「時事評論石川」11月号(787号)のお知らせ。
西洋と日本は違ふのだ。さういふことをかつて松原正は書いてゐた。そして今日、そのお弟子である留守先生がそのことを言ひ続けてゐる。今回の『常長』は木下杢太郎の作品であるが、それを取り上げた留守先生のお考へでもある。
かういふことを言ひ続けることの意味を、果たしてどれだけの人が分かるだらうか。今はグローバリズムといふことがさも当たり前のやうに言はれる。確かに英語帝国主義は激しく滲透してきてゐる。しかし、たとへさうであつても、日本と西洋は違ふといふことに変はりない。私たち日本人にとつては西洋は異国であり、異文化であり、分からないことは存在し続けるのだ。さういふことを自覚しなければならない。
ただ私はそれでも価値は一つであると思つてゐる。富士山ののぼり口は山梨側にも静岡側にもある。その登山道から見える景色は、それぞれ違ふ。しかし、その違ひは、同じ富士山の景色である。そのことを知らずに違ひを述べても致し方ない。だから、私はどちらかの景色が絶対で、どちらかの景色が優位であるといふことは正確ではないと考へる。どちらも絶対であり、どちらも正しい。しかし、それは同じ絶対の相対的見方に過ぎない。さらに言へば、富士山だけが絶対であり、その登山道を歩く人間も、それぞれが観る景色も相対である。絶対と相対とが同一物において成り立つといふことこそ、真実の姿であらう。絶対矛盾の自己同一とは、さういふことではないかと考へてゐる。
今月号の内容は次の通り。
どうぞ御關心がありましたら、御購讀ください。 1部200圓、年間では2000圓です。 (いちばん下に、問合はせ先があります。)
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「表現の不自由展・その後」のその後
二枚舌の「朝日」と詭弁の「芸術家」
宮崎大学准教授 吉田好克
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蠢くアメリカ、トルコ、シリアそしてIS
クルド民族の悲劇
経団連ビジティングアナリスト 佐々木良昭
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教育隨想 教員いぢめ―日教組よ、あんたの出番やで(勝)
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「この世が舞台」
戯曲『常長』 木下杢太郎
早稲田大学元教授 留守晴夫
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コラム
九%ではだめだった? (紫)
予言と予見(石壁)
話すことと書くこと(星)
校長と教育委員会(白刃)
● 問ひ合せ 電話076-264-1119 ファックス 076-231-7009
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