ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

古代に想いを馳せる…伊自良溜池

2020-06-18 07:13:10 | 岐阜(ダム/堰堤)
岐阜県山県市長滝にある木曽川水系の伊自良(いじら)溜池に来ました。まず目を引くのは黄色い橋がかかっていること。



実はこの橋、自由越流式の排水路を渡るためのものなのでした。増水するとここから溢れ出て、



あちらへ流れていきます。



通路を進んでみます。中央から見た貯水側の景色です。



下流側の景色はこんな感じです。



それにしても、伊自良とはなんとも珍しい名称ですね。どういう由来があるんでしょうか。調べてみました。この地名の由来は諸説あるらしく、石村が訛って伊自良になった説、また鎌倉時代末期に卜部兼方が著した『釈日本紀』には巻十三に「牟義都国造伊自牟良の女(むげつのくにのみやつこいじむらのむすめ)」との記述があり、それに関係するのではないかという説。ほか、いろいろ。

補足説明すると、「牟義都国」とは美濃地方を流れる長良川と揖斐川の間にある現在の関市、山県市、本巣市一帯の広い地域のこと。また「伊自牟良」は牟義都国を当時治めていた国造の名前。つまりその娘が「牟義都国造伊自牟良の女」で、名を久留比売命(くるひめのみこと)といい、のちの継体天皇(450年頃ー530年頃)の祖母になるんですね。(参考


さて、対岸へ来ました。振り返るとこんな感じ。



ああ、この貯水湖は伊自良湖というんですね。この看板に出ている「ナッチョルくん」は伊自良地域の特産である干し柿と、「柿がなる」という意味で使われる方言「柿がなっちょる」と自然を意味する「ナチュラル」を掛け合わせて生まれたキャラクターで、2011年4月から山県市観光協会の観光大使として活躍しているそうです。(参考



対岸、伊自良湖側から見た様子。



対岸、下流側から見た景色。



名称の由来などを知ると、この風景がなんだか古墳時代のそれに見えてくるから不思議です。
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