ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

斑状歯対策として…川下川ダム

2022-12-22 07:02:11 | 兵庫(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。えー、今回は兵庫県神戸市北区道場町生野(どうじょうちょう いくの)にある武庫川水系の川下川(かわしもがわ)ダムを訪れます。アクセスは国道176号の「道場東」信号から県道327号へ入り、そのまま道なりに進んでいくと目的地に到着します。ただし、この県道327号は場所によってすれ違いが困難なほど狭いところがあるので要注意。

ダム名は文字通り川下川を堰き止めて築造されたことに由来するのですが、築造の背景にはなかなか深刻な問題があったようです。というのも、下流の西宮北部と宝塚市では昔から歯の表面に褐色の斑点やシミが生ずる斑状歯(はんじょうし)の人が多数おり、当時はその原因が不明で一種の風土病とされていました。ところが戦後すぐに宝塚市内の飲料水を分析したところ高濃度のフッ素が検出されます。そこで宝塚市は従来市が所有する水源をやめ別の水源の確保を検討したのですが、人口の急増によって水道の使用量が増大し、時には断水するほどの状態であったためフッ素濃度の高い水を供給し続けるしかなかったそうです。

しかし1971年に宝塚市内の歯科医が児童の中に斑状歯が多数見られると指摘。これを受けて飲料水のフッ素濃度問題が再燃します。そこで調査を開始したところ川下川のフッ素濃度が低いことが判明。これにより新たな水源として川下川に注目が集まり、そこにダムを築造することになったようです。ほぉ〜、なるほどね。

そうこうするうちに川下川ダムの右岸に到着しました。右岸から見たダムの様子がこちら。上のリンク先によれば中心コア型ロックフィルダムで、高さが45.0m。1977年4月より運用開始だそうです。


洪水吐は右岸側にあり、形状は扇型。増水時になると水はここから溢れ出て、


この水路を通ってあちらへ流れてゆきます。


右岸の県道沿いには「川下川ダム」と記されたモニュメントのようなものが。

別の面には諸元が刻まれています。それによると1972年11月2日に着工し、1977年3月31日に完工したとあります。


で、これがダム上なんですが、ご覧の通り「関係者以外立ち入り厳禁」の表示があり、もちろんガッチリと施錠されているのでその先に行くことはできません。もっとも、水道局が管理しているダムは大抵そうなんですけどね。

鉄柵の向こうに見える建物には「貯水池管理室」の表示が。


フッ素には虫歯を予防する効果があると言われますが、だからといって盲目的に使用すれば良いわけじゃない。何事にも適量というのがあり、過剰摂取は身体に毒なのだということを教えてもらった気がします。
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