ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

築造経緯が明らかな黒谷ダム

2024-04-04 07:01:54 | 岡山(ダム/堰堤)
どーも、ワシです。えー、今回は岡山県岡山市北区河原(かわはら)にある笹ヶ瀬川水系の黒谷(くろだに)ダムを目指します。アクセスは国道429号沿いにあるので迷うことはないでしょう。

左岸に到着。ロックフィルダムですね。

ダム湖側から見た様子。

近くにある「黒谷ダムのあらまし」。

築造の経緯はこちらの石碑に刻まれています。不明な文字もありますが、転記すると以下の通り。

「大正十三年(1924年)の大旱魃により足守川沿岸地域は大なる被害を受けた。これを契機として●●●池を造る声が起ったが地元負担金が多すぎるなどを理由に反対者も多人あった。当時の福谷村長 川崎忠太郎氏は隣接する町村長と協力して反対者を説得し昭和七年(1932年)黒谷池を完成させた。農業経営を飛躍的に向上させた黒谷池は築造後五十数年を経過し老朽化したことから池を改修する要望が地区農から起った。これを受けて昭和五十年岡山県が調査を開始し、黒谷池下流九十米の位置に洪水調節を兼ねたダムを農林水産省補助により築造する計画がなされた。昭和五十九年には付替道路工事に引き続きダム本体工事に着手し、平成二年官民一致協力し受益住民の負担は一切無く全て公共事業費によりこの大事業は完了した。そして、黒谷池は名称も黒谷ダムとなり、足守川流域の洪水と水不足の不安は解消した。ここに記念碑を建立し、その概要を後世に伝えるものである。
  平成二年十月吉日
    黒谷池土地改良区理事長
        門本和郎 謹書」

おむすび型の「黒谷ダム竣工記念」の石碑。

その裏側には諸元が記されています。高さ=43.6m、長さ=208.5m。

左岸から見たダム上。行ってみましょう。

いわゆる親柱に「ほたるの里」とあるので、このあたりは水が綺麗なんでしょうね。

ダム上、中央から見たダム湖の様子。

一方、下流側はこんな感じ。写真下方に見えるのは日時計だそうで、


その説明が左岸側に記されています。

洪水吐は右岸側にあり、越流式。ここから溢れ出た水は、

この水路を通って、足守川(あしもりがわ)となって下流へ向かいます。


対岸(右岸)に来ました。振り返るとこんな感じ。手前の橋の下が洪水吐の水路。

右岸の親柱に嵌め込まれたプレート。「くろだにダム」と記されているのにダム便覧ではなぜか「くろたに」となっています(参考)。なぜこんなイージーミスをするんでしょうね。確認すれば済むことなのに…。

「平成2年3月竣工」とあるのは、おそらくダム本体の竣工時期と思われます。

右岸、下流側から見た様子。

右岸、上流側にあるこの建物は「黒谷ダム管理事務所」。


そして、そこからダムはこんな感じに見えます。


築造の経緯も明確な農林ダムでした。ちなみにダム名は左岸下流側の地名に由来します。調べてみたら、同名のダムが福島県南会津郡只見町にもあるのに気づきました(参考)。これはまた面白そうなので、いずれ行ってみようと思います。
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