嫌われた雑誌

2009-08-21 00:00:57 | 書評
いくつもの雑誌が自宅に送られてくる。まあ、優柔不断だからかもしれない。

flog1

最近、とり始めたのが『ナショナル・ジオグラフィック』。

アメリカでは大変有名な雑誌である。アメリカにも優柔不断な人が多いのだろうか。

日本版は、アメリカ版の記事の一部を日本独自の記事に差し替えているが、ほとんどが米国版の翻訳であるから、日本人の興味とは、少し(いや、かなり)方向が違う。例えば、8月号は5つの大特集を組んでいる。

1. ニッポンの恐竜時代

2. ベネチア 霧の中の未来

3. 超巨大火山 イエローストーン

4. 華麗な生物の擬態(シリーズ・地球のいのち)

5. サケの楽園 カムチャッカ

ということで、1は日本だけなのだろうが、2~4は世界バージョンと思われる。ベネチアが水没したり、イエローストーンがかつて巨大爆発をしたことなど、それほど日本人にとって面白いとは思えないが、これでも他の月の号よりは、読めたような気がする。

そして、実は、もっとも笑ったのが、この雑誌の後ろから7ページ前にある『読者の声』の中の、ある愛読者からの投稿であった。

ヘビやカエルは苦手

毎号、楽しくかつ啓発される写真・記事に感心しています。新聞写真に従事したものとして、撮影者のご苦労がしのばれます。

小生のささやかな希望としては、爬虫類・両生類は生理的に嫌悪を催しますので、なるべく掲載を少なくしてほしいと思っています(4月号目次のカエルには、目をそむけてしまいました)。

○○ ○ 奈良県天理市 80歳


flog24月号のカエルの特集は、世界規模で拡大している「カエルツボカビ病」で、すべてのカエルが絶滅の危機に瀕している、という緊急メッセージと、人口的に健康なカエルを隔離し、いわばカエル保護センターといった場所で、種の保存が行われているということの紹介が特集されていたのだが、奈良県在住の80歳の元報道カメラマン氏にとっては、ちょっと感じるところが違ったわけなのだろう。

単に、「老人はわがままだ」、というべきか、もっと思想的な「人間優越主義」がバックボーンにあるのかよくわからない。某大新聞社では、人件費の抑制を第一義に、カメラマンに記事を書かせるようになっているとの噂を聞いたことがある。