樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

書き間違い

2006年12月22日 | 木と言葉
以前、樹の名前を聞き間違えてエノキを一里塚にしてしまったという話を紹介しましたが、似たようなエピソードが学名にもあります。
イチョウの学名はGINKGO BILOBA(ギンクゴ・ビローバ)。1690年頃に来日していたドイツの医師が、日本の植物図鑑に「銀杏(ぎんきょう)」と紹介されているイチョウを自分の著書に掲載したのですが、GINKJOとするべきところをGINKGOと綴ってしまいました。JをGに書き間違えたのです。
それを、リンネ(生物の分類方法や学名のつけ方を考案した植物学者)がミススペルのまま学名として登録してしまったのです。当時、日本では「銀杏」という漢字を「イチョウ」「ギンナン」のほかに「ギンキョウ」と読んでいたようです。

      
    (「金色の小さき鳥の形して 銀杏散るなり夕日の丘に」与謝野晶子)

リンネの分類法では「イチョウ綱イチョウ目イチョウ科イチョウ属イチョウ」。大分類から小分類まで一つの名前で通す唯一の樹だそうです。つまり、他に仲間のない孤高の木。化石では20種類くらい発見されているようですが、現存するのは1種類だけです。
イチョウは植物学的には針葉樹でもなく広葉樹でもなく中途半端な位置づけになっていて、強いて分けるときは針葉樹として扱われています。
私も今の仕事を始めた頃、ひどい文字のミスをしたことがあります。ある京料理店の新館オープンのチラシで、「本日、開店」とすべきところを「本日、閉店」とやってしまいました。もちろん印刷はやり直し、関係者にえらい迷惑をかけました。
コメント (4)
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