樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

晩秋の栃の森

2006年12月01日 | 樹木
バード&ツリーウォッチングのメインフィールド「栃の森」には毎月1回、年に7回行きます。鳥が現れない夏と、雪でアプローチできない冬はお休み。先週末、今年最後の森歩きをしてきました。
この森に通い始めて11年、樹を観察するようになって5~6年になりますが、行く度に新しい発見があります。
先日は、ルートの東側斜面はほとんど落葉しているのに、西側斜面(朝日が当たる側)は紅葉が残っていることに気づきました。「紅葉や落葉の時期は日照時刻に左右される」という仮説が立てられそうです。

      
         (紅葉が残る西側斜面)

サワフタギの葉が緑色のまま落葉することも発見しました。強風の翌日に緑の葉が落ちていることはありますが、これは明らかに落葉です。紅葉シーズンを過ぎているのに、枝に残った数枚の葉も緑のままでした。いろいろ調べてみましたが、紅葉するサワフタギはどこにも見当たりません。
今年だけの現象かも知れませんが、「サワフタギは落葉樹なのに紅葉しない」という仮説を立てておきます。

      
         (緑の葉はサワフタギ)

以下、写真中心に晩秋の栃の森をご紹介します。

      
トチノキの冬芽です。先端がテカッているのが分かりますか? 触るとネバネバしています。

      
アケビのツルが巻きついて樹皮に喰いこんでいます。巻きつかれた樹を確認するのを忘れましたが、まだ生きています。

      
私たちは登山靴ではなくゴムの長靴で歩きます。険しいアップダウンがなく、写真のような小川やぬかるみを渡ることが多いからです。格好は良くないのですが、スタイルを気にする年齢ではないので機能一辺倒。ズボンの裾も汚れないので、この森にはぴったりです。
この「栃の森」も今年の6月から環境保護のため入山禁止になりました。私たちは10年間実施してきた鳥の調査を今後も継続するために許可をもらって入山しています。
コメント (4)
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