まだ余裕しゃくしゃくの隣り村

2009-08-22 00:00:11 | しょうぎ
どこで住所情報が漏洩したのかわからないが、将棋関係の出版が多い会社が発売元になっているソフトの新発売情報が届く。一応、先行予約すると、何割か安くなるようだ。(ということは、定価がついているソフトである。時価は不明だけど。)

ソフトは、

『 新東大将棋 無双 Ⅱ 』

「無双を超えた最強ソフト見参」と書かれているが、「無双」の次のバージョンが「無双Ⅱ」なのだから、無双を超えたというのも妙なコピーであるが、これが、もう一つの強豪ソフトと呼ばれる「激指」に対して、「激指を超えた」と書かないところが、この世界の閉鎖性なのだろうか。

それに、何でも「東大」と本来の東大とあまり関係もなくなっているのに気安く使うのもどうなのだろう。だいたい、「東大」と書いて喜んで買う人もいるだろうが、「東大」が嫌いでしょうがない人もそれ以上いるような気もする。

この無双Ⅱの機能の中で、注目したいのは「棋風選択」というのがあって、「標準」・「強引」・「慎重」の三つの中から選べるそうだ。

案外、この三つの棋風というのは、じゃんけんの三角関係のようなもので、

 強引>慎重

 慎重>標準

 標準>強引

というようなことかもしれない。自分の棋風は、序盤=標準、中盤=慎重、終盤=強引と思うが、こういうのは、「ヘボ将棋」なのかもしれない。

また、将棋ソフトにつきものの「棋譜読み上げ女流棋士」は鈴木環那初段で、「対局相手として選択することも可能」とわけのわからないことが書かれている。指名料は無料なのだろう。

正確に言うと、彼女の棋風と対局可能ということだろうが、本人と対局できると勘違いしないだろうか。耳かきレディ殺人事件では、ずっと指名を続けていて好意と勘違いして凶行に至った信じられない男がいたのだから、油断はできない。

さて、このソフトの実力は、20級から五段まで21段階と書かれている。アマ五段といってもピンキリだろうが、もう普通の人は勝てないレベルになっている。早い話が、これ以上開発しても、マーケットとしては関係ないだろうということになるのかもしれない。


一方、この将棋ソフトとともに、同時発売されるのが、世界最強という囲碁ソフト。

 『 天頂の囲碁 』

ついに、本物の囲碁対局ソフトの誕生です。と書かれている。

ネーミングはすっきりしている。「東大」と付かないのが、いい。「本物の囲碁対局ソフト」というのは、ちょっと、頑張りすぎではないだろうか。なにしろ、最高実力は二段である。囲碁の方が一段分、甘いのではなかっただろうか。

それでも、最強の思考エンジン「Zen」を搭載となっている。2009年5月にスペインで行われた国際大会で9勝1敗で優勝したそうだ。

こちらの読み上げ担当は、万波佳奈四段と万波奈穂二段の姉妹が担当だが、二人の会話が紹介されている。詰碁の実力についてだ。

奈穂:なんか詰碁がスゴくない?びっくりした。全然取りに来ないでしょって思ったら、カンペキに全部打たれて見事に死んだ。

佳奈:奈穂よりも詰碁できるかもね。

奈穂:・・。そうかもしれない。確かに。
将棋指しのプロみたいに、ソフト開発に追い詰められているわけではなさそうである(今のうちは)。


abさて、8月8日の出題作の解答。

▲4一馬 △3二角 ▲同馬 △同飛 ▲2四飛 △1五玉 ▲1六金 △同玉 ▲1四飛 △同香 ▲1七金 △1五玉 ▲2四角まで13手詰

初手で合駒選択の局面になる。歩合や桂合では早く詰む。

頭の丸い角を入手し、その角でとどめを刺そうという趣向である。うまいところで、飛車を捨てて、逃げ道を狭くする。

玉をはさむように攻めるのは寄せの鉄則で、待ち駒という技術になるが、詰将棋で上下にはさむ様に攻めようという主旨である。たまに見ると新鮮かも。

動く将棋盤は、こちら

090822今週の問題は、初形から漠然としている。

すこし、動かし始めると、なんとなく詰む方向がみえてくるのではないだろうか。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と手数と酷評を記していただければ、正誤判断。