樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

お木軽に

2006年07月20日 | 木の材
2日続けておやじギャグタイトルで申し訳ない。
日本で最も重い木はウバメガシですが、逆に最も軽い木はキリです。気乾比重は約0.3。写真は桐の下駄ですが、手に持ってみると頼りないくらいに軽い。スケールで計ったら250グラム。私がいつも散歩に履く、いちばん軽いスニーカー(布製)は600グラムでした。

      

では、「世界で最も軽い木は?」と言うと、気乾比重0.17のバルサ。私も子供の頃、模型飛行機をよく作りましたが、あの材料がバルサです。日本で最も軽いキリのさらに半分ですから、バルサで下駄を作ったら130グラムくらい。履いているのを忘れそうな軽さです。
この世界一軽いバルサも、昨日ご紹介した世界一重いリグナムバイタやブラックアイアンウッドも中南米産というのが面白いです。
昨日、気乾比重が1以上の重い木があると書きました。木の主な成分はセルロース、リグニン、ヘミセルロースで、どの樹木もほぼ同じです。なのに、なぜ比重がこうも違うのか?

         
      (キリの幹。樹皮は白っぽく、見るからに軽そう。)
 
それは、空気です。軽い木には空気がたくさん含まれている(つまり空洞が多い)のです。昔、日本では「女の子が生れたら桐を植えて、その木で婚礼用の箪笥を作る」と言われていました。20年くらいで箪笥が作れるほどの大木になるということは、それだけ成長が早いということ。つまり、空洞が多いということです。
「火事になっても桐の箪笥なら中身が燃えない」と言われるのは、空洞が多くて熱伝導率が低いためだそうです。
コメント (2)
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