樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木が重い

2006年07月19日 | 木の材
おやじギャグのタイトルですみません、木の重さの話です。
木の重さは「気乾比重」という基準で表示します。ある程度乾かした状態での比重です。
日本で最も重い木はウバメガシ。備長炭の材料として知られています。アカガシやイスノキも重く、気乾比重はいずれも0.8~0.9。このクラスになると、生木なら水に沈みます。
写真の備長炭は、打ち合わせると金属のような硬質な音がします。なお、炭のことは「いい炭ドットコム」が詳しく教えてくれます。この備長炭もここから購入しました。

      
(わが家では備長炭をホルムアルデヒド対策や冷蔵庫の消臭用に使っています。)

このウバメガシは生垣にもよく使われます。京都御所でも烏丸通りと丸太町通りに沿った石垣の上に延々とウバメガシが植えてあります。
ある本には「京都ではナンキンガシと称して庭に植える」と書いてありましたが、関東では生垣や庭に使わないのでしょうか。

      
      (私の近所にもウバメガシの生垣があちこちにあります。)

さて、世界一重い木は、一般的にはリグナムバイタと言われていて、気乾比重は約1.3。つまり、乾かした状態でも水に沈むのです。主に船のスクリューの軸受けに使われていて、適度に油が滲み出てくるので最適だそうです。
ところが、最近ある材木屋さんの本を読んでいたら、それよりも重い木があると書いてありました。その名はブラックアイアンウッド、黒い鉄の木。いかにも重そうでしょう? 気乾比重は、何と1.5。こんな木を何に使うのかと言うと、日本では算盤の枠材だそうです。

木をギュッと圧縮して空気のない状態にしたら、どの木も比重は1.5くらいになるそうです。ということは、ブラックアイアンウッドは空気がほとんど含まれていない木ということですね。
私の比重はいくらかな? 脂肪が多いから水には沈まないだろう。って安心している場合じゃないな。
軽い木の話は明日。
コメント (4)
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