樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ネズミの糞

2006年12月13日 | 樹木
今の時期、あちこちの植え込みで写真のような黒い実をつけた樹が目につきます。ネズミモチ(あるいはトウネズミモチ)です。
この実がネズミの糞に似ていて、葉がモチノキみたいなので「ネズミモチ」。でも、モチノキ科ではなくモクセイ科です。

      
       (これはトウネズミモチ。ネズミの糞ってこんなんですか?)

この樹には不愉快な思い出があります。
15年ほど前、ある経済団体から私が所属する日本野鳥の会京都支部に「環境にいいイベントをやりたい」という依頼があり、植樹会とバードウォッチングをセットにしたイベントを提案しました。
当日、あるお寺の境内に植えたのが約10本のネズミモチ。植樹会と役員の挨拶が終ると、経済団体の皆さんはさっさとお帰りになり、探鳥会には参加されませんでした。「環境にいいことをした」という自己満足を得るために、私たちを利用されたようでした。
しばらく後に、そのお寺の境内を訪れましたが、植樹したネズミモチはほとんど枯れていました。以来、私は「植樹会」と聞くと眉に唾をつけています。

      
        (トウネズミモチの花が咲くのは夏。7月に撮影)

当時は樹木のことはほとんど知らなかったのですが、植えたのは多分トウネズミモチです。ネズミモチは山に自生していますが、植木業界に出回っているのは中国原産のトウネズミモチです。
ほとんど同じですが、葉を透かして見て、葉脈が見えるのはトウネズミモチ、見えないのはネズミモチ。

      
         (葉脈が透けて見えるのはトウネズミモチ)

名前もきたないし、いい思い出もないので、私はあまり好きになれない樹です。(ネズミモチのせいじゃないのに、ゴメンね。)

コメント (2)
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