樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

3×3=9

2006年12月11日 | 木と言葉
11月21日に木の芸名の役者として樹木希林をご紹介しましたが、木に因縁の深い役者がもう一人います。
山茶花究(さざんかきゅう)。もう亡くなりましたが、脇役専門の渋い俳優でした。小さい頃、この漢字が読めなくて「やまちゃ・はなきゅう」だろうと思っていました。

      
        (わがやのサザンカ。今年はたくさん花をつけました。)
      
        (散歩コースのサザンカ。原種に近い一重の白花。)

この「山茶花」とか「山茶」という漢字は日本ではサザンカを意味しますが、中国ではツバキを意味します。お茶の木もツバキ科ですが、里にある「茶」に対して山にある茶の木という意味でツバキを「山茶」と表記したのです。
サザンカは日本特有種で、中国にはないので漢字が作られなかったのです。日本ではツバキには「椿」を当てます。
『薬方雑記』という中国の書物にも、「日本、山茶花、その国名は椿となし、以って山茶と名づけず」と書いてあるそうです。
下の写真は宇治市役所の前に植えてあるお茶の木の花です。葉はよく見ますが、花をご覧になることはあまりないでしょう。ツバキやサザンカによく似ています。

      

冒頭の俳優の山茶花究ですが、この芸名は3×3=9(さざんがきゅう)の洒落だったようです。もともと坊屋三郎や益田喜頓らと結成した「あきれたぼういず」というお笑いグループ出身ですから、こんなダジャレの名前にしたのでしょう。
コメント (4)
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