樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

アダムとイブが食べた実は?

2006年07月24日 | 木と宗教
イチジクが果物売り場に並び始めました。
この実は漢字で「無花果」と書きます。字だけ見ると「花が咲かずに成る果実」と思いがちですが、花が咲かずに成る実はありません。もっと言えば、基本的にはどんな樹でも花は咲きますし、実も成ります。目立つか、目立たないかだけの差です。

      

私たちが実と思っているのは花嚢(かのう)と呼ばれる花の一部。この中に花が咲いているので、私たちの目に見えないのです。
イチジクの実(=花嚢)の上には穴があいていますが(写真では左)、この穴からイチジクコバチという虫が入ってきて中の花に受粉し、本当の実(種のある部分)が成ります。私たちが食べているのは、ほとんどが花の部分なのです。

          
      (うちの近所にはなぜかイチジクの樹が多いです。)

イチジクと言えば、アダムとイブがリンゴ(知恵の実)を食べてお互いが裸であることに気づき、恥ずかしくなって陰部を隠した葉として知られています。この話は聖書の「創世記3章7節」にあり、これが聖書に登場する最初の木だそうです。このほか、イチジクは57回も聖書に登場するとか。
また、アダムとイブが食べたのはリンゴの実とされていますが、中東にはリンゴは育たないので、これもイチジクではないかという説があります(アンズ説もあります)。イチジクの実を食べて知恵がついて恥ずかしくなったから、すぐにその場にあった葉で隠した、という方が自然ですもんね。
そんなイチジクが日本に渡来したのは1600年代ということです。
コメント (2)
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