樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

X’masケーキとハリウッド

2006年12月25日 | 木と言葉
映画のメッカHOLLY WOODは「聖なる森」だと思っていませんか?
昔は「聖林」と書いてハリウッドと読ませたので誤解が広がったようですが、「聖なる」はHOLYでLが一つ少ない。HOLLYは「ヒイラギ」だから、ハリウッドは「柊の森」です。

      
   (わが家のHOLY NIGHTのケーキ。西洋ヒイラギとモミが飾ってあります。)

ヒイラギにもいろいろあって、みなさんが昨夜召し上がったクリスマスケーキに飾ってあるのはセイヨウヒイラギ(これがHOLLY)。名前のとおり日本には自生しません。モチノキ科で、葉は互生(左右に互い違いに出る)、実はご存知のように赤です。「聖林」という当て字はクリスマスつながりだったのかも知れません。

      
        (節分にイワシの頭を刺すのはヒイラギ)

一方、「ヒイラギ」はモクセイ科で、葉は対生(左右同じ位置から出る)、実の色は青。節分にイワシの頭を刺すのはこの木で、日本に自生します。意外ですが、葉のトゲトゲは若木の間だけで、老木になるとトゲトゲがなくなります。人間と一緒で、年を取ると丸くなるんですね。

      
      (玄関先によく植えられるヒイラギナンテンは羽状複葉)

もう一つ、「ヒイラギナンテン」もよく庭に植えられます。これはメギ科で、葉が羽状複葉(小さい葉が集まって1セットの葉になる)、実はヒイラギと同じく青。名前のとおりナンテンの仲間で、大陸から移入された栽培種です。
さて、HOLLY WOODは「柊の森」ですが、実際にはハリウッド周辺に柊はないそうです。ここに住んでいたある女性が旅行中にHOLLY WOODという別荘地の話を聞き、その名前が気に入ったので地名にしたと伝えられています。
コメント (3)
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