樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

木の名のガセビア・その4

2006年07月05日 | 木と言葉
久しぶりのガセビアシリーズに登場するのはコシアブラ。
私はしょっちゅう「油漉し」と言い間違いそうになります。新芽を天ぷらにして食べた方も多いでしょう。
割に身近に見られる木で、5枚の小葉を広げた葉はトチノキにそっくりです。

      
      コシアブラは小葉が5枚で、小葉柄(軸)がある。

      
      トチノキは小葉が5~9枚で、小葉柄(軸)がない。

コシアブラの語源は、「昔、この木の樹脂(油)を漉して塗料を作ったから」とされています。塗料は錆止めとして金属に塗ったそうです。

世の中には私以上に疑り深い人がいて、この説を確かめるために、実際にコシアブラから樹脂をとった大学の先生がいます。結果、漉す必要はなく、そのまま透明なきれいな塗料が採取できたそうです。
これを受けて、コシアブラの「コシ」は「漉し」ではなく、地方名の「越」(越前・越後あたり)であると主張する人もいます。

「木の名のガセビア」を4回書きましたが、何だか夢を一つずつあばいていくような意地悪なシリーズになってきたので、これにて打ち止めにします。
コメント (2)
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