻守両方が繰り出すという、いつものようにダラダラとした展開である。
序盤の変化に合駒選択。本筋にも簡単な合駒選択。まあ、投票箱が閉まる時間まで考え込まないように、先に投票に行ってから取り掛かったほうがいいかもしれない。
さらに盤面が狭くなりがちだから同一作の危険もある。三手詰だとさらに厳しい。
応募者は300名近くということなので、一人で二作当選というのは、まあ、“申し訳ない”と言わなくていい数字なのだろうか。65人が二作で235人が一作ということかな。
レターは少し凝っていて、宛先の氏名が書かれていて、入賞作が中央にプリントされている。さらに封筒の中には賞品の図面用紙が同封され、宛名シールが貼られている。こういう作業は、レターと封筒の組み合わせを間違えやすく、他人のところに送られたりしやすい。
封筒の糊付けをした後に、急に不安になるものだ。「民主党」と書いて、投票箱に入れた後で、急に不安になるようなものだろうか。
(当選した作品は、カレンダー登場日の前には公開しない。)
さて、賞品の図面用紙だが、実は結構使っている。ちょっとした詰将棋のアイディアとか思いつくと、メモを取るわけだ。もちろん詰将棋は、そんな簡単には完成しないが、重要なのは、最初のアイディア。今までは日本将棋連盟が出している図面を使っていたのだが、そろそろ在庫がなくなってきたところだった。LPSA製は、メモを記入する場所がある。
図面の話のついでに、棋譜用紙だが、以前、将棋連盟で買ったのが、1枚に120手書けるものだった。1年少し前に、ある友人から棋譜用紙を1冊ほしいと言われたので、将棋連盟の売店に買いに行ったのである。
知っている人も多いと思うが、この棋譜用紙だが、プロは十年以上前から、1枚150手用を使っている。120手だと1枚に入りきらないことが多いからだ。
だから、120手用と150手用と二種類があるわけだ。
その友人は、棋風が「受けまくり」型だったので、たいてい120手では終わっていなかったわけ。ということで、連盟売店で、
「150手用の棋譜用紙を下さい」と言ったところ、
「ありません。」と一言である。
「いつもの対局の時に使っているの、売ってるでしょう。」とやんわり言うと、
「プロ用とアマ用と違うのです。」というわけだ。
「困ったなあ・・120手のは持っているのですけど、150手以上の詰将棋作るので・・」
まあ、結局、あれこれ粘ったものの、買えなかったわけだ。
どうせ、大量に120手用が余っているので、アマチュアにはそれを優先的に売ろうという「不良在庫の先入れ先出し」方式なのだろうが、要らないものは要らない。
残念なことに、私に依頼した友人は、生涯一度も棋譜用紙を見ることなく、10か月前に他界してしまったのだ。
さて、8月15日出題分の解答
▲3三銀打 △5三玉 ▲5二桂成 △同玉 ▲5三歩 △同玉 ▲5四歩 △同玉 ▲4六桂 △5三玉 ▲5四歩 △5二玉 ▲4三銀成 △同玉 ▲6三竜まで15手詰
まず、▲3三に銀を打って、拠点をつくる。その後、歩の連打という方針だが、少し単純な筋である。最後は人為的に合駒無効局面をつくる。
と書けば、簡単なのだが、公開寸前に、あわただしく問題の差し替えが必要だった。
まず、盤面に4一の歩がなかったのだが、変化同手数になることに気付く。さらに、攻め方に5三歩を配置して、▲5二歩成以下の紛れ手順の誘惑を作ってみたのだが、実に、それでも詰んでしまう(余詰)。なかなかうまくいかないものだ)。
動く将棋盤は、こちら。
今週の問題は、小技、中技を攻守両方が繰り出すという、いつものようにダラダラとした展開である。
序盤の変化に合駒選択。本筋にも簡単な合駒選択。まあ、投票箱が閉まる時間まで考え込まないように、先に投票に行ってから取り掛かったほうがいいかもしれない。