「金」・「金」・「?」

2009-08-29 00:00:04 | スポーツ
fukmiロッテルダムで開かれている世界柔道で、26日には、女子48キロ級で福見友子選手が金メダルを獲得。さらに27日には女子52キロ級で中村美里選手が金メダルを獲得。

柔道は、小学性の時に、友人が通う柔道教室に行って、思い切り「巴投げ」を食らい急所を打つ。さらに中学の授業で乱取り(フリーファイト)をしている時に、またしても巴投げを食らって急所を強打。以後、柔道をするのが嫌いになり、急所の調子も乱調気味。

だから、女だったら柔道をしていたかもしれない。

というわけで、テレビでしか試合を観ていなかったのだが、昨年末に加納治五郎杯のただ券をもらった都合で、世界のトップレベルの選手の試合をみて、いささか感動した。

日本では、かなりマイナースポーツになった反面、観客も全国の柔道教室の生徒や大学の柔道部の学生など。つまり、かなり観客席のレベルが高く、アリーナの選手とのシンクロ度が高いわけだ。応援や掛け声なども、非常にツボに入ったところで盛り上がる。運悪く、大技で投げ飛ばされると、畳に落ちる瞬間に、会場中から、「イッポ~ン」と響き渡って、背中の痛みが倍加する。

その妙にマニアックに盛り上がる会場で、登場するだけで騒然と盛り上がる超人気選手が3人いた。

福見友子さん。

中村美里さん。

穴井隆将さん。

nakamura試合中、名前を連呼する応援が絶え間なく続くわけだ。「いけいけフクミ」とか「ゴーゴーナカムラ」とかだ。中村選手が判定で負けた時は、悲劇のオペラ会場みたいに、絶望のため息が流れた。

ところで、この3人に共通するのが、組んだときの姿勢である。本当に基本どおりに背骨が直立している。だから、両腕は真横に伸びるわけで、非常に美しい組み方である。

まあ、日本にも世界にも、メダル狙いで、「勝てばいい」という基本方針で、木から降りてきた最初の人類みたいに背中を丸めて、足にタックルしようと狙ったり、寝技になると押さえ込むのではなく、首を絞めたり間接をはずそうとしたりする柔道が幅を効かしているわけだ。

というわけで、48キロの五輪代表選考で、長期的視点に立つ「柔道の覇道」より、短期的視点の「メダル獲得による協会幹部の責任逃れ」の犠牲になった福見さんの金メダル。

優勝後、「最初で最後のチャンスと思って、・・・」と、谷が休養中の時しか代表になれないことに、思い切りインネンを張っていたのだが、頭の固い人たちには通じたのだろうか。

anaiそして、大会最終日の30日に登場する男子100キロ級の穴井選手。くじ運が悪く、決勝にたどり着くためには、次々に強豪を倒さなければならないのだが、そうなると正統派は辛い。

30日は選挙の日。開票速報と世界柔道と同時進行になるのだろうが、彼が金メダルを取る確率と、わが地元の自民党候補者が当選する確率は、ほぼ同じなのかもしれない。